写真:平野輝幸
スズキ「GSX-R400(GK73A)」の概要

SUZUKI
GSX-R400
1988年
上掲のマシンは1988年3月に発売された4世代目。塗色は、青×濃紺×白のブルー・ホワイトツートンと、赤×濃紺×白のレッド・ホワイトツートーンに加え、車体色および前後輪も黒にしたブラックの3種。価格は3型から据え置きの69万9000円で、クロスミッションやシングルシートカウル、インナーロッド式フロントフォーク、別体式タンク付きリヤショックを備えるSP仕様は73万9000円(ブルー・ホワイトツートンのみ)。日本での年間販売計画はヤマハFZR400と同じ1万2000台だった。
1984年に登場したGSX-R(GK71B)は翌年のわずかな変更を得た2型の後、1986年に空油水冷のSATCS採用エンジンとヘッドパイプとスイングアームピボットを直線的に結ぶDC-ALBOXフレーム、角型ヘッドライトを組み合わせた3型(GK71F)に進化。翌1987年型ではヘッドライトを丸形2灯に戻し、吸排気系や前後足まわりを見直し、車名もGSX-R400に改めた。
そして1988年、4代目GK73Aが登場する。フレームは新設計DC-ALBOXとなって剛性を50%高めた。足まわりはフロントフォークがΦ38→41mmに大径化し、ホイールは1987年型からの3.00-17/4.00-18サイズを継続するが、リヤサスはニューリンク式フルフローターとなって、フロントには異径4ピストンのブレーキキャリパーが採用されるなどの改良が施された。
エンジンはΦ56×40.4mmにショートストローク化。4連スリングショットキャブやストレートに外気を導入するSCAIを新採用、また低中速トルクを向上させる排気システムSPESを1987年型から継承し、全域での特性を良化している。
また、この型からスポーツプロダクション仕様車(SP)を設定した。クロスミッション、シングルシートカウル、伸側/圧側調整機構付インナーロッド式フロントフォーク、別体タンク式伸側/圧側減衰力調整リヤショックなどを採用した。
SP400スポーツキット

SP400スポーツキットは、ラジエーターやシングルシートカウルなどオプショナルパーツも数多く用意された。上の写真はそれらを取り付けた車両だ。

このキットは当時、15万5000円(税抜き)の特別価格で販売された。
SP400スポーツキットは、ドライブ/ドリブンスプロケットやチェーン、ライダー用シート、キャブレターのジェットやニードル類、エアファンネル、前方に気筒間を連結するサブチャンバーを備えるエキゾーストパイプと、アルミ製シェルを備えるツインサイレンサー、ネーム用のステッカーで構成されるセット。
豊富な写真と非常に詳しい文章で、モデルの特徴を伝える第4世代GSX-R400のカタログ


