1998年に、ワインディングロード最速のコーナリングマシンとして登場したR1。世界をリードし続けるR1の変遷史を当時の試乗記をもとに振り返ってみよう。この記事では2007年型の5代目を紹介する。

ヤマハ「YZF-R1」(2007・4C8)エンジン解説

5バルブから4バルブとなった新型エンジン

5代目R1のエンジンは5バルブから4バルブ化されたためにシリンダーヘッドが小さく、オイルパンには酸素センサー装着のためのへこみが設けられている。4バルブ化は排ガス規制への対応であったが、出力ピークを超えた高回転域での出力特性の改善にも効果があった。

5バルブでは吸気バルブは小型軽量であったが、4バルブとなり吸排気バルブはチタン製に変更された。バルブ挟み角は24度とし、バルブスプリングは従来と同じ窒化処理されたVX材を使用。スロットルバルブは電子制御化されたことを受けて、デュアルからシングルとなった。

バックトルクリミッター機構を備えたスリッパークラッチを採用。後輪からのバックトルクをカムで受け、一定以上のトルクが伝わるとクラッチスプリングの荷重を小さくして急激なエンジンブレーキを緩和する。

可変スロットルの電子制御インテーク(YCC-I)と電子制御スロットル(YCCT)を採用。YCC-Iはエンジン回転数とスロットル開度によってファンネル長を変化させ、YCC-TはECUが最適なスロットル開度を演算し、モーターがバルブを作動させる。

画像: シート下にエキパイと偏平楕円形状のサイレンサーをレイアウトするアップマフラーを踏襲。チタン製のエキパイは4-2-1-2構造で、2本集合した部分にEXUPを、1本に集合した部分に酸素センサーを配置する。

シート下にエキパイと偏平楕円形状のサイレンサーをレイアウトするアップマフラーを踏襲。チタン製のエキパイは4-2-1-2構造で、2本集合した部分にEXUPを、1本に集合した部分に酸素センサーを配置する。

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