新型CB400SUPER FOUR Eクラッチの登場は、SUPER FOURという名が懐古ではなく、いまなお進化を続ける思想であることを示した。扱いやすさと並列4気筒ならではの高揚感を核に、VTECや車体、環境性能を磨いてきた歴代モデル。その開発者たちの言葉から、CB400SFが守り続けた本質と新型へつながる進化を振り返る。

厳しい排出ガス規制を乗り越えた3代目

そして時代は進み、バイク業界の前に、厳しい騒音・排出ガス規制という新たな壁が立ちはだかった。次の世代のCB400SFに求められたのは、動力性能を落とさずに厳しい環境規制をクリアすることだった。

そこで武器になったのが水冷エンジンと、低回転域でバルブを休止させるHYPER VTECである。3代目を担った開発チームは、それらのメリットを活かして車体全体を再構築した。

「どうせやるなら好きなようにやりたい」

チャンスであると同時に、いいモノを作らないと消えてしまうかもしれないという危機感もありました」と、開発者は語る。実際、この規制が適用されたときに多くのモデルが生産終了となったことからも、ハードルの高さが感じられる。

キャブレターは電子燃料噴射装置PGM-FIへ変更。エキゾーストパイプには触媒装置を装備し、HYPER VTECの進化版であるHYPER VTEC Revoと組み合わせることで厳しい排出ガス規制に適合させることに成功した。しかし、開発はただ規制をクリアするだけでは終わらない。

「キャブじゃできなくて、インジェクションでできることは何だろう」。そう考えた開発者が行き着いた答えは、極低回転域でも止まらずに走れること。その結果、中〜高回転域の伸びやかなフィーリングはそのまま、5速でも発進できるほど粘り強いエンジン特性を得ることができた。外観は歴史を重んじて大きな変更はしなかった。

しかしフレームは、キャタライザーを装備して重量バランスが変わったマフラーなどの影響により、エンジンの搭載位置や剛性感などを見直している。「僕らはデジタル世代なのでコンピューターに頼りがちなんですが、試乗すると予想とは少し違う。あっちに補強を入れたり逆に取ったりを繰り返して詰めていく。結局最後は人間の感覚なんです」。

それこそが初代から続いている"CB400SFらしさ"につながっていると思わずにはいられない。3代目はデジタル技術と人間の感覚の両方を使って改良が重ねられ、できあがった試作車は、気になって『乗せて〜!』と言ってきた先代の開発者たちを納得させるだけの完成度を備えていた。

時代ごとに求められる性能は変わっても、数字だけでは決めない。乗って、感じて、より良い答えを探していくことが開発の根底にある。そうして積み重ねられてきた開発者たちのスピリッツは、新しい時代を走るCB400SFへと受け継がれていく。

CB400 SUPER FOURの系譜 「NC42」(2007-2020)

Revoが完成させた、SUPER FOURの集大成

画像: 漆黒のSpecial Edition 2008年

漆黒のSpecial Edition
2008年

漆黒の車体にゴールドの専用ストライプを配した限定仕様。精悍さを際立て、CB400SFの王道ネイキッド像に特別感を添えた。


画像: トリコロールの限定車 2011年

トリコロールの限定車
2011年

トリコロールカラーで往年のホンダ車を想起させた限定仕様。鮮烈な赤・白・青が、ハイパーVTEC の存在感を引き立てた。


画像: 後期型へモデルチェンジ 2014年

後期型へモデルチェンジ
2014年

灯火類をLED化し、外観と装備を現代化した後期モデル。熟成されたVTECエンジンと扱いやすい車体で、完成度をいっそう高めた。


最後の特別仕様車

画像: 2020年

2020年

マットベータシルバーメタリックに控えめなストライプを組み合わせ、ヘッドカバーと前後ホイールをブラウンゴールド化。受注期間限定で発売され、上質で落ち着いた存在感を示した。

NC42後期型はCB1300を思わせる、堂々のスタイリングへ

画像11: 歴代開発者が背負う『CB400SF』という名の重圧【CB400SFの系譜・1992-2020】

NC42後期型は、CB1300 SUPER FOURを思わせる堂々とした造形を採用。大型ネイキッドの存在感を凝縮し、精悍なフロントマスクや量感あるタンクで上級感を高めた。

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