ホンダ「NSR250R(MC16)」(1986)の各部装備・ディテール解説
市販車をチューンしてレーサーに近づけるのでなく
レーサ-をストリートに適用させるという作り込みを細部にも

カウルステーにマウントされるメーターは左に180km/hスケールの日本精機製速度計を置き、中央に12000rpmスケールで11000rpmからをレッドゾーンとしたエンジン回転計をセット。ともに指針の開始位置が真下で、回転計は右下に水温計をビルトインする。
その下に並ぶ警告灯は左から左ウインカー、速度、オイル、ハイビーム、ニュートラル、右端は右ウインカー。その右奥にヒューズボックスが見える。ハンドルはセパレートタイプをトップブリッジ下にセットし、メーターとともにレーサー譲りと分かる部分でもある。

小型のフロントウインカーをアッパーカウル側面に張り付けるようにマウント。ヘッドライトは角型シングル、ミラーはエアロフォルムで用意に脱着できる。
また一般ユースでの使い勝手も考え、RS250Rよりやや上方に移動したハンドルグリップの位置に合わせてアッパーカウルの逃げを大きく採り、ウインドスクリーンの上端部も引き上げている。

フロントブレーキのマスターシリンダーはニッシン製横置きでレーサーに準じたリザーバータンク別体式。クラッチはワイヤ作動式。

燃料タンクはRS250Rに通じライダーが伏せやすいフラットな上面を持つが前後長を短縮して腕の自由さを作り高さを増している。右前にエア抜きパイプも備えた。タンクキャップは外れるタイプ。

シートはMVXやNSのダブルシートと大きく異なるセパレートタイプで、非常に小さく薄いタンデム側シートをシートカウル上面と同じ赤表皮としてシングルシートのように見せる斬新な手法を採った。
ライダー側シートは極薄の樹脂製シートベースに、同じく極薄の内部スポンジとレーサーで使われるフォームのように見える表皮を組み合わせた本体をセットした。ライダー側はボルト+差し込み、タンデム側はカウル後端のキー操作で脱着できた。

リヤウインカーは小型のテール/ストップランプの両脇に配する構成となっている。そのままでもかなりレーサーに近く見える上に、一体化されてすぐ脱着できるようにしている。


ステップはフレームのブラケットにシンプルなベースをマウントし、可倒式のバー上面にはラバーを配した。右ベースにリヤブレーキのマスターシリンダーも見える。右のブレーキペダルはローレット加工され、左のシフトペダルはラバーをセット。右ペダルアームは肉抜きされる。タンデムステップは短いサイレンサーステーで支持され、踏部はキックアーム先端のように細く、すべてを黒として存在感を抑える。


可能な限りのカバードフォルムもレプリカ度を十分にアピールした。左サイド中央に見える白いパーツはラジエーターのリザーバータンク。

当時のレースは押しがけスタートで、軽量性を突き詰めたい2ストロークモデルでは始動は当然だがキック式。NSRでも車体右サイドにキックアームが見える。アームはキック時に引き出し、エンジン始動後に元の位置(写真の位置)に戻すとラチェットロックによってこの位置に固定される。

フロントタイヤ後ろの整流効果と、ステアリング下側やラジエーターまわりのエア抜けを考慮した形状のフロントカウル内部が分かる。カウル内前下右に見える切り欠き部からは20度前傾で搭載されたエンジンのフロントバンクのシリンダーヘッド(プラグキャップ)が覗き、その下にもエアスリットがある。
ホンダ「NSR250R(MC16)」(1986)の主なスペック・当時価格
| 全長×全幅×全高 | 2035×705×1105mm |
| ホイールベース | 1360mm |
| 最低地上高 | 135mm |
| シート高 | 750mm |
| 車両重量 | 141kg |
| エンジン形式 | 水冷2ストケースリードバルブ90度V型2気筒 |
| 総排気量 | 249cc |
| ボア×ストローク | 54.0×54.5mm |
| 圧縮比 | 6.2 |
| 最高出力 | 45PS/9500rpm |
| 最大トルク | 3.6kgf・m/8500rpm |
| 燃料タンク容量 | 16L |
| 変速機形式 | 6速リターン |
| タイヤサイズ(前・後) | 100/80-17 52H・130/70-18 63H |
| ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
| 当時価格 | 55万9000円 |
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