アドベンチャーの「王様」であるBMWのGSの名を持つG310GS。2021年モデルはメカと装備の充実が図られ、ライドバイワイヤ機構やスリッパークラッチ、LEDヘッドライトなどを採用して大きくアップデートされている。
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸

BMW「G310 GS」インプレ・解説(太田安治)

画像: BMW G310 GS 撮影車両は40周年記念カラー 総排気量:312cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ単気筒 シート高:835mm 車両重量:175kg 発売月:2021年5月 税込価格:75万3000円~(40周年記念カラーは76万3000円~) ※75万3000円〜の車両価格には5年分の「オイル・インクルーシブ」の代金が含まれている。なしの場合は70万9000円〜。

BMW G310 GS
撮影車両は40周年記念カラー

総排気量:312cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ単気筒
シート高:835mm
車両重量:175kg

発売月:2021年5月
税込価格:75万3000円~(40周年記念カラーは76万3000円~)
※75万3000円〜の車両価格には5年分の「オイル・インクルーシブ」の代金が含まれている。なしの場合は70万9000円〜。

電制スロットル採用でパワー増強の充実進化

アドベンチャーモデルはオフロード走破性を考慮した大柄な車体に高速巡行に余裕のある大排気量エンジンという組み合わせが王道。

しかし、昨今は市街地を軽快に駆け抜け、キャンプツーリングにも気軽に出かけられる軽量級モデルも続々と登場している。なかでも、このG310GSは普通二輪免許で乗れるBMWとあって、人気も上昇中だ。

画像1: BMW「G310 GS」インプレ・解説(太田安治)

車格は250ccクラスのアドベンチャーモデルと同等だが、エンジンは312cc。同じ単気筒でも250ccのCRF250ラリーが24馬力、高回転パワーに定評があるKTMの250アドベンチャーが30馬力だから、パワーの優位性は明らか。

それを最初に感じるのはゼロ発進で、ギアを入れると自動的にエンジン回転数が上がるオートマチックアイドルブーストにも助けられ、無造作なスロットル/クラッチ操作でもスムーズに動きだす。

この新型から採用された電子制御スロットルによってインジェクションの制御がきめ細かくなり、特に4000回転台でのパワーが分厚くなって、市街地や一般道のクルージングでの扱いやすさ、力強さが増した。追い越し加速、登り坂やタンデムでは250ccとは明らかに異なる余裕を生んでいる。

6速・100km/h時は6000回転。この領域では単気筒らしい振動こそあるものの、前モデルで感じたガサ付いた振動は消えていて、長時間の連続走行も苦にならない。

画像2: BMW「G310 GS」インプレ・解説(太田安治)

フロントに19インチホイールを採用し、トレール量も多めなのでハンドリングは安定志向。寝かし込み初期、切り返し時も穏やかに反応して素直に向きを変える。余計な気を使わず走り続けられるアドベンチャーモデルに相応しい操縦特性になっている。

前後のサスペンションはソフトめの設定で、特にリアの長いスイングアームが大きく動いて、しなやかに衝撃を吸収してくれる。ストロークにも余裕があり、大きなキャリアにキャンプ道具を積んでも乗り心地は損なわれない。

標準装着タイヤは舗装路向きのパターンで、ドライでもウエットでもグリップに不満なし。ザクザク路面のオフロードは厳しいが、キャラクターに見合ったチョイスだ。

11.5L容量のガソリンタンクで、航続距離が単純計算なら400km近いことや、ワイルドなルックスのストリートバイクとして使えることも魅力。新車価格が70万円代のBMW、ということも幅広い層にアピールするセールスポイントだろう。

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