写真:南 孝幸 文:太田安治、webオートバイ編集部
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ホンダ「CB750 HORNET E-Clutch」インプレ(太田安治)

HONDA
CB750 HONET E-CLUTCH
総排気量:754cc
エンジン形式:水冷4ストロークOHC4バルブ並列2気筒
シート高:795mm
車両重量:196kg
価格:114万9500円
電子スロットルモデルが付いた初のEクラッチ仕様
エンジンの排気量が400ccから900ccまでのオートバイは「ミドルクラス」と呼ばれている。日本国内では大排気量指向が根強く、大型二輪免許が必要なこともあって人気のセグメントとはなっていないが、現実的な使用環境には最適なクラスと捉えているライダーは多い。僕も試乗するたびに「これぐらいがちょうどいい」と改めて実感する。

CB750ホーネットはストリートファイター要素を採り入れたネイキッドスポーツ。軽快でキレのあるハンドリングと、くっきりしたパワーフィールで市街地から峠道まで車名のホーネット(スズメバチ)に相応しい俊敏さを見せる。
ライディングモードを「スポーツ」に設定すれば、スロットル操作だけでフロントホイールを浮き上がらせる強烈な加速力を発揮するが、出力特性とエンジンブレーキの強さ、トラクションコントロールの介入度を個別に設定することもでき、本気のスポーツライディングから濡れた路面の公道走行まで、走行シーンを問わないオールラウンダーぶりも備えている。
それだけにEクラッチ仕様の登場に驚きはない、というより当然の流れだと思う。クラッチの断続を自動制御するEクラッチは、スポーツ性をスポイルすることなくイージーライディングを可能にするからだ。
クラッチ操作はEクラッチモードがデフォルト。発進時はニュートラルからクラッチレバーを握らずにシフトペダルを踏み込むため最初は途惑うが、ついクラッチレバーを握ってもマニュアル操作に切り替わるだけなので問題はない。Eクラッチはアイドリング回転より少し高い1500回転付近で作動し始め、スロットル開度や車速に応じて半クラッチ状態から完全ミートまでを自動制御してくれる。
シフターが標準装備されているのでギアチェンジはシフトペダルを上下させるだけ。シフトアップ時は駆動力をカットすることでスムーズに変速する。と、ここまではCBR650Rやレブル250に搭載されているEクラッチと同じ。

しかしホーネットはTBW(スロットル・バイ・ワイヤ)、いわゆる電子スロットルを採用しているので、シフトダウン時に燃料噴射量を瞬間的に増やして回転を上昇させる「ブリッピング」も入る。加減速はスキルの高いライダーなみにスムーズだ。
さらにクラッチユニットにはアシスト&スリッパー機構も採用されているから、乱暴なシフトダウン操作を行ってもブリッピングと半クラッチ制御が協調してリアタイヤのロックやホッピングを防いでくれる。ゼロ発進から急加速、急減速のすべてにおいてライダーはクラッチ操作から完全に解放されるシステムは、TBWだからこそなし得たのだ。
となれば、アクチュエーターでシフトドラムを動かせばシフト操作も不要な完全オートマチック変速へ発展する。ホンダにはDCTというオートマチック機構があるだけに、今後の展開、棲み分けがどうなっていくのか興味深い。
