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充実のアップデートで魅力を増した〝元祖ファイター〟【TRIUMPH SPEED TRIPLE RS(トライアンフ スピードトリプルRS)】(2018年)
扱いやすさに加えて刺激的なパワーも増強!
スピードトリプルはトライアンフのスポーツネイキッドの元祖と言うべきモデル。近年はコンパクトでハイポテンシャルな弟分・ストリートトリプルシリーズのモデルチェンジが続いた感があるが、スピードトリプルも車体や足まわりの改良、エンジンのパワーアップを実施して、着実に進化し続けてきた。
こうした進化でキレのいい走りも身につけたが、基本的にスピードトリプルは扱いやすさが光るモデル。ストリートトリプルにはない、巨大なトルクが生み出すダッシュを魅力としてきており、最新スポーツNKたちのような、刺激的なパワー感という「スパイス」の点ではやや物足りない感もあった。
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<試乗インプレ>ついに日本上陸! 214PSの新世代 V4スーパーバイク!DUCATI PANIGALE V4 S(2018年)
驚くほどの軽さ、素直さで自在に楽しめる214PS
パニガーレV4のフレームはこれまでのボックス構造のモノコックから「フロントフレーム」と呼ばれるツインチューブ風のダイヤモンドフレームになった。エンジンは90度L型のV4でありながら、70度位相クランクという特徴的なレイアウトに。最高出力は、市販スポーツバイク最強レベルの214PSとなっている。
Lツインにこだわってきたドゥカティの「アイデンティティ」からすると、まるでスポーツバイクに対する「哲学」を変えたかのような大変身。でも、もっと驚いたのはその走り。色々な意味で見た目以上に変わっていた。
まず、走り出した瞬間から、その軽さやハンドリン...
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<試乗インプレ> 抜群のスタビリティが光る快速スポーツツアラー! YAMAHA TRACER900GT ABS(2018年)
どこを走っても快適でスポーティな最強旅バイク
トレーサーはMTー09から派生したスポーツツアラー。今回外装を変更し足回りも一新。追加グレードとなる上級仕様の「GT」はメーターをTFTカラー液晶に変更し、クルーズコントロールを追加、足回りもグレードアップしたモデル。
アップライトで幅の広いハンドルが付いているし、サスストロークも少し長いが、ダートを走るために造られたモデルではない。これはヤマハがTDMで先鞭をつけた「アルプスローダー」…イージーなハンドリングと優れた走破性で荒れた舗装路を気楽に走れ、強力なエンジンとシャシーでスポーティな走りまでこなせるという万能モデル。オフまで活動エリアを...
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<試乗インプレ>スポーツ性能を研ぎ澄ませた“円熟の07”発進! YAMAHA MT-07 ABS(2018年)
扱いやすさはそのままに機敏なフットワークに進化!
新型MTー07の変更点は、ヘッドライトとシュラウドまわりが新デザインになったのと、前後の足回りを一新したこと。エンジンやフレームに変更はない。コトバだけだと従来型をそのまま正常進化させただけのようだが、これが大違い。新しいサスの味付けが大幅に違っていた。
07はコンパクトで、まるで400クラスの車格。そして軽く、ミドルクラスでありながら、小柄なライダーにも容易に取り回せる。パラツインエンジンは73PSを発揮。動力性能は900㏄クラスに迫るほど強力だ。常用域での乗り心地の良さもすばらしく、かなりスポーティな走りまでこなせる足回りを持っている...
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<試乗インプレ>走りも質感もひと味違う新世代CBはオトナの香り【HONDA CB1000R】(2018年)
快適で気持ちいい納得させられる上質さ
このCB1000Rは、今までホンダのラインアップにはなかったカテゴリーの、オシャレでスポーティなスポーツネイキッド。正確なところを言うと、欧州生産で、日本では販売されていなかったモデル・CB1000Rの後継になる。さらにルーツをたどれば、日本でも2001年に登場した「CB900ホーネット」の姿がおぼろげながら見え隠れする。
かつてのホーネットを含めて、このシリーズに共通していることがある。懐古的なテイストに拘るのではなく、最新のデザイン、技術で普通のライダーが普通に楽しめるスポーツネイキッド、というもの。言い換えれば、極めて自由で健全なスタンダードス...
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引き算無しの全方位正常進化!「BRIDGESTONE BATTLAX SPORT TOURING T31」
ウェット路面にもドライでのスポーティな走りでもグリップ力を向上させた「バトラックス・スポーツツーリング T31」!
造る側にとって「ツーリングスポーツタイヤ」というのはなかなか厄介だ。ツーリングユースでの癖の無さ、耐久性に加え、スポーツライディングでの確かなグリップ力を両立しなければならない。
このブリヂストンT31はT30EVOの後継モデル。T30EVOはコンパウンドでウェット性能を稼いだオールマイティタイヤで、ツーリングタイヤとしてはかなり傑出したスポーツ性能も発揮する。国産のツーリングスポーツやビッグネイキッドモデルがOEMタイヤとして採用するタイヤだ。T31のトレッドゴムはフロン...
