2025年6月20日から22日にかけて、イタリアのムジェロ・サーキットにてMotoGP第9戦イタリアGPが行われた。向かうところ敵なし状態のマルク・マルケス(Ducati Lenovo Team)だが、イタリアGPの優勝はわずか1回。しかもそれが2014年以来という意外なデータである。ある意味「苦手」な部類に入るトラックだが、ドゥカティワークスとマルク・マルケスの最強パッケージには関係のないデータであった。

マルク・マルケスがGP通算93勝目を達成

週末を通して天候に恵まれたイタリアGP。決勝日も気温、路面温度ともに上昇し、気温31度、路面温度53度のドライコンディションに。ほとんどのライダーがフロントにミディアム、リアにソフトを選択。ファビオ・クアルタラロ(Monster Energy Yamaha MotoGP Team)とジャック・ミラー(Prima Pramac Yamaha)が前後ミディアム、そしてアコスタはフロントにハード、リアにソフトという組み合わせとなっている。

23周の決勝レースはマルク・マルケスとバニャイアが横並びでターン1に突入し、マルク・マルケスがトップを死守。しかし、続くターン2でバニャイアがマシンをねじ込みトップを奪ってみせた。ここから激しい同門対決が幕を開ける。

画像: ドゥカティファクトリーの2台がサイドバイサイドでターン1に向かう。

ドゥカティファクトリーの2台がサイドバイサイドでターン1に向かう。

2周目のホームストレートで再び並びかけたマルク・マルケスがトップ奪還。ドゥカティファクトリーの2台がバトルを繰り広げたこともあり、3番手のアレックス・マルケスのトップ争いに加わる展開に。

マルク・マルケスとの激しいバトルで軽く接触してしまったバニャイアはその隙にアレックス・マルケスに先行を許す。しかし、独走体制に持ち込まれたくないバニャイアは4周目のターン1と2でマルケス兄弟をオーバーテイクし再びトップに返り咲いた。

画像: イタリアGPの特別カラーリングで挑むドゥカティファクトリーの2台。

イタリアGPの特別カラーリングで挑むドゥカティファクトリーの2台。

バニャイアはトップに立つも、マルケス兄弟の激しいアタックにより首位をキープできず3番手に後退。アレックス・マルケスが6周目にトップに立つと、バトルは一時沈静化された。

地元での優勝を狙うバニャイアだったが、序盤のハードな走りが原因かマシンの挙動が大きく徐々にマルケス兄弟との差が離れていく。

またしてもアレックス・マルケスとマルク・マルケスの一騎打ちとなったトップ争いは9周目のターン1で兄が先行。後方では同じくターン1でビニャーレスがフランコ・モルビデリ(Pertamina Enduro VR46 Racing Team)をパスし4番手に浮上した。しかし、続くターン2でインからモルビデリに追突されたビニャーレスは無念の転倒。この接触の原因と判断されたモルビデリにはロングラップペナルティが科された。モルビデリはペナルティ消化中に白線の外に出てしまい、もう一度ペナルティを受けることになってしまった。

トップのマルク・マルケスが逃げにかかる中、2番手争いが接近。バニャイアはなんとかアレックス・マルケスに迫るも抜くまでには至らず。終盤になると両者の差も拡がっていってしまう。

レース終盤、マルケス兄弟の後塵を拝してしまったバニャイアにディ・ジャナントニオが接近。表彰台を確保したかったバニャイアだったが、残り2周のターン4でディ・ジャナントニオの先行を許してしまった。

終わってみればマルク・マルケスが2秒のギャップを築き独走優勝。2014年以来、11年ぶりのムジェロでの優勝となった。また、今回の優勝でGP通算93勝目となり、自身のゼッケン番号と同じ勝ち星となった。2位にアレックス・マルケス、3位にディ・ジャナントニオが入り、決勝もドゥカティによる表彰台独占となっている。

復帰戦、なおかつ得意ではないコースで苦戦を強いられた小椋だったが、10位でフィニッシュしポイントを獲得。代役参戦の中上は入賞まであと一歩の16位だった。

次戦は伝統のオランダGP。GP初年度から開催されているTTサーキット・アッセンが舞台だ。コース特性や気候もイタリアとは違い、今回とは違った勢力図になることが予想されるオランダGP。小椋にとってはMoto2クラスで優勝を果たすなど得意にしているサーキットであり、上位での戦いが期待される。

画像: ディ・ジャナントニオが3位表彰台を獲得。顔ぶれが変わってもドゥカティの表彰台独占は変わらない。

ディ・ジャナントニオが3位表彰台を獲得。顔ぶれが変わってもドゥカティの表彰台独占は変わらない。

2025 MotoGP 第9戦イタリアGP 決勝結果

画像: resources.motogp.com
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レポート:河村大志

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