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SUZUKI「RG250Γ」<GJ21A> 栄光のガンマ伝説 Part.1「レーサーレプリカブームの真髄」 -1983年〜-【心に残る日本のバイク遺産】2サイクル250cc史 編
250ccクラスに新ジャンルを開拓スズキ2輪の歴史における傑作車の一台
RG250Γ(GJ21A)
全長/幅/高:2050/685/1195mm
シート高:785mm
車軸距離:1385mm
車体重量:131kg(乾)
燃料消費率:45.3km/L ※定地走行テスト値
燃料容量:17.0L
エンジン:空冷2サイクル2気筒
総排気量:247cc
最高出力:45ps/8500rpm
最高トルク:3.8kg-m/8000rpm
変速機:常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ:前100/90-16(54S) 後100/90-18(56S)
スプロケ:前14|後37
チェーンサイズ:520|リンク1...
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Kawasaki XANTHUS(1992年)<ヨンヒャク今昔物語>-Be Reborn-
「4ストのマッハ」として生み出された異色ネイキッド
1989年に登場したゼファーをきっかけに、1990年代初頭に起こったネイキッドブーム。空冷、鋼管フレーム、ツインショックという70年代的なオーソドックスなネイキッドモデルに注目が集まる中、1992年にカワサキが送り出したザンザスは型破りなネイキッドスポーツだった。
その基本コンセプトは「4ストマッハ」で、70年代前半に強力な2スト空冷3気筒エンジンによる強烈な加速で知られたマッハシリーズを、4ストエンジンで現代に復活させることを狙ったもの。
しかしザンザスはあくまで現代的なマッハを開発することを目指した。エンジンはZXR400用の水冷直...
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Kawasaki ZZR400(1990年)<ヨンヒャク今昔物語>-Be Reborn-
ZZRの血統を受け継ぐ正統派ミドルスポーツツアラー
メガスポーツの元祖ともいえる初代ZZR1100がデビューした1990年、1100のコンセプトを400㏄クラスに持ち込んだミドルサイズのスポーツツアラーとして同時にデビューしたのがZZR400だ。
このZZR400、カワサキがZ400FXやGPZ400Rなど、過去の400㏄モデルの開発で多用してきた500〜600㏄モデルの排気量縮小という形で開発されていて、ベースとなったのは輸出モデルのZZR600だった。
そのため400㏄クラスとしてはやや大柄な車格となっているが、その代わり安定感の高さや防風効果の高いカウルなどによって、スポーツツアラ...
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【プレイバック80's】「Honda NS400R」ワークスマシンNS500の市販車レーサーレプリカ(1985年)
フレディ・スペンサーが駆ったGPレーサー、NS500レプリカ
400㏄を超える大排気量2ストスポーツは70年代も半ばになると排気ガス規制などの影響で姿を消した。
しかし水冷化や排気デバイスなどで2ストが復権した80年代、折からのレプリカブームの盛り上がりと共に当時世界GPの最高峰で2ストが主流だったGP500マシンのレプリカを求める声が高まり、1984年にはスズキRG400/500Γ、ヤマハRZV500Rが相次いで登場。
これらに追随するように1985年、ホンダもNS400Rをリリースした。もちろんそのモチーフは、1983年にフレディ・スペンサーの手で世界チャンピオンを獲得したNS500...
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Suzuki GT380(1972年)<ヨンヒャク今昔物語>-Be Reborn-
愛称は「サンパチ」。ライバルとは一線を画すおおらかなキャラ
初のナナハンであるGT750を旗艦モデルに、スズキは1970年代に2ストローク3気筒のGTシリーズのフルラインアップ化を企画。水冷のGT750に1年遅れて、1972年に空冷のGT550とともにリリースされたのが、3気筒モデルの最小排気量であるGT380だ。
ラインアップの展開としては、当時カワサキのSS(H)シリーズというライバルが存在したが、スズキのGT3気筒シリーズはスポーツバイクを基本にしつつもいたずらに限界性能を追求することなく、ツーリングにも適している穏やかなキャラクターが与えられているのが特徴だった。GT550ととも...
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SUZUKI「ハスラー250」"スクランブラー"から"オフローダー"へ -1970〜-【心に残る日本のバイク遺産】2サイクル250cc史 編
ハスラー250からみるスズキオフロードの系譜
1970 HUSTLER 250(TS250 2型)
オンロードバイクをベースにしたストリートスクランブラーしかなかった1960年代の日本にあって、初めて本格的なオフロードモデルとして造られたのが、ヤマハが1968年に発売した2サイクル250㏄のDT-1だ。
しかし、世界モトクロスGPで活躍していたスズキも、その技術を生かした同じく2サイクル250㏄のハスラー250を1969年1月に投入。開発期間を考えると、DT-1の発売以前にスズキも同様の構想を練っていたと考えられる。
その後、ハスラー250は1971年にプライマリーキックとEPI点火を採...
