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ヤマハ「セロー250 ファイナルエディション」と「ツーリングセロー」を解説! 各部の詳細と足つき性をチェック
スペシャルコラム:太田安治
「スペックには表れない魅力を備えたトレール」
初代セローが登場した1985年当時、僕は33馬力の2ストエンジンを搭載したヤマハ「DT200R」に乗っていた。
20馬力のセローに乗る友人と一緒に林道に入ればセローは遅れる一方。しかし道が荒れるに従って差は縮まり、ゴロゴロの石が転がるガレ場やヌタヌタの泥濘地ではホイールスピン連発で前に進まないDTを横目に、セローの友人はペタペタと足を着きながら何事もないかのように走り抜けていく。
数値だけでは判らない「トラクション」と、二本の足の威力を思い知らされた。
最近はカワサキ「KLX250」で林道を楽しんでいるが、かつての...
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トライアンフ「タイガー900」シリーズを簡単解説! フルモデルチェンジとなった3気筒ミドルアドベンチャーツアラー
排気量アップ&新フレーム、全5モデルをラインナップ
個性的なスタイルと独特な並列3気筒エンジンが魅力のミドルアドベンチャーツアラーとして、2010年の登場以来親しまれてきたトライアンフ・タイガー800だが、2020年モデルでついにフルモデルチェンジ。タイガー900へと生まれ変わることが2019年の12月に発表された。
タイガー800はデビューからフレームやエンジンが基本的に受け継がれてきた。しかしタイガー900では、エンジン排気量を888㏄にまでアップして力強さを増すと同時に最新排ガス規制のユーロ5もクリア。
フレームも新設計で、スタイリングもアグレッシブさをプラス。IMUを活かした最新...
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〈試乗インプレ〉Kawasaki「Ninja ZX-14R HIGH GRADE」有終の美を飾る、カワサキ最強のメガスポーツ
あふれるトルクを活かす懐の深い走りは色褪せない
ZX-14Rには「歴史」がある。ルーツは 2006年に登場したZZR1400。その前のZX-12Rから好敵手ハヤブサとの最強最速バトルを繰り広げ、その力と姿によって強烈な存在感をアピールしてきた。
今なら300㎞/hを越える最高速を誇るバイクは山ほどある。でも、その大半リッタークラスのSSだ。ライダーは目を三角にして伏せ、車体を気合いでホールドして全開にすることでその速度域に到達する。
でも、かつてのZZR1400は、ちょっと頭を下げ、のんびりと全開にするだけで、平和に300㎞/hを越える力があった。これはZX-14Rでも同じ。むしろ、もっ...