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YAMAHA <YDSシリーズ Part.2> 「YDS-2」各部がリファインされた2代目YDS -1962〜1964年-【心に残る日本のバイク遺産】2サイクル250cc史 編
YDS-1の弱点をない、各部がリファインされた「YDS-2」
YDS-2 1962〜1964
YDS-1の弱点を補う意味で、各部がリファインされたのがYDS2である。全体のイメージは変えず、ブレーキ系やエンジンに手を加えることによって、他社のスーパースポーツをリードするまでになった。
ヨーロッパでの人気も高く、S3のデビュー後も、そのシンプルなデザインが好まれていた。ちなみに、車重は装備でS1=151kg、S2=156kgとされたが、海外のデータによると、両者とも乾燥で140kgという数値もあり、実質的に車重は同一とみてよいだろう。
加えて、ロードクリアランスも、国内では、S1=140m...
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「NSR250R」<MC16> NSRシリーズ Part.1「NSR最速伝説の始まり」 -1986〜1987年-【心に残る日本のバイク遺産】2サイクル250cc史 編
レーサーと同構成の90度Vツインとアルミツインスパーで生まれた新世代レプリカ
1986 NSR250R(MC16)
<主要諸元>1986 NSR250R(MC16)
全長/幅/高:2035/705/1105mm
シート高:750mm
車軸距離:1360mm
車体重量:141kg(装)
燃料消費率:41.0km/L ※定地走行テスト値
燃料容量:16L
エンジン:水冷2サイクルV型2気筒
総排気量:249cc
最高出力:45ps/9500rpm
最高トルク:3.6kg-m/8500rpm
変速機:常時噛合式6段リターン
タイヤサイズ:前100/80R17(52H)・後130/70R18(6...
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KAWASAKI「250TR」49年前に存在した2スト・デュアルパーパス -1970〜-【心に残る日本のバイク遺産】2サイクル250cc史 編
カワサキ・オフロードの序章「2ストロークトレール 250TR」
1970 250TR(F8)
カワサキは1963年に125㏄ワークスモトクロッサーの市販モデルともいえるB8Mを発売。1967年には90㏄市販モトクロッサーのG1Mと同じく250㏄のF21Mがデビュー。
国内外のモトクロスレースで活躍する。それらの技術をフィードバックして1970年に登場したのが、90㏄、125㏄、175㏄(175は輸出専用モデル)、250㏄、350㏄のTRシリーズだ。
250TRは350TRをベースにロータリーディスクバルブ単気筒のボアを縮小して誕生。その後、1972年型で250㏄専用に開発したピストンバル...
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YAMAHA「SDR」200ccの2スト単気筒ワインディングスペシャル -1987年-【心に残る日本のバイク遺産】2サイクル250cc史 編
TCメッキのトラスフレームなど現代でも通用する美しさを備えている
SDR発売当時の貴重なカタログはこちら6
2サイクル250㏄といえばレーサーレプリカが主流だった1987年、ヤマハはSDRを発売する。
トラスフレームに195.0㏄水冷ケースリード単気筒を搭載したSDRは、軽快な操縦性と運動性能、強烈な加速感といった2ストロークスポーツならではの魅力を常用域で楽しめるマシーンとして開発された。2
だが1人乗りなど割り切った設計からか、大きな支持を受けることはなかった。
1987 SDR/2TV
車体サイズは、全長×全幅×全高:1945㎜×680㎜×1005㎜で、TZR125とほぼ同じ。
し...
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KAWASAKI「KR-1」乾燥重量123kgというクラス最速の軽さを誇ったレーシングパフォーマンス -1988〜1989年-【心に残る日本のバイク遺産】2サイクル250cc史 編
ツインスパーに並列2気筒を積むレースを視野に入れたフルカウルスポーツ
KR250/KR250Sは本格的なスポーツモデルだったが、年を重ねるごとにこのクラスの性能競争は過熱し、後塵をあびることになり競争力は低下した。その状況を打開するために1988年1月に登場したのがKR-1だ。
フルカウルにツインスパーというレーサーレプリカに求められる条件をクリアした結果、KR250とは大きく異なる姿を得た。並列2気筒のエンジンも専用品で、レース対応のキットパーツも用意された。
KR-1(KR250B)
全長/幅/高:2005/690/1115mm
シート高:750mm
車軸距離:3165mm
車体重量...
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YAMAHA <YDSシリーズ Part.1> 浅間火山を駆け抜けたYDレーサーの市販車「YDS-1」-1959〜1962年-【心に残る日本のバイク遺産】2サイクル250cc史 編
オートバイの生産開始直後からレースで活躍したヤマハの市販スーパースポーツ
YDS-1 1959〜1962
端正な美を見せるヤマハスポーツ250S。
フロントフェンダーステーがフォーク下端でボルト締めされる、いわゆるヤマハ昌和製で、エンジン、ミッションとも対策された車である。
全体の構成は、西独アドラーのワークスレーサーを範とし、スタイリングは、GKデザインがYDIで発揮したイタリア調を導入。半月形状のリアフェンダーが、そうしたことを強烈に感じさせてくれる。
1959年のモーターショーには125Sが展示されたが、もし市販されていれば、250と同様の外観を持つ125ccツインを楽しめだろう。...
