好適な見本のデモ車を元にしつつ構成する
ホワイトのベースにターコイズブルーのピンストライプを配したスクエアボディのカワサキZ1–R。前後17インチ化されている点や、各部の作り込みを見ていくと、ブルドックのカスタムコンプリート車、GT–M(GenuineTuning Machine)だと分かる。
じつはこの車両、ブルドックの自社加工&パーツの集大成的デモ車、GT–M001/Z1–Rをモチーフにして作られたレプリカ版とでも呼ぶべきオーダー車だった。細部こそ異なるがオーダーに沿った作りによって、そのレプリカ度も十分高い……と言うより、見方によってはほぼそのままと言っていい。

違うのはダブルシートやホイールなど一部パーツと、001の方は常々進化の手が入ること、またサイドカバー形状とエンブレムがZ1–Rそのまま(001では下側をカット、エンブレムもオリジナルとなっている)という点。
ほぼそのままと書いたのは、GT–M自体がどれも、ブルドックがより上質なコンプリートカスタムを作るために内燃機加工も含めて社内作業で製作。同様に社内管理を行いつつ作業されているから。
その証としてシリアルプレートが付けられるわけだ。
こうしたベースの上に、同様の管理の下で作られたMccoyなど自社ブランドパーツが使われていく。だから極端な言い方をすれば、GT–Mは全車、代表・和久井さん所有のデモ車のレプリカとなる。
この車両は中でも外観が001に近いこと、エンジン内容がその最新仕様=1230㏄/オリジナルクロスミッション等で数字的にも同じということで、直接的な001レプリカと表現してみた。
先日広大なショップ敷地内に整備された同店ショールームでは、元となったデモ車(角タンクの001、丸タンクの002など)も、Mccoyやラヴォランテホイールなどのオリジナルパーツ群も展示される。また車両作業の様子も見学可能だ。
そこでオリジナルの状態や細部を知れば、同店でデモ車をレプリカするのは、上質な自分仕様を手に入れるのと同義だと気がつくかも知れない。
Detailed Description 詳細説明

低めのスクリーンをマウントしたビキニカウルはブルドックのオリジナルパーツ。オフホワイト+水色ラインはGT-M 001のイメージを踏襲したものだ。

スタック製エンジン回転計を中央に置いたメーターパネルはカーボン製ワンオフ品で、ここはGT-M001とは異なる部分(001ではスタック多機能メーター+同燃料計を置く2眼)でもある。左右マスターシリンダーもブレンボラジアル(001ではゲイルスピード・エラボレート)だが、ここは好みで使い分ける部分。

Z1-R純正と同形状ながら大きく軽量化を果たせるアルミ製燃料タンクも、ブルドックのオリジナルパーツだ。こうした部分でも性能は高められる。

ライダー側とタンデム側で表皮デザインが異なるシートはMccoyスプリーム。ライダーのホールド感や快適性を高める装備の一環だ。

エンジンはGT-Mに一貫した手法で、内燃機加工もブルドックで行う。現車を見ればGT-Mはどの車両も高いクオリティを持っていると分かる。

キャブレターはヨシムラ・ブラックアブソリュート仕様TMR-MJN(デュアルスタック。この車両ではφ38mm、001はφ40mm)を装着する。

ステップキットはMccoyで、シフトシャフトの支持剛性を高め操作の正確性を高めるアウトボード&オフセットスプロケットもMccoy製。

排気系はオリジナルのMccoyチタン4-1で、チタンシェル+アルミエンドのサイレンサーは現代的な5角断面デザインを採用した、Mccoy Neoをチョイスしている。

スイングアームはアルミ7N01目の字断面のMccoy(001ではロア可変のプロトタイプ)で、ドライブチェーンはRKの520XWを装着する。

φ43mmフロントフォークはブルドックスペシャルチューニングによる、ナイトロンNTR(リヤショックも同様)。ホイールはアルミ鍛造のオリジナル、ラヴォランテで3.50-17/6.00-17サイズを履く。フロントブレーキはブレンボラジアル4Pキャリパー+Mccoy×サンスターディスク。
取材協力:ブルドック
記事協力:ヘリテイジ&レジェンズ
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モーターマガジン社 (2019-10-28)