NOS前提で作りドラッグレースでは圧倒の存在

ハヤブサは登場直後から北米市場での受けも良く、現地では年間1万台規模レベルで販売を続けてきた。愛称“BUSA”も早くから定着した。そんな人気の一翼を担うのが、当地で人気のドラッグレースユースだ。まず速い。そして作りに特別な部分がないから、手を入れやすい。するとカスタムやレース用パーツが続々出てくる、売れる……という、かつてカワサキZが築き上げたようなサイクルが確立したバイクとなる。

ちょうどBUSA登場時に当地で興ったストリート系ドラッグレースにもがっちりマッチしたのもあった。灯火類は付いていてリヤタイヤは公道走行用、ナンバープレートがあること。となればパッと買って走ってもいい。誰にもチャンスがある。それがこのカテゴリー自体の成長も助け、BUSAの人気も支えることになったわけだ。

そのうちにストック=買ってそのままや、ハイチューン=過給やメカチューンと新たな分野が枝分かれして、それぞれが広がっていく。後者では元の3倍になる600psも出せるようなチューニングが現れて、今はそれが継続中。基本設計が良く、エンジンが丈夫。さらに整備性が昔のバイクのように良い(当地では“2輪界のV8”とも言われる)というハヤブサの素性が、そんな人気と歴史を作り出した。

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そんな本場の手法を国内のドラッグシーンでも再現、あるいは挑戦してみようと手を入れたのが、このクラスフォーによる車両だ。排気量を1340→1441ccに拡大しつつ、NOSでの過給で340psを発揮。エンジンは450psでも耐える設定で作り込んだという。

オーソドックスな作りで、大幅なメカチューンを受け入れる余裕があえうエンジンと、そのパワーに耐え得る車体があり、クラスフォーではアメリカの最新事情も見据えながらメカ+NOS(任意のタイミングで行える瞬間的な過給と考えるといい)でチューニング。ただハイパワーを狙うだけでなく、それをスムーズに発揮させ、かつ無駄にしない(低抵抗セラミックベアリングの使用等)ようにして、ドラッグレースでも圧倒的存在を目指す。もちろんそのノウハウは、ストリートにもフィードバックものとなっている。

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車両のストリップ。エンジン側もNOS使用を前提にハイチューンされる。3mmオーバーのHTP製φ84mmピストンで1441cc化し、カムシャフトはWEBカム製ドラッグレース用。ピストントップがフラットでカムプロファイルもおとなしめなものを使うのは、NOS作動時にパワーを稼ぐため。バルブまわりはノーマルサイズでコンロッドはキャリロH断面、クランクケーススタッドボルトまでもクロモリ(通常はシリンダースタッドをそうするくらい)。オイルパンも最低地上高を稼ぎつつ加減速時のオイル偏りを抑えるDME製に変更される。

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キーシリンダー左右に並ぶのはライダーから見て右から、NOSの噴射量を調整するFUEL NOSコントローラー(赤)、空燃比を調整するA/Fコントローラー(黒)、NOSシステム(青)のそれぞれの起動スイッチ。走行前にONにして作動させる(コントロールは別スイッチ)。

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トップブリッジはアメリカのドラッグBUSAの中核、DME製でオフセットはノーマルに同じ。セパレートハンドルはベビーフェイス製だ。

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シフトボタンを押すとNOSボトルのNOガスを流用してMPS製エアシフターが作動。ステップはDMEドラッグステップで位置は純正ステップ比で後ろ×下になる。

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深いシートカウルはCATARYST製でシートレールはDME製。空車時にリヤが上がっているのは車高を下げた際のリヤタイヤ緩衝抑制のためだ。

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過給の一種となるNOS(Nitro Oxide System)は、この車両では燃料と亜酸化窒素ガスを噴射するウエットショットを採用。スロットルボディとエアクリーナー間にノズルをセットする。このノズル部にはキャブレター同様にジェットが組み込まれ、流量調整が可能となっている。

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ドライブチェーンはEKのドラッグレース用ノンシール、DRZ-2。奥に見えるリンクプレートは4つ穴が開きレバー比が選べる設定だ。

取材協力:クラスフォーエンジニアリング

まとめ:ヘリテイジ&レジェンズ

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