Z1の血統を受け継ぎながら、現代の技術で進化を続けるZ900RS。ここでは誕生の背景から歴代モデルの変遷、最新モデルの走りの真価までを徹底解説し、“進化する伝統”の本質に迫る。

規制対応の度に性能を錬磨(2023-2026)

見た目はそのまま中身は最新に刷新

2023〜2026年のZ900RSは、「見た目はそのままに、中身を段階的に煮詰め、最終的に一気に刷新する」という流れでマイナーチェンジが進んだ。前半の2023〜2025年は静かな熟成期、2026年で電子制御とエンジンを中心に大きくジャンプアップした。

まず2023年は、令和2年排出ガス規制に対応するため、排気系や触媒の見直しで環境性能を底上げした。外観面ではサイレンサー内部構造やテールパイプ、シート表皮の色味、リムストライプのゴールド化など、質感が上がったと感じられる〝通好みの小変更〟が行われた。型式も2BLから8BLへ移行した。

2024〜2025年はメカニズムの大変更は控えめで、そのぶんカラーとグレード構成で商品力を高める戦略にシフトしていく。

その集大成として位置づけられるのが2026年モデルで、電子制御スロットル採用に合わせてカムプロフィールや圧縮比、吸排気レイアウト、ギア比まで手を入れ、低中回転の扱いやすさと高回転での伸びを両立させた。

さらにIMUベースのコーナリングABSやトラクション制御、上下対応クイックシフター、クルーズコントロールなどを搭載した。

2023

マイナーチェンジ

画像: KAWASAKI Z900RS 2022-2023年 カラーは「キャンディトーンブルー」

KAWASAKI
Z900RS
2022-2023年

カラーは「キャンディトーンブルー」

青玉虫が物語る“円熟のネオクラZ”

新排出ガス規制対応に伴って排気系とECU制御を見直し、浄化性能を高めながらスロットルフィールの滑らかさを保つ方向に仕立て直されている。主役カラーのキャンディトーンブルーは、Z1B“青玉虫”の意匠を現代のキャンディ塗装とメタルフレークで再現したもので、光の角度で表情を変える深いブルーとゴールドラインが「現代に蘇った玉虫カラー」としてZ900RSの世界観を象徴している。


環境対応を主目的とした熟成アップデート

排気系では、触媒容量や内部構造、サイレンサー内部の仕切りやパンチングパイプの仕様を変更し、有害成分の浄化効率を引き上げている。排気流速や背圧が変わるため、燃料噴射量と点火時期マップを再セッティングしている。

2018-2022

画像1: 2023

2023-2025

画像2: 2023

2024

画像: KAWASAKI Z900RS 2024年 カラーは「メタリックディアブロブラック(ブラック ピンストライプ)」

KAWASAKI
Z900RS
2024年

カラーは「メタリックディアブロブラック(ブラック ピンストライプ)」

光で浮かぶブラックピンストライプの妙味

深みのあるメタリックブラックをベースに、同系色のブラックピンストライプをさりげなく走らせた“黒の中の黒”がテーマのカラーリング。タンクやテールのラインを強調しながらもコントラストを抑えているため、一見するとソリッドなフルブラックに見えつつ、光の当たり方でストライプがふっと浮かび上がるのが特徴。

クロームやヘアライン仕上げの金属パーツとのわずかな色味の差が効き、“通好みのブラックZ”というキャラクターを与えている。

カフェも2023年モデルでマイチェン実施

2023-2024

画像: KAWASAKI Z900RS CAFE 2023-2024年 カラーは「メタリックディアブロブラック」

KAWASAKI
Z900RS CAFE
2023-2024年

カラーは「メタリックディアブロブラック」

濃いメタリックブラックを基調に、タンクやカウル側面へほんのり異なるトーンを重ねた“黒の階調”で魅せる。ロゴやストライプのコントラストはあえて抑えめで、近づくとラインや艶の違いが分かる仕立てが特徴。


2025

画像: KAWASAKI Z900RS CAFE 2025年 カラーは「エボニー×キャンディライムグリーン」

KAWASAKI
Z900RS CAFE
2025年
カラーは「エボニー×キャンディライムグリーン」

漆黒をベースに、キャンディライムグリーンのストライプを大胆に乗せた“これぞカワサキ”という王道カラーリングとなる。ライムグリーンはあえてキャンディ調の発色とし、光の当たり方で色味が変化するのが魅力。

