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【MUGEN 神電 四】マン島TTレースを連覇した最速EVレーサーに緊急試乗!(2016年)
世界最速の電動レーサーは驚くほど扱いやすかった
試乗会の朝、「いいか、オレのバイクだ。壊すなよ」と笑いながら、マン島TTの優勝ライダー、J・マクギネスが「神電 四」の横に立っていた。…かなりごつい体格で、ボクよりずっと重そう。神電は、こんな重いライダーを乗っけて、マン島を600㏄クラスのレーサーより速く周回したことになる。
神電 四は電動レーサークラス「TT ZERO」の15年度優勝マシン。僅差で2位になった「貮」(2代目)以降、神電は1、2位を常に独占している電動レーサーだ。
電動レーサーの問題は、大量のバッテリーを積んで非常に重くなること。モーターの出力を支えるのがバッテリーで、この...
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なぜか1KT(YAMAHA TZR250)には無性に乗りたくなった【2スト熱狂時代!!】
ボクが免許を取った頃、すでにスポーツバイクの頂点にはCB750FourやZ2があった。だが、まだまだ2サイクルが主流だった。70年代中頃から後半のことだ。高校生の頃は単純だ。小さな排気量でも高級な大型4サイクルバイクに負けないハイスペックがキラリと輝いて見えた。ヤマハならRD250/400。スズキならGT250から750のツインやトリプル。カワサキなら250から750まで各クラスに獰猛なSS/KHシリーズモデルが用意されていた。
この中でも車検の無い上限排気量である250クラスというのはお金のない学生、特に高校生には現実味のある最上級機種だ。エンジンの構造がシンプルだから、その分製造コス...
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オーリンズ&ブレンボで完成度を高めた円熟メガスポーツ! 【KAWASAKI NINJA ZX-14R ABS HIGH GRADE】(2016年)
バイク界最強の適応力を持つ懐の深いフラッグシップ!
ZX_14Rは、現在、世の中でもっとも幅広い速度レンジでオールマイティに使えるツーリングスポーツだ。日本の渋滞路から、欧州の速度無制限の高速道路まで、ライダーの技量に関係なく、従順なしもべとしてイージーに峠道をスポーツランできて、快適にどこまでもロングランをこなせる。
エンジンは1441㏄から200PSのパワーを発揮。しかし、無理矢理稼いだリッターSSの200PSとは違う。プラス400㏄分のパワーをゆとりとして蓄えた200PSだ。その威力は絶大で、アイドリングのすぐ上から1万回転以上までストレートに吹け、まるで全回転域がパワーバンドのよ...
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新エンジンを搭載した“第三世代”デュークが登場!【KTM 690 DUKE】(2016年)
大幅な進化で得た「ゆとり」全域パワーアップは偉大だ!
エンジンをマイナーチェンジした新しい690DUKEが出る……そう聞いたとき、この新型DUKEがこれほどまでに変わっているとは想像できなかった。元気が良くなってるのはもちろんだが、ずっと快適で扱いやすく、どんな状況でも今まで以上に従順で、戦闘的なのだ。
エンジンは大胆な変更が施され、従来のパーツが少し残ってる程度。排気量は同じだが、ショートストローク化して高回転化。シリンダーヘッド内にカムを一本追加するかのようなバランサーシャフトを増設。考えてみれば解るが、ミッションとクラッチ以外、ほとんどを新作しないとこれだけ変えられない。また、ライ...
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栄光の名にふさわしい高い完成度!【DUCATI SUPERSPORT S】(2017年)
扱いやすく懐も深いがスポーツ性能は一級品
何年ぶりだろうか。空冷DSエンジン搭載車以来の「SS」ブランドの復活である。このシリーズは、敷居の高いスーパーバイクのトップモデル…今でいう「パニガーレ」シリーズなどよりずっと気楽に操れるスポーツ性能と快適さを魅力としている。
スリムで美しい、パニガーレの流れを汲むデザインのフルカウルなど、見た目にはかなり尖った走りをしそうな姿だが、その車体構成はかなりのストリート指向。フレームはモンスター、エンジンはハイパーモタード系のテスタストレッタ°11がベース。つまり、モンスターの、スポーツNK的なハンドリングに、ハイパーモタードの瞬発力をスパイスにした...
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最新技術で一層の進化を遂げた最高峰バガーモデル!【INDIAN CHIEFTAIN DARK HORSE】(2019年)
大きなサイズを感じさせない自在なフットワークに好印象
「チーフテン」はインディアンのトップカテゴリーエンジン、1811㏄の空冷Vツインを搭載するクルーザー。インディアンには、最上級グレードに「ロードマスター」という豪華なフル装備ツアラーがあるが、このチーフテンシリーズには、それに近い装備のツアラーから少し身軽なクルーザーまで、様々なバリエーションが用意されている。
今回試乗したのは「ダークホース」。迫力ある超大排気量バガーをワイルドに、できるだけ気楽に使いたい、といったライダー向けのモデルだ。
2019年モデルから、その迫力満点のエンジンにオーバーヒート防止のため気筒休止システムを追加。...
