文:中村浩史、迫田秀正、H&L PLANNING 写真:平野輝幸、松川 忍、H&L ARCHIVES
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ヨシムラ「KATANA 1135R」解説

YOSHIMURA
KATANA 1135R
2001年
1982年のAMAスーパーバイク、そして1995年から始まった鈴鹿NK-1と、カタナでもレースを戦ってきたヨシムラ。
一般ライダーにも長く愛されてきたカタナだが、2000年にスズキが1100台限定となるファイナルエディション(SY)をもってGSX1100Sの生産終了を宣言、これを機に公道用コンプリート車のプランが立ち上げられ、2001年4月の東京モーターサイクルショーで初披露されたのが、ここに紹介する刀1135R(カタナ・イチイチサンゴーアール)だ。
ハヤブサX-1と入れ替わるようにして生産がスタートしたこのスペシャルマシン、販売台数が5台と極端に少ないのは、ヨシムラが確保できたファイナルエディションがそれだけだったという、至極シンプルな理由からだ。
購入するには必要事項を記載した書類を同社に郵送、希望者が多数の場合には抽選という高いハードルが設けられ、結果的に競争率は6倍を超えたとのこと。
隼X-1より100万円以上も高い358万円という価格が付けられたが、使われたパーツや施された内容から考えると、むしろバーゲンプライスといっても過言ではなく、実際これでも利益はまったく出ないという。ヨシムラのカタナに対する思い入れが余すところなく盛り込まれた名刀である。
ヨシムラ「KATANA 1135R」各部装備・ディテール解説
ホイール径は前後17インチ。キャスター角を立ててスイングアームを交換したことで、ホイールベースはノーマルの1515mmから1480mmとショート化。この数値はハヤブサと同一。ディメンションは前下がりに見えるが、これはテールアップの視覚的効果が大きく、乗車姿勢はほぼノーマルと同じだった。なお、スイングアームは試作車のみTTF-1用改で、他は同形状の量産型だ。

乾燥重量は197.8kgを公称。ガソリンなしでの本誌実測重量はSTDより45kgも軽い202kgだった。カラーはこの黒のみ。ホイールはビトーR&D製マグネシウム鍛造ホイール・マグタンのJB2で、サイズは純正1.85-19/2.50-17からフロントが3.50-17、リヤが5.50-17となった。納車時に履いたタイヤはダンロップD208でサイズはF:120/70ZR17、R:180/55ZR17。

燃料タンクとシートを外した状態。製作にあたって、完全に単体としたフレームには計14カ所に補強が加えられた。その位置や方法はカタナNK-1レーサーを踏襲したとのことだが、そのルーツはAMAスーパーバイクレーサーとも言えた。

その後フレームは粉体塗装のガンメタリック仕上げを受ける。フロントフォークはGSX-R600用Φ45mm(GSX1100S純正はΦ37mm)をカタナに合わせてインナーチューブを延長、にカートリッジ内上下のバルブを独自開発のFFVS(フリーフォーク・バルビングシステム)に変更して作動性を高めた。さらにオイルの粘度や油面高さも調整している。
正面からの姿はほぼノーマルと言えるだが、ノーマル3.50-19(100/90-19)から120/70ZR17のブリヂストンBT002ストリートに変わったことでフロントタイヤが太く見える。

リヤタイヤは4.50-17(130/90-17)から180/55ZR17へ。テールランプも高くセットされ、テールアップされたと分かる。

アルミ3次元加工の削り出しトップブリッジにはヨシムラのロゴがレリーフ加工されており、車名の1135R、001~005の車両番号(シリアルナンバー)が入る。前後17インチ化に合わせてフォークオフセットもカタナ純正の50mmから35mmに設定。このトップブリッジのフォーククランプ部はミラーステーのマウントも兼ねていた。


