初代誕生から40周年を迎えたGSX-Rシリーズ。そのトップモデルであるGSX-R1000/Rが、2026年モデルでどのように進化したのか。エンジンの改良点と、吸排気系、および各部品について、詳細に解説する。
まとめ:岡本 渉/協力:バイカーズステーション、佐藤康郎、H&L PLANNING
※本記事は2025年11月27日に発売されたムック本『GSX-R』の内容を一部編集して掲載しています。
※車両ほか使用写真はとくにことわりのない限りGSX-R1000Rのものです。また、ウイングレットがついた車両はオプション装着車です。

エンジンの吸排気系を解説

画像1: エンジンの吸排気系を解説

パッケージとしてより安定した高性能を提供するための吸排気系への配慮

エンジン性能を生かすように、吸排気系も変更を受けた。4-2-1レイアウトのマフラーは#1-2、#3-4のエキゾーストパイプ同士を連接し、さらにその下の湾曲部で#2-3をつないで排気脈動を活用し中低回転域のトルクを補填する構成を継承。

集合部はエンジン前下付近まで前進し、その直後、オイルパン横を走るように“レーストラックシェイプ”と呼ばれるような楕円断面で成形された大容量の触媒コンバーター部がストレートに連結される。

必要な2個のO2センサをその前後に配したこの触媒部は従来よりエンジンに近づき、触媒が作動好適温度に達する時間を早め、これによってEURO5+排出ガス規制をクリアしつつ、従来型並みのパフォーマンスを維持することに貢献できた。

また、副次的な効能としてマフラーボディ(サイレンサー)のコンパクト&スリム化を図ることが出来、容量は8.3から5.5Lに減らせた。この排気系はチタン製で、触媒部後ろのパイプ部からのパイプは2本に分かれた上でその片側には排気デバイス(可変バルブ)が設けられる。排気の出口は2個となる。

なおエンジンについて補足すればクラッチカバー(左)、マグネトーカバー(右)が従来型の黒からグレーに色を変えている。

画像7: 見た目は似てるけど中身は別物!復活を遂げたスズキ「GSX-R1000/R」(2026年)のエンジンを徹底解剖
画像8: 見た目は似てるけど中身は別物!復活を遂げたスズキ「GSX-R1000/R」(2026年)のエンジンを徹底解剖

吸気に関しては、電子制御スロットルのボディが軽量コンパクト化しながらボアがΦ46mmからΦ48mmに大径化された。スロットルバルブは1枚で、スロットルボディ側(プライマリー)インジェクターのホール数を10→8に変え、燃料の霧化特性を高めた。

画像2: エンジンの吸排気系を解説

その上流側が、エアクリーナーボックス(下の写真に見える燃料タンク部の前半内)。トップ裏にはS-TFI(スズキ・トップフィードインジェクター)が配される。

これはエンジン高回転時にそれぞれの気筒のファンネルに10ホールインジェクターから高回転時の燃焼に最適化したパターンで追加燃料を噴射し、高回転時のレスポンスと出力を高めるものだ。

画像3: エンジンの吸排気系を解説

ファンネルは1/4番気筒がショート、中央の2/3番気筒がロングの組み合わせ(従来は等長で#1/#4がショート/ロング併用型)に変わり、燃料ポンプも新たに燃圧を高めたものに変わっている。

画像4: エンジンの吸排気系を解説

クラッチは、ふたつのカム構造ピースによって、加速時にはこれらが深く噛み合ってクラッチプレートとプレッシャープレートを密着させ(上の写真の右が回転方向)出力を有効に使う。

急な減速時などには噛み合いが軽くなり両プレートを滑らせることで下ののようにクランクへの逆入力を抑えるSCAS(スズキクラッチアシストシステム)は継続され、ライダーの負担を軽減してくれる。

画像5: エンジンの吸排気系を解説

こうして、動力系はエンジンだけでなく吸排気や補機類ともパッケージとしてより安定した高性能を提供するようにしているのだ。

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