かつての公道用完成車とその思想の元となるトルネードの名を復活させたスペシャルが2002年に誕生。GSX1300Rハヤブサをベースとした2000年のハヤブサX-1、カタナ・ファイナルエディションを高度にチューンナップした2001年のカタナ1135Rに続く、公道走行ができるコンプリートマシン、トルネードS-1は即レース参戦可能な能力さえ持つ、ヨシムラが考えるスーパースポーツのひとつの理想形である。

チタンのエキパイはS-1専用に製作されたもので、STDが4-2-1なのに対し4into1とされる。また、最低地上高を減ずることなくエキパイを取り回すとともに、オイル容量の増大を狙って、エキパイが通過する直上をフラットとしたうえで左脇の部分を下方に伸ばしたオイルパンを装着する(純正のオイルパンは、左右にある集合部を避けながら中央に向かって伸びる逆ピラミッド型で、これに4-1構造のエキパイを組み合わせるには、集合部を脇か下方にずらす必要がある)。

画像12: ヨシムラ「TORNADO S-1」各部装備・ディテール解説
画像13: ヨシムラ「TORNADO S-1」各部装備・ディテール解説

サイレンサーは、当時のヨシムラの代名詞ともいえたトライオーバル。排気系の変更により987.8cc(Φ73╳59mm)DOHC4バルブ4気筒は、クランクで160PS/10800rpm、11.2kgf・m/8500rpmを公称するSTDモデルに対し、12000rpmで170PSを突破する最高出力と、10000rpmにて11kgf・mを超える最大トルクをエンジンダイナモで記録とヨシムラは発表。

画像14: ヨシムラ「TORNADO S-1」各部装備・ディテール解説

吸気系は純正のままとされるが、その下のシリンダーヘッドには、面研を施すとともに専用ガスケットを装着して圧縮比を12.0→13.2:1に高める、カムをST-1に換装、バルブコッターをステンレス削り出しとして、強化バルブスプリングを組み込むなどの改造が施される。

画像15: ヨシムラ「TORNADO S-1」各部装備・ディテール解説

フロントフォークはオーリンズのΦ43mm倒立で、ストリート用として29万8000円で販売される製品のようにみえても、内部パーツやスプリングなどの仕様をオーリンズと検討した専用品だ。

画像16: ヨシムラ「TORNADO S-1」各部装備・ディテール解説

ブレーキディスクはオリジナルのアルミ削り出しディスクハブ+純正ディスク、キャリパーは表面を切削して『YOSHIMURA』のロゴを入れるとともに、パッドを専用品に変更、ブレーキホースはスピードフローだ。アルミ鍛造ホイールもBBSとの協力の下に生まれたもので、サイズはSTDと同寸の3.50-17。これにダンロップD208の120/70ZR17を装着する。


リヤブレーキは、キャリパーとディスク、パッドともSTDをそのまま流用するが、ホースはフロント同様スピードフローに換装される。

画像17: ヨシムラ「TORNADO S-1」各部装備・ディテール解説

撮影車が当時装着するアルミスイングアームはGSX-R750のレースキットパーツだが、この外観を踏襲するものを自社で製作する予定とのことだった。フロントと同製法/銘柄のホイールは、STDに準じて6.00-17とされる。装着タイヤはD208の190/50ZR17。アファムのリヤスプロケットは純正と同じ42Tとされ、2.471(17/42)の2次減速比に変更はない。

画像18: ヨシムラ「TORNADO S-1」各部装備・ディテール解説

ピギーバック式リヤショックもオーリンズと共同開発の専用設計で、無論フルアジャスタブル。アルミ削り出しで製作したリンクとショックの自由長の延長により、テールをわずかに上げているという。

画像19: ヨシムラ「TORNADO S-1」各部装備・ディテール解説
画像20: ヨシムラ「TORNADO S-1」各部装備・ディテール解説

アルミ削り出しの左右ステップも試作品で、ペダルと同軸のステップバーを受ける部分をフレームにボルト留めされる部分から分離、この時点で踏部の軸間距離を変えずに位置を可変させる機構が予定されていた。

画像21: ヨシムラ「TORNADO S-1」各部装備・ディテール解説
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