1984年の初期型デビューから7年と当時としては長い歴史を積み上げてきたGSX-R400シリーズ。
その最終型は1993年モデルでカラーリング変更を行いながら1995年まで継続されカタログから姿を消した。ここに紹介する1990年型はその最終モデルの直前に位置する6代目で、大きく構造を改めたアルミフレームが最大の識別点となる。
写真:平野輝幸/まとめ:岡本 渉/協力:バイカーズステーション、佐藤康郎、H&L PLANNING
※本記事は2025年7月2日に発売された『レーサーレプリカ伝 4ストローク編』の内容を一部編集して掲載しています。

スズキ「GSX-R400R(GK76A)」(1990年)の各部装備・ディテール解説

画像: 2灯式ヘッドライトをフロントカウルにつながるクリアのカバーで覆い、アッパーカウル先端をスラント化したのが6型の外観上の特徴。タイヤは、フロントは120/60R17から不変だが、リヤは150/60R17→160/60R17と太くされる。軸距は1375mmを維持し、乾燥重量は5型から2kg増の167kgを公称。

2灯式ヘッドライトをフロントカウルにつながるクリアのカバーで覆い、アッパーカウル先端をスラント化したのが6型の外観上の特徴。タイヤは、フロントは120/60R17から不変だが、リヤは150/60R17→160/60R17と太くされる。軸距は1375mmを維持し、乾燥重量は5型から2kg増の167kgを公称。

画像: 全長/全幅/全高は、1990/695/1105→1995/710/1060mmに変化。5mm長く、15mm広く、45mm低くなる。前面投影面積は3%減少し空力特性が向上。乗車姿勢は、グリップが低く前方に、ヒップ/フットポイントが高く前方に移動され、ライダーが重心に接近。

全長/全幅/全高は、1990/695/1105→1995/710/1060mmに変化。5mm長く、15mm広く、45mm低くなる。前面投影面積は3%減少し空力特性が向上。乗車姿勢は、グリップが低く前方に、ヒップ/フットポイントが高く前方に移動され、ライダーが重心に接近。

画像: アルミ製ダブルクレードルフレームは、ヘッドパイプとスイングアームピボットプレートは鋳造品、燃料タンク下のレールは押し出し材を使用。高張力鋼管のシートレールをボルト留めする。フロントフォークは倒立となり、正立を100とした場合に対し曲げが150、ねじりが146という剛性を獲得。 トップキャップにプリロードの調整機構を配する。アルミ製スイングアームは上部にあったサブフレームを廃止。下部にリンクを持つリヤショックは、プリロードが7段階、伸び側減衰力が4段階に調整可能だ。

アルミ製ダブルクレードルフレームは、ヘッドパイプとスイングアームピボットプレートは鋳造品、燃料タンク下のレールは押し出し材を使用。高張力鋼管のシートレールをボルト留めする。フロントフォークは倒立となり、正立を100とした場合に対し曲げが150、ねじりが146という剛性を獲得。

トップキャップにプリロードの調整機構を配する。アルミ製スイングアームは上部にあったサブフレームを廃止。下部にリンクを持つリヤショックは、プリロードが7段階、伸び側減衰力が4段階に調整可能だ。

画像: Φ100mmと小径なヘッドライトを2個並べる。

Φ100mmと小径なヘッドライトを2個並べる。

画像: 18000rpmが上限で15000rpmからレッドゾーンの回転計を中央、180km/hスケールの速度計を左端に置くメーターは先代と同様。

18000rpmが上限で15000rpmからレッドゾーンの回転計を中央、180km/hスケールの速度計を左端に置くメーターは先代と同様。

画像: バルブステム径をΦ4.5→Φ4.0mmとしてバルブスプリングテンションも弱め、トータルで慣性重量を20%軽減し吸気ポートの角度を22→39度(水平面から)に立てて吸入経路をストレート化する変更を実施。限界回転数を1300rpm高めた。

バルブステム径をΦ4.5→Φ4.0mmとしてバルブスプリングテンションも弱め、トータルで慣性重量を20%軽減し吸気ポートの角度を22→39度(水平面から)に立てて吸入経路をストレート化する変更を実施。限界回転数を1300rpm高めた。

画像: 水冷4気筒エンジンは、Φ56×40.4mmのボア×ストロークより398.0ccを得るのは不変だが、ロッカーアームをバルブ2本あたり1本からバルブ1本につき1本に変更。

水冷4気筒エンジンは、Φ56×40.4mmのボア×ストロークより398.0ccを得るのは不変だが、ロッカーアームをバルブ2本あたり1本からバルブ1本につき1本に変更。

画像: カートリッジ式オイルフィルターの基部に冷却水を循環させ、潤滑油の温度を下げる水冷式オイルクーラーを新たに採用。ラジアルフローラジエーターはこれまでのV型からU型に形状を変更。風の通りをよくして冷却性能を高めている。

カートリッジ式オイルフィルターの基部に冷却水を循環させ、潤滑油の温度を下げる水冷式オイルクーラーを新たに採用。ラジアルフローラジエーターはこれまでのV型からU型に形状を変更。風の通りをよくして冷却性能を高めている。

画像: SP仕様はサイドカウルにDリング付きのクイックリリースを使用。

SP仕様はサイドカウルにDリング付きのクイックリリースを使用。

画像: 負圧式キャブレターは新作で、半円形の樹脂製スライドバルブを使うのは同じだが、ボア径をΦ32mmから1989年型のSP仕様と同じΦ33mmに拡大。

負圧式キャブレターは新作で、半円形の樹脂製スライドバルブを使うのは同じだが、ボア径をΦ32mmから1989年型のSP仕様と同じΦ33mmに拡大。

画像: フロントディスクはΦ290→Φ300mmと10mm大径化された。

フロントディスクはΦ290→Φ300mmと10mm大径化された。

画像: 対向の前後キャリパーやΦ210mmリアディスクは従来と同じ。

対向の前後キャリパーやΦ210mmリアディスクは従来と同じ。

画像: 前後ショックは全調整式に高機能化され、フロントフォークの下端部には圧側減衰力の調整部を備える。伸び側はフォークトップキャップにあるスクリューで変更できる。

前後ショックは全調整式に高機能化され、フロントフォークの下端部には圧側減衰力の調整部を備える。伸び側はフォークトップキャップにあるスクリューで変更できる。

画像: リアショックは別体式ガス室を持つ。

リアショックは別体式ガス室を持つ。

スズキ「GSX-R400R(GK76A)」(1990年)の主なスペック・当時価格

全長×全幅×全高1995×710×1060mm
ホイールベース1375mm
最低地上高125mm
シート高750mm
車両重量167kg(乾燥)
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量398cc
ボア×ストローク56.0×40.4mm
圧縮比12.0
最高出力59PS/12500rpm
最大トルク4.0kgf・m/10000rpm
燃料供給方式キャブレター(BDST33)
燃料タンク容量16L
変速機形式6速リターン
キャスター角25゜
トレール量94mm
ブレーキ形式 前・後Φ300mmダブルディスク・Φ210mmディスク
タイヤサイズ(前・後)120/60R17・160/60R17
当時価格(1990年)73万9000円

写真:平野輝幸/まとめ:岡本 渉/協力:バイカーズステーション、佐藤康郎、H&L PLANNING
※本記事は2025年7月2日に発売された『レーサーレプリカ伝 4ストローク編』の内容を一部編集して掲載しています。

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