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「アダプティブ・クルーズコントロール」(ACC)とは? ドゥカティのムルティストラーダV4Sに初採用された最新装備を解説【現代バイク用語の基礎知識】
アダプティブ・クルーズコントロールを解説
前車の速度に合わせてバイクが自動で加減速する新機構
ドゥカティの新型ムルティストラーダV4Sは、バイクでは世界初となるレーダーセンサーを採用しており、サラウンドセンシングを利用したアダプティブクルーズコントロール(ACC)機能が搭載されている。
通常のクルーズコントロールと異なるのは、自動でバイクが前の車やバイクの速度に合わせてきっちり付いていくこと。その際、速度や車間距離の調整のために、レーダーが検知した情報を活用しているのだ。
レーダーセンサーはライダーの目と頭脳に代わる役割を果たしており、エンジンコントロールユニットやMSC(ブレーキ)をラ...
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バイクの新機構「パラレログラムリンク」とは? トリシティやナイケンなどヤマハの前2輪モデルに採用される革新装備【現代バイク用語の基礎知識2020】
「パラレログラムリンク」は、前2輪の安定性を支える重要な機構!
パラレログラムリンク
【主な機能・効果】
前2輪による抜群の走行安定性
【主な採用モデル】
トリシティ125、トリシティ155、ナイケン、ナイケンGT(いずれもヤマハ)
ヤマハがトリシティシリーズや、大型LMWスポーツのナイケンに採用しているフロントまわりの機構がパラレログラムリンク。
「パラレログラム」とは平行四辺形という意味で、上下2本のリンクプレートが前2輪につながったフロントフォークを支持することで、前2輪を車体と平行にリーンさせることを可能としている。
この機構の採用で、通常の2輪車と同様の操縦フィールながら、前2...
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バイクの〈電子制御サスペンション〉とは? その歴史と機構を解説!【現代バイク用語の基礎知識2019】
ELECTRIC CONTROL SUSPENSION(電子制御サスペンション)は、最先端の車両制御システムとして、注目を集める機能
【主な機能・効果】
1.ボタンひとつでセッティング変更可能
2.安全性、快適性、スポーツ性の共存
【主な採用モデル】
ホンダ CBR1000RR SP2、カワサキ Ninja ZX-10R SE、ヤマハ YZF-R1M、KTM 1290スーパーアドベンチャー、ドゥカティ ムルティストラーダ1200Sなど
電子制御サスペンションは、ライダーの好みに応じて前後サスペンションのダンパー特性をボタンひとつで調整できるシステムから始まった。
2004年のBMW「K1...
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スクーターから高級車へと採用機種が増え始めた〈スマートキー〉を解説【現代バイク用語の基礎知識2019】
安全・安心・便利の3拍子。近年では高級車を中心に普及した「スマートキーシステム」
【主な機能・効果】
1.キー不要で始動時の煩雑さを低減
2.イモビライザー機能も加えて盗難抑止
【主な採用モデル】
ホンダ PCX、フォルツァ、ゴールドウイング、ヤマハ XMAX、BMW R1250GS、F850GS、ドゥカティ ディアベルなど多数
始動時にイグニッションキーを差し込むことなく、ボタンやスイッチひとつで走り出せる、イージースタートが魅力のスマートキーシステム。
ライダーが携帯するキーフォブ(携帯機)と車両のECUとの間で電波を使って通信を行ない、通信が成立してキーが認識されればセキュリティが...
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「フィンガーフォロワー」とは?最新のスーパースポーツ車に採用されるロッカーアームを解説【現代バイク用語の基礎知識2019】
従来の直打式有利説を技術の進歩で覆した「フィンガーフォロワー」
【主な機能・効果】
1.バルブの運動質量の軽量化
2.高回転化に有利
カムシャフトの回転をバルブに伝えるロッカーアームには、回転軸がアームの中間にあるシーソー式と、アームの端にあるスイングアーム式の2種類あり、スイングアーム式は「フィンガーフォロワー」とも呼ばれる。
1本のカムで吸排気両方のバルブを開くOHCではロッカーアームが必要不可欠で、そのほとんどがシーソー式を採用。
一方、DOHCでは、カムが直接バルブを押す直打式とロッカーアーム式が混在。部品配置の関係から、使われているロッカーアームはフィンガーフォロワーだ。
これ...
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「LMWアッカーマン・ジオメトリ」とは? 前二輪モデルの登場で生まれた新機構【現代バイク用語の基礎知識】
最大45度のバンク角でも高い旋回性を確保するヤマハ「ナイケン」の要
【主な機能・効果】
1.コーナリング中の前2輪の旋回性向上
2.スムーズなコーナリング特性の実現
アッカーマン機構とは、四輪に採用されている前輪ステアリング機構で、ハンドルを切った際、コーナーの内側にあるタイヤの切れ角が大きくなるように動くメカニズムのことである。
これにより、コーナリング時、前二輪の旋回の中心点が同心円上に揃うため、スムーズな旋回ができる仕組みだ。
フロントを二輪としたLMW(リー二ング・マルチ・ホイール)であるヤマハ「ナイケン」もこのアッカーマン機構の一種を採用している。
それが「LMWアッカーマン・...
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バイクの「クイックシフター」「オートシフター」とは? 大型スポーツモデルを中心に標準装備車が増加中【現代バイク用語の基礎知識】
シフトダウンに対応したオートシフターも増えてきている!
【主な機能・効果】
1.ロスのないシームレスな加速
2.コーナリングに余裕が生まれる
ロードレースでは、加速中にシフトアップする際のタイムロスを少しでも減らすために、アクセルを一瞬戻してシフトアップし、すぐにアクセルを開ける、いわゆるノークラッチシフトが当たり前に行なわれていた。
その「一瞬アクセルを戻す行為」を電子的に行なって、さらにタイムロスを減らそうと開発されたのがオートシフター、別名クイックシフターだ。
加速中、アクセルを開けたままペダルをシフトアップすると、それをセンサーが感知して一時的に点火をカットしてアクセルを戻したの...
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ハイエンドスポーツモデルに採用されている「エンジンブレーキコントロール」とは?【現代バイク用語の基礎知識】
減速時のエンブレ特性も自由自在! スロットルをわずかに開けてエンジンブレーキを緩和する
【主な機能・効果】
1.急減速時のリアタイヤの暴れを緩和
2.スムーズなコーナー進入をサポート
走行中にアクセルを閉じると発生するエンジンブレーキ。
適度なエンジンブレーキは制動距離を短くし、コーナーに進入するきっかけとなるが、全開走行から一気にアクセルを戻したり、それにシフトダウンが絡むと、過大なエンジンブレーキがかかってリアタイヤがハネ回り、安定性を損なうことがある。
このシチュエーションはロードレースで頻繁に発生するため、1970年代後半のロードレースシーンで、過大なエンジンブレーキをクラッチで...