XフォーミュラクラスをGSX1300Rハヤブサを基に作り上げたレーサーで戦うことで得られた技術を
ユーザーに反映させるとの考えから2000年に100台限定で生まれたスペシャルマシンが“ハヤブサX-1”だ。外装を自社製に換装しエンジンをチューンナップ、前後ショックをリセッティングするなどのメニューが盛り込まれているこの車両はそのプロトタイプだが、オプションのクロスミッションを装着する以外は量産型とほぼ同じである。

エアクリーナーボックスは非加工で、低中回転域での扱いやすさを得るために設けられた、吸入流速を変化させるコンピュータ制御の開閉式バルブもそのまま利用。

画像6: ヨシムラ「HAYABUSA X-1」各部装備・ディテール解説

試乗車のエアクリーナーは純正品だったが、量産型では蓋が赤いイタリアのBMC社製に代わる。

画像7: ヨシムラ「HAYABUSA X-1」各部装備・ディテール解説

燃料供給はSTDと同じケーヒンのΦ46mm燃料噴射で、エンジンのチューンナップや排気系の変更に合わせてプログラムを一部変更している。

画像8: ヨシムラ「HAYABUSA X-1」各部装備・ディテール解説

Φ81mmのボアは不変だが、圧縮比を11.0:1→12.0:1に高める鍛造ハイコンプレッションピストンや、中〜高回転域でのレスポンスを高めるプロファイルを持つST-1カムシャフトへの変換。

画像9: ヨシムラ「HAYABUSA X-1」各部装備・ディテール解説
画像10: ヨシムラ「HAYABUSA X-1」各部装備・ディテール解説

シリンダーヘッドの吸気ポートポーティング、吸排気バルブの軽量化、擦り合わせ、鏡面加工などのヨシムラチューンが施される。

画像11: ヨシムラ「HAYABUSA X-1」各部装備・ディテール解説

排気量はSTDと同一の1298.6cc(Φ81.0x63.0mm)でも、前記のチューンナップや後述する排気系の換装により、175PS/9800rpmを193PS/10000rpm(ともにクランクでの公称値)へと引き上げられたこの水冷DOHC4バルブ4気筒は、エンジンダイナモで1基ずつ慣らしと性能確認を行ったうえで車体に搭載される。

出力を上げる一方で街乗りにも使える特性を与えることが隼X-1の基本方針だから、ハヤブサレーサーで得られた膨大なデータのなかから、それに最適な手法を選んでメニューが決定された。

画像12: ヨシムラ「HAYABUSA X-1」各部装備・ディテール解説

試乗車はオプションのクロスミッションを装着するが、エンジンの基本性能が高いため、量産用ではクランクケース内部まで作業を施す必要はなしと判断(レース用ですら、ミッションの変更とシフトドラムの軽量化、バランサー廃止に伴うクランクの加工などが主たる仕事だ)、ミッションはSTDを使用、レーサーでは撤去したバランサーも快適性確保のために残されている。


排気ポートとの連結部はテーパー状、それ以降をΦ42.7mmとしたチタンエキパイを4-2-1で集合させ、3角形断面のカーボン製トライオーバルサイレンサーを後端に据えるEX.システムは、高出力化はもとより、STDの14.5kgに対し4.7kgと軽量で、特に後部の車重削減に貢献。

画像13: ヨシムラ「HAYABUSA X-1」各部装備・ディテール解説

サイレンサーはレーサー用とは別物だが、排気音を95ホンに下げつつも、ここでの出力低下は2%以下(レース用との比較で)。 


左右のステップはマグネシウム製で、ポジションを4種(61mm上方31mm後方、49mm上方/31mm後方、61mm上方/19mm後方、49mm上方/19mm後方)から選べる。ステップバーと、それと同軸のペダルは小型のプレートに固定されており、これらはフレームに装着された別プレートへ上下に2本並べたボルトで締結される。

画像14: ヨシムラ「HAYABUSA X-1」各部装備・ディテール解説

先のボルトを受けるネジ穴は、上用、下用、ともに4個ずつあり、その位置を変えることでステップバーはペダルとともに移動する。その表面は、プロトではツヤありだったが、量産型はツヤなしとなる。

画像15: ヨシムラ「HAYABUSA X-1」各部装備・ディテール解説

小型のアルミ製シートレールは、メインフレームとをつなぐ片側に2本あるボルトのうち、上側を差し替えることでシート高(実測では825mm)を15mm下げられる。バッテリーや電装を受けるカバーは、量産型ではFRP製となる。

画像16: ヨシムラ「HAYABUSA X-1」各部装備・ディテール解説

リヤショックは純正品だが、伸び/圧減衰力の標準設定を、11/8→12/18(ともに最強からの戻しクリック数)へと改める。13mm/kgのレートを持つスプリングとそのセット長:183mmに変更はない。

画像17: ヨシムラ「HAYABUSA X-1」各部装備・ディテール解説

スイングアームはSTD、2.353(17/40)の2次減速比も不変だ。

画像18: ヨシムラ「HAYABUSA X-1」各部装備・ディテール解説

ホースをヨシムラ・スピードフローに、フロントのみパッドを特製品に換装していること以外は、前後ブレーキ(ディスク径F/R:Φ320/Φ240mm、キャリパーF/R:対向式異径6ピストン/対向式2ピストン)はSTDと同じ。

ホイール(F:3.50-17、R:6.00-17)、タイヤ(F:120/70ZR17、R:190/50ZR17。ともにブリヂストンBT-56)もハヤブサ純正品。

画像19: ヨシムラ「HAYABUSA X-1」各部装備・ディテール解説

ただしΦ43mm倒立式フォークは、オイルロックピースを自社製に交換、ピストンバルブシムの設定や油面位置を変更するほか、プリロードを5→7ライン目、伸び/圧減衰力を3/9→8/8(ともに最強からの戻しクリック数)と、セッティングも改めている。高出力/軽量化を受けてこの改造は、主にフルブレーキング後の寝かし込みの軽さ、旋回時の追随性の向上を狙ったものだ。

画像20: ヨシムラ「HAYABUSA X-1」各部装備・ディテール解説

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