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【絶版名車インプレッション】KAWASAKI Z1000 Mk-II「もう一つのZ、Mk−IIが持つ魅力の源泉とは……?
1969年に登場したホンダCB750FOURは、国産初の4気筒エンジンやディスクブレーキによる高速性能の高さが評価され、日本はもちろん欧米でも人気モデルとなった。カワサキも同時期に大型モデルを開発していたのだが、CBに先行されたためコンセプトを変更し、開発時間をかけてより以上の高性能を追求。72年に満を持して発売されたのがアメリカ市場を中心に大ヒットしたZ1だ。
だが当時の日本には「国内向けオートバイの排気量は750㏄未満」というメーカー間の自主規制があり、903㏄のZ1をそのまま市販することはできなかった。そこでカワサキは翌73年にボア・ストロークを共に縮小して排気量を746㏄としたZ...
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【絶版名車インプレッション】SUZUKI GS1200SS(2001年)
往年の雰囲気を湛えるかつての異端児は、時を経て、時代の寵児になろうとしているのか
今年40周年を迎えた鈴鹿8時間耐久ロードレース。本誌の読者なら、あの熱い時間を青春の思い出として心に刻んでいる人も多いと思う。過酷な長丁場にチェッカーが振られた後の、サーキット全体を包む一体感は耐久レースだけの魅力。そしてそこには「耐久レーサー」というオートバイが中心にある。
耐久レースはヨーロッパ諸国で人気のあるレース形態で、ル・マン(ブガッティサーキット)やボルドール(マニクールサーキット)といったフランスのサーキットでは1970年代後半から24時間耐久レースが開催され、たちまち世界的なイベントへと成長...
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【絶版名車インプレッション】YZF-R7<OW-02>(1999年)
OW-02 [1999 YZF-R7 RM01]
空前の盛り上がりを見せたレーサーレプリカブームは今から四半世紀ほど前の出来事になる。ブームの黎明期から全盛期までは雑誌でも取り上げることが多いが、その終焉期のようすは露出の機会も少なく、記憶の中からもフェードアウトしようとしている。ブームという得体の知れない空気の中で、キラリと光ってたちまち消えたオートバイ。それがヤマハのYZF‐R7[OW‐02]だ。
FZR750R [OW‐01]の後継機であるR7はスーパーバイクレース参戦を前提に開発され、99年にヨーロッパ向けとして約400万円以上で500台が限定販売された。全日本選手権では開発ライ...
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【絶版名車インプレッション】YAMAHA ZEAL(1991年)
ハイスペックを心地良さにつなげたネイキッド仕様
ゼファーの大ヒットに端を発するネイキッドブームに呼応し、ただ普通に乗ることが楽しめるように意図されたネイキッドスポーツ。
パワーユニットはFZR250Rベースの水冷4気筒で、吸排気ポート長やバルブタイミングを思い切って中低速向けに振り、アクセレーションに優れるミクニBDSTφ26mmキャブやトップをオーバードライブ設定とした6速ミッションを採用。
元々レッドゾーンが1万8500回転からという超高回転高出力型のエンジンを、低回転からスムーズに立ち上がり、アクセル操作に対して穏やかかつリニアに反応し、快適なクルージングが楽しめるユニットへと変貌...
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【絶版名車インプレッション】SUZUKI GSX250S KATANA(1991年)
カタナスタイルを250サイズで忠実に再現
スズキ創業70周年を記念して90年に限定生産された1100Sアニバーサリーモデルは、スズキも予想しなかったほどの大きな反響を得る。時を同じくして、中型クラスではゼファーの登場に端を発するネイキッドブームが巻き起こっており、対抗馬の投入が急務となっていた。そこでスズキはカタナを中型クラスにシリーズ展開することを決定。その第一弾として91年5月に250が投入された。
ヘッドライト下のスポイラーやカウルサイド下部のカバーに1100Sと共通パーツを使うなどして、カタナの前衛的なスタイルを250ccサイズで絶妙に再現。エンジンはバンディット系の水冷4気筒ユ...