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YAMAHA「R1-Z」は蘇ったRZ250だったのか? -1990〜1993年-【心に残る日本のバイク遺産】2サイクル250cc史 編
TZR250を基とする並列2気筒を独自のスチール製フレームに積むネイキッド
1990 R1-Z/3XC1
全長/幅/高:2005/700/1040mm
シート高:775mm
車軸距離:1380mm
車体重量:133kg(乾)
燃料消費率:34.0km/L
エンジン:水冷2サイクル二気筒
総排気量:249cc
最高出力:45ps/9500rpm
最高トルク:3.7kg-m/8500rpm
変速機:常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ:前110/70-17(54H)・後140/70-17(66H)
スプロケ: 前14|後45
チェーン :サイズ520|リンク114
発売当時車体価格:48万9...
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YAMAHA「DT200R 」200ccで32馬力のウィークエンドモトクロッサー -1984〜1994年-【心に残る日本のバイク遺産】2サイクル250cc史 編
モトクロッサーの技術を投入した車体に30PSを発揮する水冷ピストンリードを搭載
DT200R
型式:37F
全長 :2150
全幅 :820
全高 :1190
シート高:850
乾燥重量:99
燃料タンク容量:9.6
タイヤサイズ:3.00-21 / 120/80-18
ブレーキ形式:油圧式シングルディスク / ドラム
エンジン:水冷2サイクル単気筒
排気量:195
最高出力:30ps/8500rpm
最高トルク:2.6kg・m/7500rpm
変速機:6速リターン
始動方式:キック
ヤマハが1968年発売の2サイクル250㏄のDT-1で築いたトレールというカテゴリーは、1980年登場の...
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KAWASAKI「KR250/S 」ワークスレーサーKR250ゆずりのタンデムツインエンジン -1984〜1985年-【心に残る日本のバイク遺産】2サイクル250cc史 編
レーサーKR250の技術を受け継ぐ公道モデルとして誕生した250ccスポーツ
KR250 (KR250A1)
●全長×全幅×全高:2035×685×1185(mm)
●軸間距離:1360mm
●車両重量:133kg
●エンジン形式:水冷2ストロークロータリーディスクバルブ直列2気筒
●排気量:249cc
●ボア×ストローク:56×50.6(mm)
●最高出力:45ps/10,000rpm
●最大トルク:3.7kg-m/8,000rpm
●燃料タンク容量:18L
●発売当時価格:49万8000円
1978〜81年の4年連続でGP250㏄クラスを制したカワサキだったが、RZ250やMVX25...
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RZシリーズ Part.2「RZ250R/RR」市販モデル初の可変排気バルブ「YPVS」を搭載したRZの最終形態 -1983〜1988年-【心に残る日本のバイク遺産】2サイクル250cc史 編
RZ250の系譜で最終型となる第5世代は、1988年7月に写真の赤×白と青×白を発売。この2台の機種コードNo.は3HM1だが、同年8月に追加されたヤマハブラックでは3HM2と異なる。
RZシリーズの最終型となった1988年デビューの5世代目「RZ250R(3HM1)」
RZ250R(3HM1)1988年
エンジン形式:水冷2サイクル並列2気筒ピストンリードバルブ
総排気量:247cc
点火方式:デジタル進角C.D.I
キャブレター:VM26SS
始動方式:キック式
ミッション:6段リターン
全長/全幅/全高:2070/665/1065mm
タイヤ前:100/80-17(52H)
タイヤ...
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YAMAHA「TDR250」時代が早過ぎた!? 2スト250アドベンチャー -1988年-【心に残る日本のバイク遺産】2サイクル250cc史 編
TZR250と同系の水冷並列2気筒をスチールフレームに積むオンオフ両用モデル
1988 TDR250/2YK1
TZR250が2型の2XT1へと移行した1988年、同様なクランクケースリードバルブ水冷並列2気筒を搭載するモデルが登場した。
それはレーサーレプリカでもネイキッドでもなく、トレール車のようにホイールトラベルが大きな車体に、ヘッドライトやラジエターの左右を覆うフレームマウントのカウルを組み合せた、独特な外観の車両だった。
TDR250と命名、2YK1の機種コードNo.を持つモデルは従来のデュアルパーパス車の枠を飛び越えた高性能なアドベンチャーモデルを狙いとしており、それを実現す...
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RZシリーズ Part.1「RZ250」ナナハンをも脅かすヤマハ2ストロークの集大成 -1980〜1988年-【心に残る日本のバイク遺産】2サイクル250cc史 編
TZ250の構成を変えずに公道車としたRZは市場を席巻する人気モデルに発展した
1980 RZ250/4L3
1973年に初期型が登場したRD250シリーズに続く2サイクル250㏄スポーツの系譜が、RZ250である。公開は1979年秋の東京モーターショーで、会場では多くの来場者が姿を見ようとヤマハブースに殺到。二輪専門誌でも大きく取り上げられ、当時のオートバイ業界でたちまち主役となった。
RZ250で特筆すべきは、市販レーサーTZ250と近似したエンジンと車体の構成を持つことと、軽快さや速さを想起させる車体デザインを採用したことである。
先代となるRD250もTZ250と同様に並列2気筒...