4代目で大きくステップアップを果たしたGSX-R400は1989年型でリアタイヤを17インチ化すると
ともにワイド化も果たし、スイングアームも高剛性化する一方でジオメトリーを変えないように配慮しポテンシャルを高めた。マイチェンながらも車名がRRとなったように5代目を名乗れる存在だ。
まとめ:岡本 渉/協力:バイカーズステーション、佐藤康郎、H&L PLANNING
※本記事は2025年7月2日に発売された『レーサーレプリカ伝 4ストローク編』の内容を一部編集して掲載しています。

スズキ「GSX-R400R(GK73A)」(1989年)の概要

画像: SUZUKI GSX-R400R 1989年 総排気量:398cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:730mm 車両重量:165kg(乾燥) 当時価格:72万9000円

SUZUKI
GSX-R400R
1989年

総排気量:398cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:730mm
車両重量:165kg(乾燥)

当時価格:72万9000円

GSX-R400の1989モデルは、GSX-R250Rと同じく末尾にRをひとつ追加したGSX-R400R(通称“RR”)という名前で登場。エンジンから車体まわりまで、各部にわたって細かな変更を受けた。最初に目に付くのはスイングアーム上側に補強材としてサブフレームが追加されていることだ。これで1988年型比で20%剛性を向上した。

リアタイヤは18→17インチに小径化され、140/60R18→150/60R17の超偏平ワイドラジアルを採用。フロントは同径だが110/70R17→120/60R17とワイド化。このタイヤ関係のリセッティングは、1988年型の、うまく扱えば鋭い旋回性で強烈な方向転換ができるが、乗り方を間違えると難しさが出るという性格を改善するものだった。

車体ジオメトリーは基本的には変えずタイヤの幅とクラウン形状のセッティングでの修正を試みたため、キャスターやトレールは変わらず。そのためタイヤ径変化による微妙な車高変化に対応して、リアサスのリンクロッドを2mm下げ、リヤアクスル位置を8mm下げた。

リンク比は変わらずバネレートはフロントで10%、リアで13%高め、ダンパーセッティングも先代の誤差範囲内という微妙なレベルでともに上げられるなど、手抜きはない。

エンジンは基本的に1988年型を継承しながら、インテークマニホールドに手を加えて吸気抵抗を軽減、扱いやすいレスポンスを維持しながら高回転でのパンチは強化された。こうしてニューGSX-Rはこれまで以上に強力になり、狙っていた融通の効く素直なハンドリングも手に入れた。

普通の道を満足に走るようにも作られ、スズキが誰にでも意味があるようにセッティングし、速くもしてくれたという印象の1台となった。

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