GPZ-R系列のエンジンはシリーズの生産終了から5年が経った今も、いろいろなパーツや手法の出現によって、先への可能性を広げている。ルーツとなるGPZ900Rにはその傾向が強く、今でこその弱点対策や快適性向上も見られる。それらを群馬県のブルドッカータゴス・田子敏幸さんに聞いてみた。
※本企画はHeritage&Legends 2021年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

自分の愛車の状態を知ることからでもいい

巷ではさまざまなカスタム/チューニングショップによるニンジャのカスタム手法や延命法などの情報があふれているが、読み手の皆さんの中には「ニンジャに乗っているけど、今の状態がいいのか悪いのか分からない」「何をするのがいいか分からない」という方もいるだろう。

もちろん、情報の紹介されたショップに問い合わせれば多くは解決できるはずで、ブルドッカータゴスもそうしたショップのひとつ。代表の田子さんも自らニンジャ乗りで、街乗りやツーリング等から得た経験から、多くのオリジナルパーツを送り出してきた。それは店頭で見る・買うこともできる。

画像: ▲田子敏幸さんはブルドッカータゴスをオープンして四半世紀。バイクに関する幅広い経験を、GPZ900Rを主としたバイク群にパーツや作業として続々投入している。

▲田子敏幸さんはブルドッカータゴスをオープンして四半世紀。バイクに関する幅広い経験を、GPZ900Rを主としたバイク群にパーツや作業として続々投入している。

ブルドッカータゴスの店内は各作業のスペースが広く取られている。シャシーダイナモも設置され、まず愛車のエンジンの調子を知ろうと思えばそこでチェックができる。不調があれば数値としてそれが表示され、そこから手を入れることが出来る。

それがエンジン本体だけでない場合もある。田子さんによれば「年月が経ってて、ハーネスやコイルを新しくしたら調子が良くなったという場合もあります。ですから、まずは基本的なメンテナンスがされているかを確認。それがしっかりされて、きちんと乗っているのならあまり心配はないでしょう」とのこと。もしオーバーホールでリフレッシュをしたいとなれば、有用なピストンキットもある。

画像: ▲群馬県伊勢崎市にあるブルドッカータゴス。広い構えの店内の奥にはすぐアクセスできるシャシーダイナモ室や整備場があり、さらにエンジンやキャブレター、サスペンションの作業室も備えられる。作業の効果もすぐに先のシャシダイの数値で確認できる利点があるし、調子を知るのにも好適だ。

▲群馬県伊勢崎市にあるブルドッカータゴス。広い構えの店内の奥にはすぐアクセスできるシャシーダイナモ室や整備場があり、さらにエンジンやキャブレター、サスペンションの作業室も備えられる。作業の効果もすぐに先のシャシダイの数値で確認できる利点があるし、調子を知るのにも好適だ。

「オリジナルでヴォスナー製鍛造ピストンを用意しています。純正ピストンやシリンダーは生産中止になっていますから、そこも見込んだ上での純正オーバーサイズ相当です。0.5mmオーバーサイズは広島のスペックエンジニアリングさんが作っていますから、当店では1.0mm(φ73.5mm/933cc)と1.5mmオーバー(φ74mm/945cc)を作りました。鍛造で高い精度と耐久性が得られて、ノーマルにプラスαしたちょうどいいパワーとトルクを楽しめるように。このサイズなら作業もノーマルエンジンのオーバーホールプラスαといった程度で、ガスケットもノーマルを使えますので、予算も含めて、大がかりにならずに済むんです」

ちょうどいいパワー感で長く楽しめるのは、田子さんが自らの車両でも確認済み。この1.0mm、1.5mmオーバーサイズピストンを組んで、ミッションなどもきちんと確認して組んだエンジンもコンプリートとして販売される。パワーがほしい向きには3mmオーバーサイズのφ75.5mmピストンも用意されるから、そちらも注目しておきたい。

画像: 自分の愛車の状態を知ることからでもいい

「ニンジャのエンジンは、定期的にいいオイル(タゴスではモチュール300Vまたは7100を勧める)に交換して、タペット調整もしっかり行う。それで調子を保ってもらえば、オーバーホールのタイミングまで10万kmは保ちます」と、田子さん。

蘇った元気の良さに対して確実に止まるためのブレーキディスク、サスペンションや快適ハンドル/シートなどのカスタムパーツも多数用意しているタゴス。まずは余計な心配はしないで慌てないで、愛車の様子を知るのに立ち寄ってみるのも、良さそうだ。

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ヴォスナー×TAGOS GPZ900R オーバーサイズピストンKIT

画像: ヴォスナー×TAGOS GPZ900R オーバーサイズピストンKIT

「今、ニンジャに乗っているけれど、これからへのハードルが高そう……」と思うライダーも多いかも知れない。そんな時、ブルドッカータゴスのピストンは次に進みやすくなるきっかけになり、オーバーホールプラスαの作業で組めてちょうどいいパワー感も得られる。

鍛造でノーマルから1.0mmオーバーサイズのφ73.5mm、同1.5mmのφ74mmがオーバーホール+αの作業で使え、ともに圧縮比11:0で価格は12万9800円の「ヴォスナー×TAGOS GPZ900R オーバーサイズピストンKIT」。ピストンピンへのDLCコーティング、ピストンリングへの二硫化モリブデン加工もオプションで用意される。パワフルなφ75.5mmも設定されている。

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ルックスと機能の両方に配慮したブレーキディスクも用意

画像1: ニンジャを長く楽しむきっかけを無理なく作るオリジナル鍛造ピストンキットを展開・ブルドッカータゴス【Heritage&Legends】 画像2: ニンジャを長く楽しむきっかけを無理なく作るオリジナル鍛造ピストンキットを展開・ブルドッカータゴス【Heritage&Legends】
ビッグバイクのブレーキングにも十分耐えられる機能と’70年代を思わせるクラシカルな外観を両立する、サンスターとタゴスとのコラボによるスペシャルモデルが「ネオクラシックディスクローターΦ300 SUNSTAR×TAGOS」。純正に同じΦ300mm径を持ち、厚さは5mmのホールタイプディスクでローターピンにはタゴスボールマークが入る。純正ホイール対応、価格は2枚セットで9万2400円。

画像: ルックスと機能の両方に配慮したブレーキディスクも用意

こちらは「プレミアムレーシングディスクローター φ300」。Φ300mm×t5mmでピンにBull Docker TAGOSロゴが入る。ピンはシルバー、ブラックから選べ、ともに2枚セットで8万8000円だ。

取材協力:ブルドッカータゴス

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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