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<バイク界の逸話>その昔、富士山の頂上までバイクで登れた!
モータースポーツではなく「冒険」!
霊峰富士山をバイクで登る。世界遺産に登録された今、そんなことをやったら世間からフクロ叩きに遭うのが目に見えているが、実はバイクによる富士登山は、けっこうな歴史のあるイベントなのだった。というのも昭和の28年(1953年)7月には「富士登山軽オートバイ競走大会」なるものが開催されている。大会会長は富士宮市市長で、この当時から「バイクの競争」に目を光らせていた警察を、何とか説き伏せての開催である。
コースは浅間神社をスタートし、この日だけ通行止めした登山道を2合目まで登るというもの。後に「富士登山レース」と呼ばれたこのイベントは3回行なわれ、これをきっかけ...
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<バイク界の逸話>3気筒なのに4本だしマフラー、異色のモデル「サンパチ」!
ラムエアヘッドを載せた空冷2スト3気筒!
コントロールと効き味に優れたフロントのドラムブレーキを握り込み、角ばったボリューム感たっぷりのタンクにヒザを合わせて寝かし込む。GT380は素直にリーンを始め、路面に接地したセンタースタンドをチャチャッと鳴らしながら、コーナーのクリッピングポイントに車首を向けた。ここからセンタースタンドは擦りっぱなしなのだが、ラインを乱されることもなく、シュ〜ンッ! という、いかにも精密機械が回っているというサウンドを響かせ、とてもシャープに立ち上がって行く。気持ちいい!
72年にリリースされたGT380は、その前年にシリーズの1号車として登場したGT750に次...
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〈バイク界の逸話〉 伝説だらけの"怪"速ライダー! 鈴木忠男
愛称は「忠さん」。レースでも試乗会でも逸話だらけ!
鈴木忠男、愛称は「忠さん」。ヤマハ車用を核とした高性能オリジナルマフラーで有名なスペシャルパーツ忠男の代表であり、自身は60年代から70年代にかけて大活躍した、ヤマハワークスのモトクロスライダーだ。今回はそんな忠さんの驚くべき逸話をいくつか紹介しよう。
初のワークスマシン、トーハツTR250で優勝!
「17歳になって千葉のスピードスクランブルに出たら、優勝してね。最年少だって言われたっけ。それでトーハツが『乗らないか?』って言うの。ワークスマシンのTR250に乗せてくれるって言うんだよ。チームを移籍して乗ってみたんだけど…。全然たいした...
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<バイク界の逸話>日本では走れない!? 幻のGLスクープ合戦!
アメリカのバイク事情は、すぐ隣りにあった!
関東村というのは、立川と横田基地に駐留する米軍の家族や軍属のための居住区の通称で、現在は返還されて跡地の一部に味の素スタジアムなどが建てられたのだけど、その広大さは今でも充分に感じられる。J・グリンセルというこの男は、横田基地でモーターサイクル教官を務めるウイスコンシン州出身の空軍将校で、ボクの知り合いである。
横田に限らず米軍基地はアメリカそのものなので、敷地内の交通は自国と同じ右側通行になる。それはいいのだけれど、任地から基地に戻った兵隊がバイクやクルマでゲートを出れば、とたんに日本の左側通行に直面する。このため事故がひんぱんに起こり、これ...
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ポイントはカタチだけ? 「丸Z」と「角Z」は、なにが違うのか?【RIDE特選コラム】
丸Zのアイコン、カワサキ空冷4気筒Zを象徴するZ1
丸Z、角Z、Z1だMk‐Ⅱだと言っても、新車で売られていた当時に日本で新車を手に入れられた人は少なかった。御存知の通り、その時代は大型2輪に乗るには、2輪免許をいわゆる「限定解除」することが必要で、ハードルが高かった。そして、確固たる理由はまったくもって不明だが750㏄を超えるオートバイは国内では売られていなかった。さらに、1985年のプラザ合意まで1ドルは200円台中盤だったわけで、お金持ちしか買えなかった。
そんなこんなで、日本でZ1やMk‐Ⅱが普通に見られるようになったのはバブル景気の頃からだ。実際に今のような人気になったのは90...
