現在、日本で発売されているモデルでSR400なき後、スーパーカブを除いてもっとも息が長いシリーズなのがCB400スーパーフォアシリーズ。400ccという日本独自の排気量クラスの基準でありホンダの「CBスピリッツ」を具現化した世界に誇る「ニッポンのオートバイ」だ。
文:中村浩史/写真:折原弘之

ホンダモデルの歴史に燦然と輝くスーパーヒット

画像: Honda CB400 SUPER BOL D'OR 高速道路でのタンデムが可能になったタイミングでCB400スーパーフォアに追加されたハーフカウルモデルがスーパーボルドール。400ccらしからぬ大柄な車体も人気の秘密で、スーパーボルドールにはスーパーフォアにはないETC車載器とグリップヒーターが標準装備、価格はスーパーフォアの約14万円高となっている。 総排気量:399cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:755mm 車両重量:206kg 税込価格 108万4600円:キャンディークロモスフィアレッド/アトモスフィアブルー 104万600円:ダークネスブラックメタリック

Honda CB400 SUPER BOL D'OR

高速道路でのタンデムが可能になったタイミングでCB400スーパーフォアに追加されたハーフカウルモデルがスーパーボルドール。400ccらしからぬ大柄な車体も人気の秘密で、スーパーボルドールにはスーパーフォアにはないETC車載器とグリップヒーターが標準装備、価格はスーパーフォアの約14万円高となっている。

総排気量:399cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:755mm
車両重量:206kg

税込価格
108万4600円:キャンディークロモスフィアレッド/アトモスフィアブルー
104万600円:ダークネスブラックメタリック

ホンダの400ccの名車、と言えばたくさんの車名が出てくる。ヨンフォアことCB400FOUR、ホークにCBX、CBR400F。それぞれの発売期間は、ヨンフォアが3年、ホークは4年、CBX4年にCBR3年。

それに対して、CB400スーパーフォア(SF)は群を抜いた長期間人気で、その年月はなんと30年! 完成度が高すぎて、もはや新しいバイクなんて生まれない—―って理由にもほどがある超ロングセラー。きみはスーパーカブか!

通常、ひとつのモデルが誕生すると、発売当時は当然のように大人気、けれど時間が経つと徐々に見慣れるようになって、ライバルの追撃も受けて人気が落ちはじめ、マイナーチェンジで魅力アップから人気復活、それを繰り返してとうとう新世代へバトンタッチ、ってパターンが多い。

けれどCB400SFは、発売当初こそライバルがたくさんいて、中にはカワサキZEPHYRなんてモンスターもいたけれど、次第にライバルがどんどん消えてしまって独走——ってパターン。

それにしても、人気の波が激しい400ccクラスのメインモデルを張って30年も生き続けるなんて。あと13年でSRのご長寿記録です!

その理由はもちろん、発売当時から完成度がすこぶる高かったこと。ルックスが人気で、性能がよく、400SFに乗っていることがステイタスだからだ。しかもモデルチェンジのたびごとに完成度が増していく。

高性能だからだけではなく、教習車両に使われ続けていることでもわかるように、初心者にだって扱いやすい。生まれて初めて普通二輪を買うユーザーが「教習所であんなに乗りやすかったあのバイクを」と指名買いするケースが多いのも納得できる。魅力的なモデルであり続けたからこそのロングタームヒットモデルなのだ。

画像1: ホンダ「CB400SB」解説・インプレ(2021年)【現行車再検証】
画像2: ホンダ「CB400SB」解説・インプレ(2021年)【現行車再検証】

目的と使い方を想定すると省燃費を追求すのは当たり前

CB400SFには、おそらく全年式に発売当時から乗りまくっているし、当初から群を抜いて完成度が高かったのを覚えている。カッコいいねぇ! エラい400ccが出たねぇ! と編集部のみんなで話した記憶もある。

いくら当時スゴかったって言っても現在の目で見るとねぇ……なんて評価軸も確かに存在する。けれど、400SFにそれは当てはまらない。きっと現在の私が、30年前の初期モデルに乗っても、スゴい400ccが発売されたなぁ、って驚愕すると思う。

400SF登場時の大人気モデルといえばカワサキZEPHYRだったけれど、その方向性はまるっきり違っていて、あれもいい、こっちもすごい、という感じ。そして30年が経って、400SFだけが生き残っている。これが現代の環境性能や市場の答えだ。

400SFは数々のマイナーチェンジを受けて生き続けてきた。中でも印象に残っているのは、現在の「ハイパーVTEC・Revo」ににつながったハイパーVTECモデル、それも03年に発表された、バージョンⅢ期だ。

ハイパーVTEC自体は、空冷CBR400F時代に採用された、低回転では2バルブ/高回転では4バルブに切り替える「REV」にある。その切り替えは回転域や、その時のスピード、スロットル開度を総合的に判断して行なわれるんだけれど、このバージョンⅢのハイパーVTECは「6速だけを独立させて切り替え」に変更。これは1〜5速よりも6速だけ高回転域まで2バルブで作動させるもの。ん?なんでわざわざそんな?と思ったら!

「高速道路を走っていて、6速100km/h+αまで2バルブのままだと、燃費が3km/Lくらい上がるんです」

はぁ、たった3km/Lねぇ……。

「この3km/Lで18Lタンクだと約54km。給油タイミングが、サービスエリアひとつ分、伸びるんですよ! テストで実証もしました!」

ここまで考えるか! 燃費を伸ばすだけじゃなくて、ツーリングの給油タイミング、サービスエリア間の距離まで! 400SFはスゴい!

画像: ▲のんびり走ると穏やかに回る4気筒はキンキンに回すとびっくりするほど速い! 穏やかに走るときの優しい操作性は攻めの走りでカミソリハンドリングになる。だからスーパーフォアはスゴいのだ

▲のんびり走ると穏やかに回る4気筒はキンキンに回すとびっくりするほど速い! 穏やかに走るときの優しい操作性は攻めの走りでカミソリハンドリングになる。だからスーパーフォアはスゴいのだ

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