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KAWASAKI「250TR」49年前に存在した2スト・デュアルパーパス -1970〜-【心に残る日本のバイク遺産】2サイクル250cc史 編
カワサキ・オフロードの序章「2ストロークトレール 250TR」
1970 250TR(F8)
カワサキは1963年に125㏄ワークスモトクロッサーの市販モデルともいえるB8Mを発売。1967年には90㏄市販モトクロッサーのG1Mと同じく250㏄のF21Mがデビュー。
国内外のモトクロスレースで活躍する。それらの技術をフィードバックして1970年に登場したのが、90㏄、125㏄、175㏄(175は輸出専用モデル)、250㏄、350㏄のTRシリーズだ。
250TRは350TRをベースにロータリーディスクバルブ単気筒のボアを縮小して誕生。その後、1972年型で250㏄専用に開発したピストンバル...
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YAMAHA <YDSシリーズ Part.1> 浅間火山を駆け抜けたYDレーサーの市販車「YDS-1」-1959〜1962年-【心に残る日本のバイク遺産】2サイクル250cc史 編
オートバイの生産開始直後からレースで活躍したヤマハの市販スーパースポーツ
YDS-1 1959〜1962
端正な美を見せるヤマハスポーツ250S。
フロントフェンダーステーがフォーク下端でボルト締めされる、いわゆるヤマハ昌和製で、エンジン、ミッションとも対策された車である。
全体の構成は、西独アドラーのワークスレーサーを範とし、スタイリングは、GKデザインがYDIで発揮したイタリア調を導入。半月形状のリアフェンダーが、そうしたことを強烈に感じさせてくれる。
1959年のモーターショーには125Sが展示されたが、もし市販されていれば、250と同様の外観を持つ125ccツインを楽しめだろう。...
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KAWASAKI「KH250」ヤンチャな奴らが愛した“ケッチ”-1976〜1982年-【心に残る日本のバイク遺産】2サイクル250cc史 編
伝説の名車“マッハ250”の心臓を受け継ぐ「正統後継車」
250SSに代わる2サイクル並列3気筒モデルとしてデビューしたKH250は、1976年に最初期型が販売された。上がその1976年モデルで、型式はB1となるが、1976年型はこれ以外にも存在する。
A5の型式を持つ機種で、フロントブレーキをB1のようなディスクではなく250SS時代と同様なドラムとする点が異なる。ただし、A5は海外でのみ販売され、我が国における最初のKH250はB1だった。
1978年のB3では、フロントブレーキマスターシリンダーのリザーバータンクを、金属の丸形から樹脂を挟んだ角形に改め、シートのデザインを改めるなど...
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RZシリーズ Part.2「RZ250R/RR」市販モデル初の可変排気バルブ「YPVS」を搭載したRZの最終形態 -1983〜1988年-【心に残る日本のバイク遺産】2サイクル250cc史 編
RZ250の系譜で最終型となる第5世代は、1988年7月に写真の赤×白と青×白を発売。この2台の機種コードNo.は3HM1だが、同年8月に追加されたヤマハブラックでは3HM2と異なる。
RZシリーズの最終型となった1988年デビューの5世代目「RZ250R(3HM1)」
RZ250R(3HM1)1988年
エンジン形式:水冷2サイクル並列2気筒ピストンリードバルブ
総排気量:247cc
点火方式:デジタル進角C.D.I
キャブレター:VM26SS
始動方式:キック式
ミッション:6段リターン
全長/全幅/全高:2070/665/1065mm
タイヤ前:100/80-17(52H)
タイヤ...
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YAMAHA「TDR250」時代が早過ぎた!? 2スト250アドベンチャー -1988年-【心に残る日本のバイク遺産】2サイクル250cc史 編
TZR250と同系の水冷並列2気筒をスチールフレームに積むオンオフ両用モデル
1988 TDR250/2YK1
TZR250が2型の2XT1へと移行した1988年、同様なクランクケースリードバルブ水冷並列2気筒を搭載するモデルが登場した。
それはレーサーレプリカでもネイキッドでもなく、トレール車のようにホイールトラベルが大きな車体に、ヘッドライトやラジエターの左右を覆うフレームマウントのカウルを組み合せた、独特な外観の車両だった。
TDR250と命名、2YK1の機種コードNo.を持つモデルは従来のデュアルパーパス車の枠を飛び越えた高性能なアドベンチャーモデルを狙いとしており、それを実現す...