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【絶版名車インプレッション】YAMAHA FZR250R(1989年)
ワークスYZFのノウハウで劇的進化
FZ250フェーザーの大ヒットにより、ライバルメーカーの4気筒250ccマシン開発の方向性をも決めてしまったヤマハ。86年12月には、レーサーレプリカブームの盛り上がりに呼応して、よりレーシングライクなフルカウルフォルムを与え、エンジンもデジタル点火の採用などで熟成を進めたFZR250にフルモデルチェンジして、リーディングモデルとしての地位を固めにかかった。
一方、ライバルメーカーも手をこまねいていたわけではなく、ホンダはアルミツインチューブフレームに新開発のカムギアトレーン4気筒エンジンを搭載したCBR250Fourを投入。スズキも、新しい4バルブエ...
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【絶版名車インプレッション】KAWASAKI BALIUS II(1997年)
ZXR譲りの高回転型エンジンを搭載した硬派ネイキッド
カワサキは89年にデビューさせたゼファーを大ヒットさせることで、現在まで続くネイキッドスポーツというジャンルを確立させた。しかし、ゼファーシリーズは最初の400を皮切りに、750、1100とラインアップを拡充してさらなる人気を得たが、250ccネイキッドではバンディット、ジェイドに先行されてしまう。そんなライバルたちに対向するため、92年に満を持してカワサキがデビューさせたモデルが初代バリオスだった。
空冷直4エンジンやダブルクレードルフレーム、Z2を思わせるクラシカルなスタイルで人気となったゼファーから一転、バリオスは250ccレプ...
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【絶版名車インプレッション】HONDA HORNET DX(2006年)
集合されたアップマフラーと、ワイドなリアタイヤが「スズメ蜂」の証
ホンダは250ccネイキッドとして、まず91年にジェイドをデビューさせる。エンジンはCBR250RR系ベースに中低速トルク重視にディチューン、スタイルは89年にデビューしていた400ccネイキッドのCB-1にも似たオーソドックスなものだったが、96年に生産を終了。その後継モデルとして96年に登場したのがホーネットだ。
ホーネットはそのエンジンこそジェイドと同じく、CBR250RR系のカムギアトレーン採用の水冷直4を引き続き搭載していたが、車体に関しては基本的なデザインから一新。
ジェイドではダブルクレードルだったフレームは...
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【絶版名車インプレッション】YAMAHA RD350(1973年)
軽くて速くて曲がって… 操作の面白さはピカイチ
エンジンのパワーバンドを使った走り方。スロットル、クラッチ、シフトの連携。意図的な逆操舵によるコーナリングなど、オートバイを「操る」という面白さ、難しさを16歳の僕に教えてくれたのが73 年型のRD350。
逆に「オートバイとはこういうものだ」と刷り込まれたのかもしれない。いまだにライダーの意志に素早く反応するハンドリングや、回転によって表情を変えるエンジン特性が好みなのはRDから受けた影響が大きいのだろう。
僕がRD350を選んだのは、たまたま程度が良くて安く買える車両があったからで、ヤマハ党だったわけでも、2ストファンだったわけでもない...
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「そもそも"ハンターカブ"ってどんなバイク?」大注目「CT125」の進化の系譜を東京モーターショー前にチェック!#東京モーターショー2019
自然をゆっくり楽しめる本格トレールカブ、復活!
野山をゆったり楽しめる、オフロードでの走破性を高めたトレッキング仕様のカブとして、多くのライダーに愛されてきた名車「CT」の名前がついに復活する!
東京モーターショーで世界初公開されるコンセプトモデル、CT125は、前モデルのCT110から実に38年の時を経て現代に蘇るトレールモデルである。
かつてのCT110を知る人であれば一目瞭然。
大きなリアキャリア、アップマフラーをはじめ、特徴的なディテールで構成されるそのスタイリングは、現代のマシンでありながら、CT110を徹底的にオマージュしたものとなっているのだ。
すでにこのカテゴリーにはクロ...