今回選んだ3台は奇しくも全てがフルカウルとなった「JBOTY2026・ベスト3」。その高いパフォーマンスは魅力だが、今の時代のスポーツバイクの楽しみ方は、操った際のレスポンスの良さと、そのときの振る舞いにある。フルカウルに誘われるように峠へと足を運んだ。

小川 勤CHOICE③ ヤマハ「YZF-R9 ABS」

小川 勤の“ココに惚れた!”ポイント

・Rの顔をしっかりと継承。R25/R3のステップアップにも!

・もっと上手くなりたいとバイクが気持ちを高揚させる

・熟成の並列3気筒エンジンがついにスポーツバイクに搭載!

画像: YAMAHA YAF-R9 ABS

YAMAHA
YAF-R9 ABS

ヤマハスポーツの新しいカタチ。走るほどにR9に惹きつけられる

ヤマハスポーツの時代が動こうとしている。そしてヤマハが提示した新しい答えがYZF-R9にある。筆者は以前R9に試乗した際に『近年は、メーカー独自のスタンスを持つ程よいスポーツバイクが面白い。そしてR9はそのバランスをヤマハが究極まで高めた1台』だと評価した。

あれから時間が経ち、その意味はより鮮明になった。ヤマハYZF-Rシリーズの時代を作ってきたR1が、国内は店頭在庫のみとなったからだ。強大なパワー、レースを意識した前傾ポジション、ハードなサスペンション、シビアなハンドリング、そして高価格という方向からの転換は、メーカーとして勇気がいることだ。しかし、その英断にこそ明るい未来があると思うのだ。

R9のエンジンは2013年から熟成される並列3気筒。フレームは剛性バランスを追求した専用品でR1やR6よりも軽量な仕上がり。走り出すと、低い速度域からピュアスポーツを感じられ、しかもヤマハらしさに溢れている。

ヤマハらしさとは、3気筒という独自パッケージを使い、速さと扱う楽しさを綺麗に、そしてちょうど良いところにシンクロさせているところだ。

扱うには相応のスキルが必要だが、ライダーを突き離さずに、スキルを磨くヒントをくれるのもいい。だから、乗るほどに上手くなりたいと思える。R9には、スポーツバイクが本来持つ楽しさと、これからのヤマハスポーツの未来が同居している。


一目でわかるRのマスクに現代風ウイングレットを装備

モノアイと睨み目ポジションライトが個性的。ウイングレットは直進時は6~7%、また旋回中はフロントM字ダクト下部のスポイラーと合わせて10%程度前輪揚力を抑制。

画像1: 小川 勤CHOICE③ ヤマハ「YZF-R9 ABS」

パワーモードの他、クルーズコントロールも搭載

メーターは5インチTFT。視認性が高く、操作は直感的に行える。モードは、スポーツ、ストリート、レインがベース。カスタム1&2やトラックモードではトラクション、スライド、リフト制御を個別設定できる。

画像2: 小川 勤CHOICE③ ヤマハ「YZF-R9 ABS」

トルクフルな並列3気筒をR9専用にアレンジ

着実に熟成を進め、扱いやすさと楽しさを磨き続けているエンジン。近年は、ライダーに届く音の質にもこだわる。官能的なサウンド作りはとてもヤマハらしい試みだ。

画像3: 小川 勤CHOICE③ ヤマハ「YZF-R9 ABS」

ライディングポジション・足つき性

シート高:830mm
ライダーの身長・体重:165cm・68kg

ポジションや足つきは、キャリアによって感じ方は様々。R1やR6と比較すれば比較的楽だが、R25、R3などと比較すれば相応にキツい。タンクは短めで、シートは前後方向に動きやすく、積極的にスポーツライディングを楽しむことができる。

画像3: ライディングポジション・足つき性

ヤマハ「YZF-R9 ABS」主なスペック・燃費・製造国・価格

全長×全幅×全高2070×705×1180mm
ホイールベース1420mm
最低地上高140mm
シート高830mm
車両重量195kg
エンジン形式水冷4ストロークDOHC4バルブ並列3気筒
総排気量888cc
ボア×ストローク78.0×62.0mm
圧縮比11.5
最高出力88kW(120PS)/10000rpm
最大トルク93N・m(9.5kgf・m)/7000rpm
燃料タンク容量14L(無鉛プレミアムガソリン指定)
変速機形式6速リターン
キャスター角22°35′
トレール量94mm
ブレーキ形式(前・後)油圧式ダブルディスク・油圧式シングルディスク
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17M/C(58W)・180/55ZR17M/C(73W)
乗車定員2名
燃料消費率 WMTCモード値20.9km/L(クラス3・サブクラス3-2)1名乗車時
製造国日本
メーカー希望小売価格149万6000円/159万5000円(70周年記念モデル)(消費税10%込)

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