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【TRIUMPH SPEED TRIPLE R】洗練度を大幅に高めて堂々の凱旋!魅惑の元祖ストリートファイター!【試乗インプレ】(2016)
本来の上質さを活かしながらトップクラスの運動性能を発揮
近年、トライアンフのトリプルシリーズの中心は675のミドルクラスが中心だったように思うが、こちらのスピードトリプルも、しっかりと進化し続けている。
このスピードトリプルR、エンジンや基本的なフレームレイアウトを同じくするモデルが登場したのは2011年。スポーティなスペックを持った、しゃれたルックスのモデルには違いなかったが、エンジンの吹けは重厚で、ハンドリングもどちらかと言うと安定性指向。コーナリングでも初期旋回力が穏やかに立ち上がるタイプで、たとえて言うとかなり「紳士的な」スポーツだった。
この新型「R」も紳士的だ。エンジンはスロ...
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日本だけの専用カラーをまとった“特別なSS”がデビュー!【DUCATI SUPERSPORT S】(2019年)
オールラウンドに楽しいが潜む「血筋」はやはりドゥカティ
現在のドゥカティのラインアップの中で、このスーパースポーツは、ストリート指向のオールマイティスポーツという位置づけだ。今回試乗した上級グレードの「S」は、前後オーリンズサスなどを採用している。
精悍なデザインのフルカウルで身を整えているが、ライポジはパニガーレなどよりずっとアップライト。気楽に操れるスポーツ性能と、ツーリングまでこなせる応用力の高さ、快適さを魅力としている。そのため、フレームはモンスター系の流れを汲むものを、エンジンはハイパーモタード系のテスタストレッタ°11を採用する。スポーツNK的なツブシの効くハンドリングに瞬発...
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スタイル一新、走りも磨いて国内仕様堂々のデビュー!【KAWASAKI NINJA ZX-6R】(2019年)
ハイレベルなポテンシャルが生む誰にでも扱いやすい優しさ
2019年型のZXー6Rは最新のニンジャシリーズの流れを汲む、アグレッシブな面構えになった。今回試乗したモデルは6Rとしては初の国内仕様。骨格やエンジンの基本レイアウトは先代モデルを踏襲するが、新型は外装を一新、EURO4適合のためにマフラーやエンジンマネージメンなどにも細かく手が入っている。
ホモロゲーションモデルとしての600㏄という排気量にこだわらず、636㏄という排気量を選択したZXー6Rは、プラス36㏄の排気量が生むゆとりあるパワーを味方に、乗り手に従順に仕える扱いやすさを獲得。以来、無駄なレースポテンシャルの追求をやめ、...
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【タイヤ インプレ】ブリヂストン「バトラックス ハイパースポーツS22」オールマイティに使える最新型ハイグリップタイヤ!
BRIDGESTONE BATTLAX HYPERSPORT S22 テスト&レポート
軽快さよりも、ダイレクトな応答性が際立っている
言わば、S22はスーパースポーツモデル用オールマイティタイヤだ。生粋のSSに限らず、スポーティな走りができるパワフルなバイク全般に適応できる。実質的に従来モデルS21の後継タイヤで、街中、ツーリングといった日常使いから、サーキットでのちょっとしたスポーツ走行でも破綻しない性能をもっている。
今回、S22がモデルチェンジした目的を大雑把に紹介すると、耐久性からウェット性能、それにハンドリングの軽快化と絶対的なドライグリップ力。などなど、いわゆるタイヤの主要...
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独創の縦置きVツインが生み出すグッツイならではの世界!【MOTO GUZZI V9 ROAMER】(2017年)
70~80年代を受け継ぐ名車たち
全てを一からつくり上げたニューモデルもあれば、過去のモデルからイメージ、デザイン、技術を受け継いだオートバイもある。このページでは、70〜80年代のオートバイから「何かを」受け継いだオートバイの例を少しだけ紹介してみよう。
グッツィ独特の世界を気負わず日常で楽しめる
今のモト・グッツィと言えば、ネオクラシックのV7シリーズが人気だ。かつての名車、V7をオマージュしたラインナップで、そのオシャレなルックスやコンパクトで取り回しやすい車格などもあって人気のモデルになっている。しかも、なかなか奥の深い走りのテイストを秘めている。
そのルックスが生み出す雰囲気だ...
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【TRIUMPH STREET TRIPLE R LOW】扱いやすさを格段に増した快速トリプルの新バリエーション!【試乗インプレ】(2017年)
走りの魅力はそのままに優しさを磨いた日本専用車
今年登場した新生ストリートトリプルは、675をベースにフレームを新作し、765㏄へ排気量をアップ。同時に吸排気系も一新し、電装系を含むトラコンなどの各種ライディングアシスト群も充実させている。
先鋒となった最上級グレード・RSのハイグレードでタフな足回りは感激もの。加えて675から大幅に増強された低中速のトルクも、走る場所を選ばないイージーさと強力な瞬発力を発揮。ミドルサイズにリッタークラスのスポーツNKなみの動力性能…という印象だった。
今回登場した「R」はそんな新生ストリートトリプル765シリーズの中堅モデル。魅力的な価格のスタンダード...