ライター
【ゼロハン青春物語】「YAMAHA TZR50R」〜乗ってイジって眺めて惚れて〜(1997年)
リアルレーサーの兄弟!
ヤマハのフルサイズ50㏄スポーツの歴史は長いが、水冷2ストエンジンを初めて搭載したのは1981年にデビューしたRZ50だ。
RZ250と共通イメージのスポーティなスタイルに、最高出力7・2PSという力強いエンジン、6速ミッション、モノクロスサスという本格的なメカニズムによるスポーティさが人気となり、マイナーチェンジを繰り返しながら80年代末まで生産されるロングセラーとなった。
そして1990年、RZ50の後継モデルとなる、新世代のフルサイズ50㏄レーサーレプリカとして姿を現したのがTZR50だった。
TZRシリーズ初の50㏄モデルであるTZR50は、市販レーサーの...
ライター
【ゼロハン青春物語】「HONDA NSR50」〜乗ってイジって眺めて惚れて〜(1995年)
命題はデフォルメ!?
80年代初頭からのバイクブームの中、1983年のRG250Γデビューによってレーサーレプリカ開発競争がスタート。その過熱ぶりはビッグバイクから原付までのあらゆるクラスに及んだ。
そんな1986年、スズキのGAGによって『ミニレプリカ』というジャンルが誕生し、にわかに注目を集める。コンパクトなサイズの中でレーサーレプリカをそのまま縮小したようなフルカウルスタイルを再現したスタイルが特徴だったGAGは、4スト50㏄エンジンを搭載、10インチホイールの採用など、どちらかといえばスポーツバイクというよりもレジャーバイク的な位置づけだった。
しかし、GAGから僅かに遅れて登場...
ライター
【絶版名車インプレッション】KAWASAKI Z1000 Mk-II「もう一つのZ、Mk−IIが持つ魅力の源泉とは……?
1969年に登場したホンダCB750FOURは、国産初の4気筒エンジンやディスクブレーキによる高速性能の高さが評価され、日本はもちろん欧米でも人気モデルとなった。カワサキも同時期に大型モデルを開発していたのだが、CBに先行されたためコンセプトを変更し、開発時間をかけてより以上の高性能を追求。72年に満を持して発売されたのがアメリカ市場を中心に大ヒットしたZ1だ。
だが当時の日本には「国内向けオートバイの排気量は750㏄未満」というメーカー間の自主規制があり、903㏄のZ1をそのまま市販することはできなかった。そこでカワサキは翌73年にボア・ストロークを共に縮小して排気量を746㏄としたZ...
ライター
スズキ「バンディット250」(1997年)【絶版名車インプレ】
独自の鋼管トラスフレーム採用の250ネイキッド
バンディットは、今はバンディット1250にその名を残すのみだが、そのルーツは250ccモデルにある。初代バンディット250が、兄弟モデルの400と共にデビューしたのは1989年。
当時ネイキッドの先駆けとして注目を集めたゼファーが、70年代風デザインと空冷エンジンという古典的スタイルだったのに対し、バンディットは独特なダイヤモンド構造のフレームが目立つスポーティでスタイリッシュなボディに、GSX-R250譲りの水冷エンジンを搭載。
美しいスタイルと洗練された走りに加え、セパハン仕様とアップハン仕様を選択でき、しかもゼファーには存在しなかった...
ライター
【絶版名車インプレッション】YAMAHA ZEAL(1991年)
ハイスペックを心地良さにつなげたネイキッド仕様
ゼファーの大ヒットに端を発するネイキッドブームに呼応し、ただ普通に乗ることが楽しめるように意図されたネイキッドスポーツ。
パワーユニットはFZR250Rベースの水冷4気筒で、吸排気ポート長やバルブタイミングを思い切って中低速向けに振り、アクセレーションに優れるミクニBDSTφ26mmキャブやトップをオーバードライブ設定とした6速ミッションを採用。
元々レッドゾーンが1万8500回転からという超高回転高出力型のエンジンを、低回転からスムーズに立ち上がり、アクセル操作に対して穏やかかつリニアに反応し、快適なクルージングが楽しめるユニットへと変貌...