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人気の“ロッコル”が大きく進化! 「PIRELLI DIABLO ROSSO CORSAⅡ」
全性能を連携して変更し“Ⅱ”へと進化‼
ピレリのディアブロ・ロッソ・コルサと言えば、レースだけでなく、サーキット走行会などのハードユースのライダーに絶対的な支持を受けているタイヤだ。このタイヤ、支持される理由はたくさんある。その理由のひとつは、メガスポーツや大型のネイキッドモデルなど重たいバイクであろうとフルバンク時の高荷重に耐えてリニアなコーナリング特性を維持できること。それでいて、軽量、ハイパワーなスーパースポーツモデルの深いリーンアングル、超高速コーナリングで強力なグリップ力や旋回フォースを発揮する。しかもそのグリップレベルがほぼレーシングタイヤなみ。
ライン変更するときなどのタイ...
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<試乗インプレ>ついに国内デビュー! 最強最速のGTスポーツ!KAWASAKI NINJA H2 SX SE
過給エンジン特有の獰猛さを巧みに調教!
H2の魅力は、その個性的なフォルムと天井知らずのパワーを発揮する過給エンジン。それが生み出す強烈な瞬発力と、SS顔負けの走りもこなす高いスポーツ性能は圧巻。車体の適応力が高く、ハンドリングも扱いやすいが、過給エンジンは思い通りに力を制御するのに慣れがいる。なにしろ、ちょっとイジれば300PS近くを発揮する余力を持ったエンジン。クセがあるのは当然だ。
そんなH2の「ツーリングスポーツ」バージョンがH2SX。正直、最初は「H2の走りを知る者にとって、ツーリングスポーツなんて…」と思っていた。だって、SXの姿はほぼH2。ちょっと特殊なバイクだろ! と思っ...
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<試乗インプレ>スポーティさと個性を磨いた魅惑のラリースタイル! SUZUKI SV650X ABS(2018年)
精悍に変わったルックスと節度あるハンドリングが光る
このSV650X、SV650の外装を少し変えただけとは思えない変身ぶりだ。レトロテイストのビキニカウルとセパハンの採用で雰囲気は勇ましくなり、ルックスにレトロともスポーティともとれるスパイスが利いていて、とてもいい感じだ。
もともと、SV650は軽快なハンドリングとパンチのあるパワフルなエンジンが魅力のミドルスタンダードスポーツ。このクラスはツーリングやちょっとしたスポーツができる手頃なバイクとして欧州で大人気。レベルの高い万能性と扱いやすさを持っている。ライポジと雰囲気を変えたこの「X」も、基本的にはそのキャラクターを継承する。足回り...
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どうしても欲しくて個人輸入、希望も絶望も味わった最後の空冷Z【KAWASAKI GPz1100(1983年)】
忘れられないバイクはGPz1100。同世代の機種と比較して何か光るものがあるか? と思い起こしてもあまり浮かばない。むしろ、同時に登場した750ターボの方が華があった。このバイクの試乗会はFISCOで、かの750ターボと一緒に行われた。あの頃のFISCOのストレートは路面が荒れていて、200㎞/hオーバーでも振られずに真っすぐ走れる市販車は1100カタナくらい…と言われていた。
そこをGPz1100は、カタナよりずっと安定して、遥かに速くコーナリングしてみせた。トルクフルでパワーは自由自在。小柄でよく曲がるが、パワー制御が厄介だったターボとほぼ同じか、少し速いタイムで周回できた。このパワ...
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「Z vs XSR vs CB ライバル比較」ワインディング編
素直なZ900RS、強烈なXSR900に重厚感を楽しめるCB1100RS
まず、3台とも今をときめく現行車なので、どれもしっかり「スポーツ」はできる。多少コースを選り好みするヤツもいるが、ちゃんと操れば素直なので、峠道が楽しい。流すような走りから、高回転域で回し続けて遊ぶことだってできる。ただ、甘かったり、塩味だったり、酸味がきいていたりと、個々のバイクで「味」が違うだけだ。「味」については誌面から想像してもらうしかないが、走りのポテンシャルや速さは? ということなら、答えは簡単だ。
速さであればXSRが際立つ。もっともクイックでよく曲がるし、車体が軽い上に高回転域には強烈なパワーがある...
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<試乗インプレ>インディアン SCOUT BOBBER(2018年)
優れたパフォーマンスが自慢の「ハンサム」な1台
このボバーは水冷DOHC4バルブVツイン1130㏄エンジン搭載する「スカウト」と同系エンジンを搭載するモデル。
アルミフレームや最高出力94馬力のエンジン、タンクの造形など、基本構成は同じだが、2018年モデルのボバー、スカウト系は軽さを意識してシートレールもアルミを採用。短いリアフェンダーや低めのハンドルを装着し、車高も落としてアグレッシブな雰囲気としている。ライディングポジションも、上体を低く構えて、いつでも来い、と戦闘準備をしているよう。ひと言で言うと「ワルっぽい」テイストだ。
もともと、スカウトは80年近く前に登場した初代インディア...