文:小川 勤/写真:DUCATI
▶▶▶写真はこちら|ドゥカティ「XディアベルV4」全体・各部・走行シーン(15枚)
ドゥカティ「XディアベルV4」インプレ(小川 勤)

Ducati
XDiavel V4
2025年モデル
総排気量:1158cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブV型4気筒
シート高:770mm
車両重量:229kg(燃料を除く)
税込価格:333万5000円
斬新さと繊細さが欧州スーパーカーを彷彿
Xディアベルは、2016年にVツインエンジンを搭載して登場したドゥカティ初の本格クルーザー。2025年、そんなXディアベルがV4エンジンを搭載してフルモデルチェンジ。ラグジュアリーさとスポーツ性を磨き上げてきた。日本導入は8月の予定だが、一足早くフランスのカンヌで国際試乗会が開催されたので参加してきた。
カンヌで対面したXディアベルV4は、とてもエレガント。2色展開のブラックとレッドは、どちらも見る角度や光の様子で表情を変え、とても艶やか。エンジンを強調したスタイルや面を作り込んだボディは、アスリートのように精悍だ。
スマートキーをポケットに入れて電源ボタンを押すと6.9インチのTFTメーターが迎えてくれる。ウエット、アーバン、ツーリング、スポーツのモードからツーリングを選択。ポジションは足を前方に投げるクルーザースタイルで、身長165cmの筆者だと足が伸びきってしまうのが悩み。小柄な方はオプションのミッドステップに交換するのが良いかもしれない。
走り出すとV4エンジン特有のフィーリングとサウンドが心地よい。前モデルから6kg軽量化された車体とリアサスペンションのストロークを35mm伸ばしたバランスによって、ハンドリングは軽快。峠ではクルーザーであることを忘れてしまうほどのスポーツ性を披露してくれる。

スポーツモデルと変わらないブレーキやサスペンションは、ライダーの操作を即座に感知し、ハンドリングの軽さに繋げてくれる。タイトなヘアピンでも240サイズの極太リアタイヤや1620mmのロングホイールベースを感じさせないのだ。
モードは「ツーリング」でも速さに不満はないが「スポーツ」もテスト。レスポンスが向上するが、速すぎるのですぐにツーリングに戻した。試乗後半は土砂降りだったが、ここではエンジン特性が穏やかで電子制御の介入が多いレインに助けられた。
実は他のクルーザーのように低回転域でドコドコと走るのは少し苦手。だがそれもドゥカティだ。エンジンは4000rpm以上まわした方がバランスする。見た目はエレガントだが走りはワイルド。そんな欧州スーパーカーのような存在感もXディアベルV4の魅力だ。