現在、日本で発売されているモデルでSR400なき後、スーパーカブを除いてもっとも息が長いシリーズなのがCB400スーパーフォアシリーズ。400ccという日本独自の排気量クラスの基準でありホンダの「CBスピリッツ」を具現化した世界に誇る「ニッポンのオートバイ」だ。
文:中村浩史/写真:折原弘之

車両重量5kg増の400SB、それ以上に違いと魅力がある

スーパーフォアのハーフカウルバージョン、CB400スーパーボルドール(SB)は、高速道路のタンデムが解禁されたタイミングに合わせて、05年に追加されたモデル。14年には400SFともどもETC車載器とグリップヒーターを標準装備した「Eパッケージ」を追加発売したけれど、この装備は現行モデルでは400SBにのみ。これもモデルごとの取捨選択かも。

両モデルとも、基本的に乗り味は同じだけれど、厳密に言えば5kgほど400SBの方が重く、それは車体前部に装着されているハーフカウルの差だから、400SBの方がしっとり、やや安定性が大きい、切り返しにも手応えのあるハンドリングになっている。

けれど、むしろ400SBのハンドリングの方が自然で、特にツーリングシーンでは、ハーフカウルによる防風整流効果と、+5kgのしっとりハンドリングが効いていると思う。ノンカウルの400SFの方が軽快でハンドリングにキレがあるのは間違いないけれど、同じ区間を走っていて、そう差がつくほどでも、明らかに優劣がつくほどの違いでもないだろう。

そしてエンジンは、現行モデルで、私が感銘を受けたバージョンⅢからさらに進化したRevo。バージョンⅣとしなかったのは、もうこれ以上進化しようがないからかもしれない。

そのRevoは、従来のバルブ作動数切り替えが「ギアポジションとエンジン回転数」によって行なっていたものに対して、スロットル開度検知を加えて切り替えるもの。これは5速まで、同じ低回転でも「開けていく」時の低回転ならば4バルブに、同じ高回転でも「クルージング」時の回転域なら2バルブのまま。より精密な切り替えが可能になったということだ。

そしてもうひとつ。現行モデルは最新騒音規制に合わせて、ひとつ前のモデルよりもサウンドが元気なんだけれど、この2バルブから4バルブの切り替えの瞬間、明らかに音が変わる! フォーン、って4気筒のサウンドに、ある回転域でもうひとつ太い音が重なる感じで、これはハイパーVTECのバルブ切り替えをライダーに感じさせる演出。これが気持ちいい! ついついバルブ切り替え回転域付近を使って走ることになっちゃうほどで、開発スタッフ、コレ狙ったな?(笑)

アイドリングすぐ上、2000回転ほどから1万2000回転オーバーまで使える4気筒400cc。これは間違いなく歴史に残る傑作エンジンだ。

画像: 車両重量5kg増の400SB、それ以上に違いと魅力がある

総合的に判断するとCB400は100点満点!

400SBで高速道路を流してみる。トップ6速80km/hでは5000回転、100km/hで6300回転、120km/hだと7500回転。ハイパーVTEC・Revoは、6速6750回転で4バルブ作動になるので、100km/h時は2バルブ、120km/hは4バルブとなる。

高速道路の制限速度が120km/hに解禁された区間があるから、そのうち6速のみ7500回転まで2バルブ、なんてRevoⅡにモディファイされるかもしれないね。いや、冗談じゃなくて、そこまでユーザーのことを考えるモデルなのだ、CB400は。

そしてもうひとつ、400SF/400SBの特徴といえるのが、その「頑丈さ」だ。教習車と同じく、よく見かけるCB400SF/SBといえば「バイク便」があるんだけれど、ここで使用される社用車は、400SB率がかなり高い! 知り合いのバイク便ライダーの話によると、ナビやスマホ取り付けに向いているから400SBの社用車採用率が高く、普通の使い方、普通のオイル交換サイクルさえ守っておけば、走行20万kmを優に超えるCBはザラなのだという!

発進/停止を繰り返し、イグニッションのオンオフ回数が多く、1回の走行距離がそう長いわけではない、エンジンに対して厳しい条件だというのにトラブル知らず! ここにもCBが名車と呼ばれる所以がある。

試乗を終えて、よく「どうだった?」って編集部で感想を聞かれることがある。細かく説明するのが面倒だったわけではなく、簡潔に感想を申し述べた。

「ん? 100点!」

CBとは、そういうバイクだ。

画像: ▲ここまで完成度の高いものに触れると何から語れば良いのか… CB400SB、100点!

▲ここまで完成度の高いものに触れると何から語れば良いのか… CB400SB、100点!

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