文:小川 勤、オートバイ編集部/写真:南 孝幸
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ドゥカティ「ムルティストラーダV2S」インプレ(小川 勤)

Ducati
Multistrada V2 S
2025年モデル
総排気量:890cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒
シート高:790-810mm
車両重量:202kg
発売日:2025年1月
税込価格:230万7000円〜
重さや足つきに悩まないミドルアドベンチャー
軽量V2エンジンを搭載したNEWムルティストラーダV2は、機械式サスペンションを装備したスタンダードと、電子制御式サスペンションを装備したSをラインアップ。今回はSに試乗した。
スタンダードは前モデル比18kgも軽量化。日本仕様はローシート&ローサスペンションが標準となり、シートは2段階に変更可。さらにSの電子制御サスペンションに装備されたミニマムプリロード機能(マイナス8mm)を使えば、停車時や低速時はリアサスのプリロードを最弱にできるため、足つきに悩むことはほぼないだろう。
そして、ムルティストラーダV2Sは好みのバイクに仕立てることで、さらに豊かなアドベンチャーライフが約束される。ライディングモードはダイナミック、コンフォート、ローグリップ、オフロード。ライディングモードと連動しないサスペンションモードはスポーツ、ツーリング、アーバン、エンデューロ、ウエットを用意。
バイクの中に様々な電子制御の選択肢があり、用途やシーンに合わせることで、ムルティストラーダV2Sはさらに輝きを増すのだ。

走り出すと一瞬で身体に馴染むのは、パニガーレV2S同様。これはV2エンジンの特徴、軽さのメリットだ。アドベンチャー特有のプレッシャーはなく、とてもフレンドリー。ギアをショート化、フライホイールを重たくしたエンジンは、低速で扱いやすい。
ライディングモードもサスペンションモードも変化がわかりやすく、好みを探しやすい。ちなみにシートは高い方がハンドリングがよく、操っている醍醐味も得やすい。
バイクの大きさや重さの壁を乗り越えるのは困難だ。しかし、ムルティストラーダV2Sにその壁はない。だから、アドベンチャーライフを諦める理由もどこにもない。

パニガーレV2とムルティストラーダV2は、同系統のV2エンジンを搭載。ムルティストラーダV2は低速域での使い勝手を向上させている。