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あなたは「OW-02」を知っているか?【RIDE特選コラム】
OW-02 [1999 YZF-R7 RM01]
空前の盛り上がりを見せたレーサーレプリカブームは今から四半世紀ほど前の出来事になる。ブームの黎明期から全盛期までは雑誌でも取り上げることが多いが、その終焉期のようすは露出の機会も少なく、記憶の中からもフェードアウトしようとしている。ブームという得体の知れない空気の中で、キラリと光ってたちまち消えたオートバイ。それがヤマハのYZF‐R7[OW‐02]だ。
FZR750R [OW‐01]の後継機であるR7はスーパーバイクレース参戦を前提に開発され、99年にヨーロッパ向けとして約400万円以上で500台が限定販売された。全日本選手権では開発ライ...
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ライディングにも使いたくなる抜群の高機能! ワークマンの「360°リフレクト透湿防水防寒」シリーズ
防寒、防水、透湿で全天候に対応する快適ウェア!
作業用ウエアといえば質実剛健で低価格というイメージだが、現場で働く人たちの意識は
徐々に変化していて、着心地や付加機能、ファッション性に対する要望が増えているそうだ。
どうせ着るなら快適でカッコいいものを、というのはライダー用ウエアと同じ。
そんなニーズに応えて、寒い時期の現場作業用に開発されているワークマンのウエア。
中でも注目したいのが、今回紹介する「360°リフレクト透湿防水防寒」シリーズ。
デザインと機能は冬用のライディングウエアと重なる部分が多く、しかも価格は
ブルゾン4900円、パンツ3900円。上下で揃えても税込みで8800円...
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【RIDE特選コラム】SUZUKI GS1200SS(9月号別冊「天涯孤高のバイクたち」より)
往年の雰囲気を湛えるかつての異端児は、時を経て、時代の寵児になろうとしているのか
今年40周年を迎えた鈴鹿8時間耐久ロードレース。本誌の読者なら、あの熱い時間を青春の思い出として心に刻んでいる人も多いと思う。過酷な長丁場にチェッカーが振られた後の、サーキット全体を包む一体感は耐久レースだけの魅力。そしてそこには「耐久レーサー」というオートバイが中心にある。
耐久レースはヨーロッパ諸国で人気のあるレース形態で、ル・マン(ブガッティサーキット)やボルドール(マニクールサーキット)といったフランスのサーキットでは1970年代後半から24時間耐久レースが開催され、たちまち世界的なイベントへと成長...
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<バイク界の逸話>バルーンタイヤを履いた異色のファンバイク! 「スズキVanVan RV90」
前後に履かされた超幅広の低圧タイヤ!
浜松のスズキ本社でVanVan RV90を渡され、いろいろと説明を受けた。車体そのものは、70年の東京モーターショーで参考出品されたものと変わりないように見える。そもそも何でボクがここにいるのかと言うと、在籍していた編集部に、このバイクをスズキが貸してくれると連絡があり、それならいっちょツーリングでもして、レポートを書いてみようということになったからだ。
このバイクは、かなり「変わっている」。というか「ヘン」でもある。誰もがまっ先に目にするのは、前後に履かされた超幅広の低圧タイヤだ。どのくらい幅広かと言うと、前も後ろも6・70! もある。しかも前から...
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【ギモン】レースでお馴染みのヘルメットブランド「X-lite」と「NOLAN」、ヘルメットは同じ物ってホント?
「Xライト」は「ノーラン」の上級グレードだが、どちらも同じ物だった
昔からのレースファンにしてみれば「老舗のNolanは分かるけど、X-liteってなんだ?」って感じですよね。
さて本題。軽量で空力特性に優れた「X-802RR」というヘルメットが発売されているのですが、このモデルには「X-lite」仕様と「Nolan」仕様が存在するんです。なぜ同じヘルメットをふたつのブランドで販売するのか、中身が違うのか、などなど疑問が湧きます。が、結論から言うと、どちらのブランドもまったく同じヘルメット。Nolan社のプレミアムブランドが「X-lite」という位置付けで、プレミアムヘルメットのブランド...