
モンスター独特のスラントした楕円形のヘッドライトには、ハロゲンライトとLEDポジションライトを組み合わせる。ステルスにのみヘッドライトの上に小ぶりなメーターバイザーが装着されていて、フロントマスクの印象が少し異なって見える。

倒立フロントフォークはΦ43㎜径。セミフローティングされたΦ320㎜径ブレーキローターにブレンボ製のモノブロックM4-32 ラジアルマウントキャリパーをダブルで装備し、ボッシュ製ABSシステムも標準搭載。ホイールもスタンダードな821と同じものだが、ステルスのホイールには赤いワンポイントがあしらわれる。

歴代モンスターシリーズでも特徴となっていた、力強いイメージを象徴するグラマラスな造形の燃料タンクは現行の821にも受け継がれ、ステルス専用カラーのマットブラックに彩られる。タンクの容量は16.5Lを確保していて、十分な航続距離を確保。


アルミ製スイングアームはオーソドックスな両持ち構造。リアサスペンションはプログレッシブな特性のリンクを介してモノショックアブソーバを装着していて、スプリングプリロードとリバウンドダンピングをセッティング可能。ホイールは軽快な10本スポークホイールデザイン。

DOHC4バルブのデスモドロミック機構など、長年スーパーバイクレースで磨かれてきた技術をフィードバックして開発された、排気量821ccのテスタストレッタ11°水冷Lツインエンジン。ライド・バイ・ワイヤを活かしたパワーモードも備えるなど、最新技術を用いてパワフルさと扱いやすさを絶妙にバランスさせている。

前後のシリンダーヘッドから微妙な曲線を描いて伸びる2-1-2集合のエキゾーストパイプ、独特なデュアルテールデザインが目立つ大型のサイレンサーという構成の排気系が、モンスターの独特なスタイルにマッチ。電子制御された排気デバイスも備え、全回転域で排圧を最適化しスムーズな特性を実現。触媒も内蔵、ユーロ4規制もクリア。

乗り心地などの快適さと、ホールド性や形状によるスポーティさを巧みにバランスさせたデザインのシート。タンデムシートはリアシートカバーを取り外すと現れる構造。シート高は体格や好みに合わせて2段階(785mm/810mm)から選択することが可能だ。

一般的なネイキッドと比較してワイドでフラットな形状のバーハンドルを、やや低めの位置にマウントするというハンドル周りの造りもモンスターシリーズの特徴。多機能な液晶メーターを覆うコンパクトなビキニカウルはステルス専用の装備。

メーターパネルはTFTカラー液晶を採用。回転数と速度、ギアポジションや燃料残量、走行距離などの基本的な情報や、ライディングモード、ABS、トラコンなどの各種設定が表示される。用途に合わせた複数の表示モードが用意されていて必要に応じて切り替え可能。

ハンドル左側のスイッチボックスは、ウインカーやヘッドライトのハイ/ロー切り替え、ホーンボタンなどを装備。それらには同時に、パワーモードをはじめとする各種機能について、多機能な液晶メーター上で選択・操作するための機能も割り当てられている。

一方ハンドル右側のスイッチボックスは、スターターボタン/キルスイッチやハザードスイッチを備えている。

M o n s t e r 8 2 1 S t e a l t h
S p e c i f i c a t i o n s
全長×全幅×全高:-×-×-mm
ホイールベース:1480mm
シート高:785mm/810mm(2段階調整式)
車両重量:206kg
エンジン形式:水冷4ストロークL型2気筒DOHC4バルブ
総排気量:821cc
ボア×ストローク:88×67.5mm
最高出力:109PS/9250rpm
最大トルク:8.8kgm/7750rpm
燃料供給方式:FI
燃料タンク容量:16.5L
変速機形式:6速リターン
タイヤサイズ前・後:120/70ZR17・180/55ZR17
価格:155万1000円(消費税10%)
撮影:柴田直行 文:小松信夫/編集部