カワサキ「Z900RS Yellow Ball Edition」

画像: KAWASAKI Z900RS Yellow Ball Edition 2024年 カラーは「キャンディグリーン」

KAWASAKI
Z900RS Yellow Ball Edition
2024年

カラーは「キャンディグリーン」

イエローボール再来──黄の丸玉が描く新たなZ像

Z1初期のイエローボールを再解釈した特別仕様として登場。深みのあるキャンディグリーンに鮮やかなイエローボールを配し、特別な技法の重ね塗りを施すことで、艶やかで重厚な質感を生み出し、1970年代のZらしいポップさと重厚感を両立させている。

第1弾となったSEのときよりも発色やラインワークを微調整し、タンクからテールのボリューム感によりマッチするようブラッシュアップされており、イエロータイガーとは異なる「丸みのあるレトロ感」で仕立てられている。

ヘリテージ調の「KAWASAKI」ロゴを配したタンクマークと、Z1をイメージしたサイドカバーマークにより、ひと目で“原点Z”を連想させる。

画像1: カワサキ「Z900RS Yellow Ball Edition」
画像2: カワサキ「Z900RS Yellow Ball Edition」

シートにはシボ入りの専用レザーを採用し、見た目と触感の両面でプレミアム感を演出。さらにクロームメッキ仕上げのサイドグリップや、パルシングコイルカバーとジェネレーターカバーに刻まれた「DOHC」マークなどが施されている。

画像3: カワサキ「Z900RS Yellow Ball Edition」

2024・青火の玉

画像: KAWASAKI Z900RS 2024年 カラーは「メタリックデュアブロブラック(ブルー/ブラック)」

KAWASAKI
Z900RS
2024年

カラーは「メタリックデュアブロブラック(ブルー/ブラック)」

漆黒に差すブルーの輝き

従来の漆黒イメージに青のアクセントを加えた“青火の玉”系のキャラクターを持つ仕様で、ディアブロブラックをベースに、タンクとテールにメタリックブルーの帯とピンストライプを配することで、黒の塊感を残しつつスポーティさと清涼感を付加している。

サイドから眺めると、ブルーのラインが丸タンクからテールカウルまで流れるようにつながり、Z1譲りのシルエットを際立たせると同時に、光の当たり方で青が深く発色するのも特徴。

Yellow Ball Edition

画像9: カワサキ「Z900RS」ヒストリー(2018-2026)【Z900RS進伝】

STD

画像10: カワサキ「Z900RS」ヒストリー(2018-2026)【Z900RS進伝】

カワサキ「Z900RS SE」(2025)

画像: KAWASAKI Z900RS SE 2025年 カラーは「メタリックフラットスパークブラック×メタリックマットカーボングレー」

KAWASAKI
Z900RS SE
2025年

カラーは「メタリックフラットスパークブラック×メタリックマットカーボングレー」

画像: KAWASAKI Z900RS SE 2025年 カラーは「キャンディトーンレッド」

KAWASAKI
Z900RS SE
2025年

カラーは「キャンディトーンレッド」

クールなマットブラックとSE専用装備でさらに熟成

SEはマット調のメタリックフラットスパークブラック×メタリックマットカーボングレーを採用し、ゴールドのホイールや倒立フォークとのコントラストで上級感を強調している。ブレンボキャリパーとオーリンズリアショックといったSE専用ハイグレードの足まわりは継続で、価格やスペックに変更はない。

カワサキ「Z900RS」シリーズ(2026)

画像: KAWASAKI Z900RS Black Ball Edition(左奥) Z900RS SE(中) Z900RS CAFE(右奥) 2026年

KAWASAKI
Z900RS Black Ball Edition(左奥)
Z900RS SE(中)
Z900RS CAFE(右奥)
2026年

エンジン&電子制御を一新した“新スタンダードZ”

ETV採用やカム、ギアレシオ、吸排気の見直しにより、最高出力は116PSへ高められつつ、低中回転の扱いやすさも向上した。IMUベースのKCMFや上下対応クイックシフター、クルーズコントロールなど電子制御も一気に充実している。

注目のBlack Ball Editionは、全身ブラックの“黒玉”コンセプトを採用したスタンダードモデルで、ブラック基調のファイアーボール風グラフィックとヘリテージエンブレムによりZ1直系の雰囲気を上質に表現。

SEはオーリンズ製リアショックや高性能ブレーキなど専用足まわりでスポーツ性を高めたプレミアム仕様で、CAFEも新世代エンジンと電子制御を共通装備する。

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