「サーキットで培った技術をユーザーに還元する」という方針の下、GSX1300Rハヤブサをベースに組み上げられた・ハヤブサ X-1。その誕生に至る経緯や、Xフォーミュラの技術が存分に生かされた各部の装備・ディテールを深掘りする。
まとめ:オートバイ編集部/協力:RIDE編集部

ヨシムラ「HAYABUSA X-1」各部装備・ディテール解説

画像: XフォーミュラをGSX1300Rハヤブサを基に作り上げたレーサーで戦うことで得られた技術を、ユーザーに反映させるとの考えから生まれたスペシャルマシンがヨシムラハヤブサX―1。外装を自社製に換装、エンジンをチューンアップ、前後ショックをリセッティングするなどのメニューが盛り込まれている。上記車両はプロトタイプだが、オプションのクロスミッションを装着する以外は量産型とほぼ同じである。

XフォーミュラをGSX1300Rハヤブサを基に作り上げたレーサーで戦うことで得られた技術を、ユーザーに反映させるとの考えから生まれたスペシャルマシンがヨシムラハヤブサX―1。外装を自社製に換装、エンジンをチューンアップ、前後ショックをリセッティングするなどのメニューが盛り込まれている。上記車両はプロトタイプだが、オプションのクロスミッションを装着する以外は量産型とほぼ同じである。

画像: 2000年のシーズン後に撮影したヨシムラの全日本仕様。自社製カム/アルミ鍛造ピストンなどでチューンされたエンジンは、高い耐久性も誇った。車体ではステアリングヘッドを改造してホイールベースを20mm短縮、キャスターは0.5°立つ。バンク角を増やすため、スイングアームピボットも下方に移動。撮影車の重量は、純正の車体と比べて51.5kgも軽かった

2000年のシーズン後に撮影したヨシムラの全日本仕様。自社製カム/アルミ鍛造ピストンなどでチューンされたエンジンは、高い耐久性も誇った。車体ではステアリングヘッドを改造してホイールベースを20mm短縮、キャスターは0.5°立つ。バンク角を増やすため、スイングアームピボットも下方に移動。撮影車の重量は、純正の車体と比べて51.5kgも軽かった

画像: アッパーカウルをはじめ、アルミタンク、シングルシートカウル、アンダーカウル類はX-1専用品。各カウルはFRP製で、アッパー3.6kg、シート3.6kg、アンダー1.8kgで、タンクは4.5kgと軽量に仕上がっていた。

アッパーカウルをはじめ、アルミタンク、シングルシートカウル、アンダーカウル類はX-1専用品。各カウルはFRP製で、アッパー3.6kg、シート3.6kg、アンダー1.8kgで、タンクは4.5kgと軽量に仕上がっていた。

画像: 左のロービームをHIDバルブ、右のポジションライトを内蔵するハイビームをハロゲン球とする2段式ヘッドライトは、自作プレートにヘラ(Hella)の製品を並べたもの。これを支持するステーはアルミ製で、写真のプロトタイプでは黒塗装だが、量産型はブラックアルマイトとなっていた。

左のロービームをHIDバルブ、右のポジションライトを内蔵するハイビームをハロゲン球とする2段式ヘッドライトは、自作プレートにヘラ(Hella)の製品を並べたもの。これを支持するステーはアルミ製で、写真のプロトタイプでは黒塗装だが、量産型はブラックアルマイトとなっていた。

画像: エンジンには吸気ポートから吸排気バルブの軽量化、擦り合わせ、鏡面加工などのヨシムラチューンが施される。排気量は純正の1298.6cc(81.0×63.0mm)でも、前記のチューンアップや後述する排気系の換装により、175PS/9800rpmから193PS/10000rpm(ともにクランクでの公称値)へと引き上げられた出力を上げる一方で街乗りにも使える特性を与えることがX-1の基本方針となっており、レーサーで得られた膨大なデータの中から、最適な手法を選んでメニューが決定された。

エンジンには吸気ポートから吸排気バルブの軽量化、擦り合わせ、鏡面加工などのヨシムラチューンが施される。排気量は純正の1298.6cc(81.0×63.0mm)でも、前記のチューンアップや後述する排気系の換装により、175PS/9800rpmから193PS/10000rpm(ともにクランクでの公称値)へと引き上げられた出力を上げる一方で街乗りにも使える特性を与えることがX-1の基本方針となっており、レーサーで得られた膨大なデータの中から、最適な手法を選んでメニューが決定された。

画像: 排気ポートの連結部はテーパー状、それ以降をΦ42.7mmとしたチタンエキパイを4-2-1で集合させ、トライオーバルサイレンサーを後端に据えるEX.システムは、高出力化は元より、純正の14.5kgに対し4.7kgと軽量で、特に後部の車重削減に貢献。

排気ポートの連結部はテーパー状、それ以降をΦ42.7mmとしたチタンエキパイを4-2-1で集合させ、トライオーバルサイレンサーを後端に据えるEX.システムは、高出力化は元より、純正の14.5kgに対し4.7kgと軽量で、特に後部の車重削減に貢献。

画像: ホースをヨシムラ・スピードフローに、フロントのみパッドを特製品に換装していること以外は、前後ブレーキからホイールまでは純正品。ただし、Φ43mm倒立式フォークは、オイルロックピースを交換し、ピストンバルブシムの設定や油面位置を変更するほか、プリロードを5→7ライン目、伸び/圧減衰力を3 /9 →8 /8(ともに最強からの戻しクリック数)と、セッティングを改めた。

ホースをヨシムラ・スピードフローに、フロントのみパッドを特製品に換装していること以外は、前後ブレーキからホイールまでは純正品。ただし、Φ43mm倒立式フォークは、オイルロックピースを交換し、ピストンバルブシムの設定や油面位置を変更するほか、プリロードを5→7ライン目、伸び/圧減衰力を3 /9 →8 /8(ともに最強からの戻しクリック数)と、セッティングを改めた。

画像: ステップはマグネシウム製で、ポジションを4種から選べるようになっていた。表面は、プロトタイプではツヤありとなっていたが、量産型ではツヤ消しとなったそう。

ステップはマグネシウム製で、ポジションを4種から選べるようになっていた。表面は、プロトタイプではツヤありとなっていたが、量産型ではツヤ消しとなったそう。

画像: 小型のアルミ製シートレールは、メインフレームとをつなぐ片側に2本あるボルトのうち、上側を差し替えることでシート高(実測では825mm)を15mm下げられる。バッテリーや電装を受けるカバーは、量産型ではFRP製となった。

小型のアルミ製シートレールは、メインフレームとをつなぐ片側に2本あるボルトのうち、上側を差し替えることでシート高(実測では825mm)を15mm下げられる。バッテリーや電装を受けるカバーは、量産型ではFRP製となった。

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