きれいなルックス同様にスムーズな作動も作り込む
リッタークラスにレーサーレプリカという思想を持ち込んだ、スズキGSX-R1100(初出は’86年G型)。単体でも軽量で130psとハイパワーな油冷1052cc直4エンジンや乾燥197kgと軽量な車体は、リッタースーパースポーツの概念を築き上げていった。
そんな油冷GSX-Rをベースにしたのが、ブライトロジックによる車両。初代G型のカラーもそのまま、初代同様の前後18インチ仕様。大きく違うのは、ノーマルではアルミ地の色そのままだったフレームがブラックになっていること。これは今回の再入庫で行われた最大の変更点だ。
ブライトロジック・竹中さんも製作中から「これはブラックフレームで進めるんですけど、すごく格好良くなりますよ」と話していたが、仕上がりもまさにその通り。外装のブルーもホイールのゴールドも一層引き立ち、全体も締まって見える。まさに美しいという言葉が似合う立ち姿になっている。
今回の作業ではあらかじめ別に用意したフレームとスイングアームをブラック化。そこに入庫した車両をバラした上で、すべてを載せ替えた。ヨシムラステップやインナーフェンダー、フロントフォークやリヤショックなど、各パーツは徹底洗浄。エンジンも汚れを落としてオーバーホールと再塗装で内外ともリフレッシュ、クラッチピストンも磨き直し、ワイヤハーネスもオーバーホールして……と新車レベルに仕立て直した。同時にブレーキスイッチなど、細かいパーツは新作、ホイールまわりはチェックし、全体にアップデートを加えている。こうした膨大ながらも地味、その上で繊細ながらも合理的に行う作業を“普通”と言う同店の真骨頂が表れていると言える。
今回新たに加えられたTMRキャブレターもこの仕様に好マッチしてスムーズなエンジン回転や良好なシフトも得たといい、まさに見て良し、走って良しという仕上がりになっている。
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