協力:バイカーズステーション(遊風社)
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スズキ「GSX-R(GK71B)」(1984)各部装備・ディテール解説
ヘッドライト回り

丸目2灯ヘッドライトのハーフカウルは当時の耐久レーサーを彷彿させるもので、GSX-R発売時点では他に採用しているモデルはなく、そのスタイルは実に新鮮に映った。フロントウインカーもビルトインタイプでスマートに処理されている。ヘッドライトは12V35/35W(50~60W時代の前だ)×2。
コクピット

ハンドルは左右セパレートタイプで、アッパーブラケットの上側にクランプされる。1980年代後半のレプリカモデルはどんどん本物のレーサーに近づくが、それ以前はこうした作りが多く、ライディングポジションはより実用的だ。3連メーターはマウントがレーシーなスポンジ。
文字盤は初期型はダークカラーだったが、2型でホワイトに変更された。速度計は180km/hスケールで、オド/トリップメーターを内蔵。指針は真下が0km/h。エンジン回転計は真下の3000から13000rpmまでが目盛られるレーサー的なもので、12000rpmからがレッドゾーン。
右側は水温計で、メーターパネル下部にはウインカー、ニュートラルほかのパイロットランプが並ぶ。またフレームパイプに沿った下端形状を持つ燃料タンクはコンパクトでスリムな作りだが厚みがあり、18.0Lと400ccとしては十二分な容量が確保されている。キャップはフラットなエアプレーンタイプの埋め込み式で上面はフラット。その前にはブリーザーホース用の樹脂製キャップも備わる。
フレーム&エンジン

MR-ALBOX(マルチリブ・アルミボックス)フレームに搭載される水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブエンジンは、1年前の1983年春にデビューしていたGSX400FWが元。だが実質はまったくの新設計で、吸排気バルブの大径化や圧縮比アップがされ、ピストンとコンロッドの軽量化、シリンダーおよびクランクケースの肉抜きなども施されて、エンジン単体重量でFWより10kg以上軽い。

アルミフレームもさることながら、このエンジンが車重の軽減に大きく貢献した。もちろん性能向上も大幅で、φ53.0×45.2mmのボア×ストローク、398.9ccの排気量はFWと共通だったが、最高出力59PS/11000rpm、最大トルク4.0kgf・m/9000rpmと、FWに対して9PS、0.4kgf・mの性能向上を果たし、クラストップの高性能(59PSは自主規制によって横並び。だから軽さが効いた)を誇った。
フロントサスペンション&ブレーキ

フロントブレーキはΦ236mmのソリッドディスクと対向4ピストンキャリパーのセットをダブルで装備。インナーチューブΦ36mmのANDF付きフロントフォークに張られるデカール、DECA PISTON(デカピストン)は、リヤキャリパーの2個を含め、全部で10個のキャリパーピストンを持つことを表す。前輪はスズキが当時の流行の先鞭を付けた16インチ(ホイールは6本スポークで2.15-16サイズ)で、タイヤは100/90-16。
リアサスペンション&ブレーキ

リヤブレーキはΦ210mmソリッドディスクと対向2ピストンキャリパーのセット。リヤホイールは2.15-18インチで、タイヤは110/90-18と、レプリカでもまだ細い時代だ。純正タイヤはダンロップのK300など数種。スイングアームフレーム同様にリブを持ったもアルミ製で、角型断面タイプだ。

ラバーを持たないステップバーはアルミ製で、ペダル類やステップホルダーも同じくアルミ。また、4-1マフラーのサイレンサーにもアルミ材を採用して軽量化を促進。アルミ製のパーツ類は軽いだけでなく見た目の質感も高い。

リヤサスペンションはショックユニットを上下から押すリンク式のフルフローターで、左側ステップ上に装備されるノブによって、初期荷重が5段階に調整できる(RCPL=リモート・コントロール・プリ・ロード)。減衰力調整機能はない。
シート

ダブルタイプのシートは細長く、尻を包み込む感じはないが体重移動はしやすい。シート高は780mmで、足着き性は良好。シートのタンデム部は小さい。テールカウルは後端が絞られ、フロント同様にビルトインされるリヤウインカーのデザインもユニークだ。
