1998年に、ワインディングロード最速のコーナリングマシンとして登場したR1。世界をリードし続けるR1の変遷史を当時の試乗記をもとに振り返ってみよう。今回は2012年型を紹介する。

この記事は「東本昌平RIDE92」、月刊オートバイ1998年3月号、2000年2月号、2002年5月号、2004年4月号、2007年2月号、2009年8月号、2012年2月号/ 5月号を加筆、修正、写真変更などの再編集を施しており、一部に当時の記述をそのまま生かしてある部分があります。
文:中村浩史、宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:赤松 孝、小平 寛、瀬谷正弘、永元秀和、南 孝幸、山口真利、森山俊一

ヤマハ「YZF-R1」(2012・RN23N)インプレ・解説

画像: YAMAHA YZF-R1 総排気量:998cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 最高出力:182PS/12500rpm 最大トルク:11.8kg-m/10000rpm 車両重量(装備):206kg ※輸出車(2012年・RN23N)

YAMAHA YZF-R1

総排気量:998cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
最高出力:182PS/12500rpm
最大トルク:11.8kg-m/10000rpm
車両重量(装備):206kg
※輸出車(2012年・RN23N)

「R1らしさ」を楽しむ際の安心感を大幅にアップ!

7代目R1の最大の特徴といえば、ヤマハ初のスーパースポーツ用トラクションコントロール(TCS)の装備だ。介入度はオフを含めて7段階に設定可能で、従来からのDモード3段階と合わせて21段階ものライディングパフォーマンスが選べるようになった。

これに伴い、ECUのセッティングが見直され、低中速からのトルクの立ち上がり特性を向上。アッパーカウルの形状も変更されて、空力特性もアップしている。

画像: ヤマハ「YZF-R1」(2012・RN23N)インプレ・解説

新採用のTCSはスーパースポーツ専用だけあって、かなり煮詰められたものを搭載。DモードはスポーティなAモードを選び、TCSを最強にしていても頻繁には作動しない。TCSの作動自体も滑らかで、急激なトルク制御は行わず車体の挙動は乱れない。

クロスプレーンクランク採用のエンジンとも相性が良く、スロットルを開けて旋回性を積極的に制御するというR1ならではのハンドリングを、より引き出しやすくしている。

画像: ▲写真は国内仕様。

▲写真は国内仕様。

ウェット時や滑りやすい路面ではTCSを最強にすればスリップやウィリーを防いでくれて安心感は格段にアップ。

パワーの特性が選べるDモードを路面状況やコーナーの旋回速度によって組み合わせれば、より自分好みのセッティングが実現できる。これまでの歴代マシンでは最もR1らしさを楽しめる。

画像: 7代目でも国内仕様がラインナップされ、最高出力は145PS。もちろんトラクションコントロールなどの装備は輸出仕様と同一。WGP参戦50周年アニバーサリーエディションであるストロボカラーは世界限定2000台で登場した。

7代目でも国内仕様がラインナップされ、最高出力は145PS。もちろんトラクションコントロールなどの装備は輸出仕様と同一。WGP参戦50周年アニバーサリーエディションであるストロボカラーは世界限定2000台で登場した。

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