どこを狙うかで変わるニンジャカスタム
元祖ニンジャたるカワサキGPZ900Rはパーツや車両は豊富にある機種だが、さすがに初代が1984年製、国内導入が始まったのが’90年。30~35年を経て、中古車を初めとして車両状態の劣化が目立ってきているという。
そうした車両を中心にニンジャへのメンテナンスメニュー“ニンジャドック”を提案し施工してきたマーベラスエンジニアリングの“ニンジャ乗り”、代表・折目さんによる、ニンジャカスタムの最新の姿がこれだ。
「これは今2台持ちしているうちの“初号機”です。いいものはとにかくトライしたい、ニンジャをベースにどこまで行けるかを楽しむという作り込みです。例えばフォークのアッパーブラケットは、肉抜き仕様です。
しなりの違いを肉抜きなしと比べたかった。でもその速度は公道ではまずないシチュエーション。ですからサーキット寄りに組んでいます。細かい点ではステップ位置も弐号機(もう1台がこれで、
ノーマルルックで街乗りとツーリングが主)の前/下に対して、初号機は上/後ろできつめ。比べてみると初号機はニンジャをきっちりシャープにした感じという風に仕上がってます。
ただどちらかと言えばピンポイント的な作りで速度域も高めですから高めの集中力が要りますし、半面、その時間はあまり続かない。月1、2回楽しめれば十分という感じです。弐号機はいつでもOK」
「初号機だけでなくノーマルライクな弐号機も作ったことで、お互いの特性、また各パーツのことも分かりましたし、1台で両者の目的をカバーしたいというケースにも対応できるかなと思いました。それは、ニンジャ自体の間口が広いから。35年も前のバイクなのに、元の乗り味が古いわけでもない。
パーツに関しては、知っての通りです。あとは目的をはっきりさせて、もうひとつ、ベースの状態を良くすること。ベースを新品レベルに戻すことで、カスタムパーツ、これはだいたい新品をつけると思いますが、その性能を生かすためには、付けられるベースもその域にあったほうがいいんです」
「ニンジャは作られた年代から想像するより現代的なんですが、それは整備が前提です。自分で手を入れるという楽しみもあっていいですが、いい主治医、できれば渡り歩きでなく同じ目線、一定の見地のショップを決めて、たまにはプロの目線で車両を見てほしいですね。車両がちゃんとすれば、楽しみは増えるはずですよ」
時にはプロの目も通してベース車のコンディションをきちんとさせる。その上で、狙い=用途やルックス等の全体感を決める。この2点を決めることで、使うべきパーツも決まるし、必要なバランスも見えてくる。さらには予算感も見えるだろう。
折目さんのニンジャカスタムからは、そんなニンジャの今後へのメッセージも汲み取れるのだ。
Detailed Description 詳細説明
取材協力:マーベラスエンジニアリング
記事協力:ヘリテイジ&レジェンズ
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