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脈々と流れる空冷4気筒の血統【HONDA CB】#ROOTS of BRAND
量産初の4気筒エンジンで世界を席巻したマイルストーン
50〜60年代にかけ、世界最高のオートバイといえばトライアンフやノートンなどイギリスのメーカーによる、650cc前後の空冷並列2気筒エンジンを搭載したモデルだった。
60年代すでに世界GPでその名を轟かせていたホンダは市販車での世界最速も目指し、65年に初の大排気量車としてCB450をデビューさせる。
CB450も空冷並列2気筒だが、排気量の小ささをDOHCによる高回転化で補うという意欲的な設計だった。
しかし性能でライバルを大きく越えられず商業的には失敗。
この苦い経験がホンダにCB750Fourを開発させた。
69年にデビューした...
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ホンダを代表するナンバー1ブランドを振り返る【HONDA CB】#ROOTS of BRAND
すべてにおいて圧倒的なPROJECT BIG-1
91年秋に開催された東京モーターショー、そのホンダブースに展示されていたオートバイの中で、訪れた人々から特に熱い視線を注がれていた1台こそがCB1000SFだった。
当時、次世代のロードスポーツの在り方を模索していたホンダが、性能だけでなく迫力や存在感まで含め、ライダーにとってナンバー1となるオートバイの実現を目指す「PROJECT BIG-1」コンセプトに基づいて開発したネイキッドスポーツのCB1000SF。
そのボディは脈々と続くCBシリーズの伝統を踏まえた様式美を感じさせると共に、実際の大きさ以上に堂々とした存在を感じさせ、さらに「...
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ホンダ「RC」の歴史を解説! 勝利のためのレーシング・ブランド〈RC〉の称号を冠した歴代モデルとその偉業を紹介
ホンダの歴史そのものはレース参戦とともにあった
ホンダは2014年、MotoGPマシン・RC213Vに限りなく近いロードゴーイングバージョンを発売することを発表。
イタリア・ミラノで開催されたEICMAショーでRC213V-Sとしてその姿を現したというニュースは、世界中に大きな驚きをもたらした。
なぜなら、公開されたプロトタイプは保安部品が装着されている点を除けば、どこを取って見ても昨年圧倒的な速さでマルク・マルケス選手に世界チャンピオンをもたらしたマシン・RC213Vとの違いが分からないほどの、本当の意味での「レーサーレプリカ」だったからだ。
しかも世に数あるワークスレーサーの中で、特...
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400ccという排気量区分が生んだ名車【HONDA CB】#ROOTS of BRAMD
常に先進を追い求めた結果究極のオールラウンダーへ
60年代のホンダを代表するスポーツモデル、247cc空冷並列2気筒エンジンを積んだCB72には、共通の基本設計のまま排気量を305ccとした上級モデルのCB77が存在した。
68年にCB72がCB250にモデルチェンジしたのに合わせ、CB250の排気量アップ版のCB350もCB77の後を継いで登場している。
70年代に入ると、こういった250ccベースの2気筒ミドルスポーツとは別系統のモデルが注目を集めるようになった。
69年デビューのCB750Fourの圧倒的な人気によって、ホンダが4気筒モデルのラインアップ拡大を進める中、72年にデビ...
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【車名の歴史】ホンダ「VFR」のルーツとは?|最新技術を結集したV型4気筒シリーズ
クルーザーからスポーツ、そしてツアラーへ
60年代に数々の栄光を掴んだホンダRCレーサー群、そしてその血を引いて69年に誕生した世界初の市販4気筒モデル・CB750Fourの登場以降、DOHCを採用して高性能化を図り78年にデビューしたCB750Fまで、70年代を通じてホンダのスポーツモデルの代名詞は「空冷並列4気筒」だった。
しかしライバルメーカーの追撃と急速な技術の進歩によって、80年代に入ると空冷4気筒CBの性能的な優位は急速に失われていった。
もちろんホンダも、そんな時代の変化に対応した新しいスポーツモデルを模索、そして新世代のスポーツバイクに最適なエンジンと見定めたのが水冷V4...
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【車名の歴史】カワサキ「ZRX」のルーツとは?|日本の道路事情に合わせた質実剛健スポーツブランド
硬派なルックスにスポーツ性も高い乗り味
89年にゼファー400が登場してネイキッドブームが起こったわけだが、その当初こそ懐古的なスタイルや雰囲気が重視されていたが、徐々に各メーカー間の開発競争は加熱。
ネイキッドスポーツでも、パワーやハンドリングといったスポーツバイクとしてのパフォーマンスの高さが求められる時代があっという間にやって来た。
しかしゼファーはといえば、400と750は70年代末に開発されたZ-FX系の空冷2バルブエンジンを搭載していたし、1100も新しいエンジンだったとはいえ、あえて2バルブが採用されていた。
いずれも高性能を追い求めるには限界があったため、カワサキはゼファ...
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最強最速のプライドを継承し続けるフラッグシップ【KAWASAKI NinjaH2R】#ROOTS of BRAND
世界最速を目指して技術を結集した最新モデル
昨年初公開されたニンジャH2は、スーパーバイクレース用のZX-10R、俊敏さも備えるメガスポーツであるZX-14R、オールラウンダーとして人気のニンジャ1000といった従来のカワサキ製ビッグバイクの全てを超越した、真の世界最速を目指す特別な1台だ。
その車名からしてそもそも特別だ。現代のカワサキ製スーパースポーツの代名詞「ニンジャ」と、マッハシリーズの最高峰として70年代前半に世界最速を目指した2スト750ccスポーツ「H2」を合体させたのは、最速への強いこだわりだろう。
技術的アプローチも独特で、近年の2輪車では珍しい過給エンジン、しかもター...