まとめ:岡本 渉/協力:バイカーズステーション、佐藤康郎、H&L PLANNING
※本記事は2025年7月2日に発売された『レーサーレプリカ伝 4ストローク編』の内容を一部編集して掲載しています。
ホンダ「VFR400R(NC30)」(1989年)の各部装備・ディテール解説

1本出しのサイレンサーを車体右から左に移動。ヘッドライトを1灯→2灯にするなどで、RC30に近い外観に変化したNC30。価格は67万9000円から74万9000円(税抜き)に値上げ。日本での年間販売計画は1万台だった。

アルミツインスパーは新作で、左右レールにRVF750やRC30と同寸(90×40mm)の目の字5角断面材を採用。横11%、ねじれ44%、全体で33%の剛性を向上。

ピボットプレートを中空キャスト構造として重量を削減。エンジン搭載位置は35mm前方に移動、キャスターを26度10分→25度20分に立てるとともに軸距を1375→1345mmに短縮してマスの集中を図る。

回転、速度、水温の3連メーターを装備するのはNC24と同じだが、配置や外径を変更し、レーサーを思わせるコクピットを得ている。

冷却性能を高めるためにラジエーターを上下2連装に変更。上側はワークスレーサーと同じU字型、下側には電動ファンを備える。

NC24


NC30


従来型NC24は180度クランクだが、新型NC30は360度に変更。高回転域での伸び上がる感覚を生かしながら、V4ならではのトルク感あふれる出力フィーリングを高めている。排気系も一新され、4-2-1構造で左1本出し、総ステンレス製といった特徴をRC30と同じくしている。左端に見えるクラッチの外観が異なるのは、新たにスリッパー機構を盛り込んだからだ。
ロッカーアームの形状を変更し吸排気カムシャフトが接近。上写真の従来型(NC24)ではアームの中間部をカム山で押すが、下の新型(NC30)ではバルブの軸線上にカムが位置する構造としている。その結果、シリンダーの前後長は31.5mm短縮。

NR500で開発されたΦ8mmプラグを量産車で初採用(右端。左/中央は12/10mm)。小径化によりバルブの大径化が可能となり、IN:Φ21.8→Φ22.5mm、EX:Φ19→Φ19.3mmへ拡大。

フロントのブレーキキャリパーは片押し2ピストンから対向4ピストンに高能力化しディスクもΦ276→Φ296mmに拡大。正立フロントフォークもΦ37→41mmに大径化している。
ホンダ「VFR400R(NC30)」(1989年)の主なスペック・当時価格
| 全長×全幅×全高 | 1985×705×1075mm |
| ホイールベース | 1345mm |
| 最低地上高 | 125mm |
| シート高 | 755mm |
| 車両重量 | 164kg(乾燥)/182kg |
| エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブV型4気筒 |
| 総排気量 | 399cc |
| ボア×ストローク | 55.0×42.0mm |
| 圧縮比 | 11.3 |
| 最高出力 | 59PS/12500rpm |
| 最大トルク | 4.0kgf・m/10000rpm |
| 燃料供給方式 | キャブレター(VDA3) |
| 燃料タンク容量 | 15L |
| 変速機形式 | 6速リターン |
| キャスター角 | 25゜20′ |
| トレール量 | 96mm |
| ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
| タイヤサイズ(前・後) | 120/60R17・150/60R18 |
| 発売当時価格(1989年) | 74万9000円 |
まとめ:岡本 渉/協力:バイカーズステーション、佐藤康郎、H&L PLANNING



