『ヨシムラコンプリート』誕生までの系譜
1985年から1986年にかけてヨシムラはTTF-1、F-3参戦で培った能力を市販モデルへフィードバックするべくトライを重ねている。当時の保安基準などによりキットパーツ販売とはなったが後の「1200ボンネビル」への挑戦はこの時期からスタートしていたのだ。

上の写真手前は、辻本選手が駆って1985年全日本ロードレースTTF-1の王座に輝いたレーサー。奥は、当時のカタログにある言葉を借りれば、「ヨシムラはサーキットで得たノウハウを、喜んでストリートライダーと分かちあいます」という考えから開発され1985年型GSX-R750を基とするトルネードF-1のプロトタイプ車両。

トルネードF-1のプロト。風洞実験により形状を決めたカウルや歪みを抑えたスクリーン、重量をSTDの半分としたアルミタンクや、その後部に装着されて流れるようなラインを作るシートカウルといった外装のほか、アルミ製バックステップ、外径をΦ300→310mmに拡大したフロント用フローティングディスク、丸穴を開けたスパウトホイールなどからなる「シャシー・パーツ」の装着が公道仕様の基本となる。
ヨシムラ製パーツを使って一基一基を手作業で組み上げた130PS「ステージ2コンプリートエンジン」や、オリジナルのステアリングシステム+クリップオンハンドル、フォークスプリング、ヨシムラ・カヤバ製リヤショックなどで構成される車体用セットアップキットも用意された。

上下の2台は1985年型のGSX-R(400cc)にレースキットパーツを組んだものだが、チューンナップの度合いは両車で異なり、上は国際A/B級ライダーに向けて開発された「ステージIII」、下はノービスを対象とした「ステージII」だ。


上の2車に通じるデザインの外装や前後輪に加え、左右ステップ、リヤブレーキ、排気系などを交換することで、レーサーの外観を公道に持ち込むモデルも企画。ただ前照灯が片側一眼で当時は車検が取れず、実現できなかった。

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