ライター
【絶版名車インプレッション】HONDA HORNET DX(2006年)
集合されたアップマフラーと、ワイドなリアタイヤが「スズメ蜂」の証
ホンダは250ccネイキッドとして、まず91年にジェイドをデビューさせる。エンジンはCBR250RR系ベースに中低速トルク重視にディチューン、スタイルは89年にデビューしていた400ccネイキッドのCB-1にも似たオーソドックスなものだったが、96年に生産を終了。その後継モデルとして96年に登場したのがホーネットだ。
ホーネットはそのエンジンこそジェイドと同じく、CBR250RR系のカムギアトレーン採用の水冷直4を引き続き搭載していたが、車体に関しては基本的なデザインから一新。
ジェイドではダブルクレードルだったフレームは...
ライター
【絶版名車インプレッション】YAMAHA RD350(1973年)
軽くて速くて曲がって… 操作の面白さはピカイチ
エンジンのパワーバンドを使った走り方。スロットル、クラッチ、シフトの連携。意図的な逆操舵によるコーナリングなど、オートバイを「操る」という面白さ、難しさを16歳の僕に教えてくれたのが73 年型のRD350。
逆に「オートバイとはこういうものだ」と刷り込まれたのかもしれない。いまだにライダーの意志に素早く反応するハンドリングや、回転によって表情を変えるエンジン特性が好みなのはRDから受けた影響が大きいのだろう。
僕がRD350を選んだのは、たまたま程度が良くて安く買える車両があったからで、ヤマハ党だったわけでも、2ストファンだったわけでもない...
ライター
【絶版名車インプレッション】KAWASKAI ZXR250(1989年)
直4クォーターいちばんの元気印
当時、GP250クラスや大人気のTT-F3クラスでワークスとしてのレース活動を行なっていなかったカワサキ。大阪のビートレーシングや社内チームのチーム38が孤軍奮闘するも、キットパーツなどの販売がなく支援体制も整っていなかったことから、アマチュアレーサーの間に浸透することはなく、レーサーレプリカセグメントにおいては完全に出遅れてしまった。4スト250cc戦線ではさらに顕著で、ライバルメーカーが次々に4気筒モデルを投入する中で、長らく2気筒モデルで苦戦を強いられて来た。
そんなカワサキが本腰を入れて来たのは80年代後半になってから。
89年2月にZXR400/...
ライター
【絶版名車インプレッション】HONDA CBR250RR(1990年)
ブームの真っ最中で実現した究極のスーパースポーツ
1980年代に空前のブームとなったのが市販車ベースのオートバイで戦うロードレース。中でも改造範囲が少ないSPクラスは、市販車のポテンシャルがレースの成績に直結し、その成績が市販車のセールスを左右するとあって、サーキットでの戦闘力を高めた新型モデルが毎年のように投入された。この繰り返しが「レーサーレプリカ」の性能を凄まじい勢いで引き上げた最大の理由だ。
SPクラスは2スト250㏄と4スト400㏄が中心だったが、入門レースとして人気があったのが、4スト250㏄のSP-Fクラス。当初は単気筒のSRXや2気筒のVTが主役だったが、4気筒のヤマハF...
ライター
【プレイバック80’s】「Suzuki RG400Γ」GPレーサーを忠実に再現したヨンヒャク・ガンマ(1985年)
ワークスレーサーRG‐Γの血を色濃く受け継ぐレプリカ
80年代半ばに登場した3台のGP500マシンレプリカ、スズキRG400/500Γ、ヤマハRZV500R、ホンダNS400Rの中で、最もレプリカ度が高いのが Γ(ガンマ)だろう。
1984年にRG500Γが、翌年に排気量のみをダウンしたRG400Γが登場したが、共にスクエア4レイアウトでロータリーディスクバルブというエンジンの基本構造はもちろん、500㏄モデルのボア╳ストローク、二軸クランクの配置などクランクケースの設計、さらに市販車では珍しいカセット式ミッションなど当時現役のGPレーサーであったRG500Γとの共通が多い。
そのほかの...