写真:南 孝幸 文:小川 勤
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ホンダ「CL250 Eクラッチ」インプレ(横田和彦)

HONDA
CL250/E-Clutch
2026年モデル
総排気量:249cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC2バルブ単気筒
シート高:790mm
車両重量:172/175kg
価格:64万9000円/70万4000円
発売:2025年10月24日(金)
「楽」なだけじゃない Eクラッチのある世界
『自由』。CL250Eクラッチに乗ると、すぐにこのフレーズが思い浮かんだ。
カスタマーターゲットは幅広く、軽い車体は市街地で軽快、高速道路での100km/h巡航も爽快、ワインディングでは難しさを感じさせない痛快さを持っている。狭い小道やちょっとした林道なら散歩感覚で入っていけるし、その先が運悪く行き止まりでも、取り回せばなんとかなるから、後悔はない。ちょっとした冒険気分を簡単に味わうことができ、バイクの楽しみの原点にも近い悦びをくれるのだ。
CL250はレブル250をベースとしたスクランブラー。レブルほど足つきを重視していないものの、車高を確保したことでスポーティな要素や自由な感性を強化。人気はレブルに及ばないものの、個性をアピールできるメリットは大きい。
Eクラッチ装着車は約1年前に登場。小気味良い単気筒エンジンとEクラッチの相性は抜群で、これがたまらなくいいのである。楽であることは間違いないが、それにとどまらないのがEクラッチだ。通常走行時、クラッチ操作は不要。足のギアチェンジのみで迷うことなく理想のギアを手に入れられる。

多くのベテランは「クラッチ操作あってこそのバイク」と異論を唱えるかもしれない。しかし、それはEクラッチを知らないライダーの意見。Eクラッチのギアチェンジは、ATと違って完璧にライダーの意思に委ねられているし、何よりも他の操作に集中できるのが魅力。その上、エンストを気にせず走れるのだから心強い。
クラッチ操作をバイクが完璧にサポートしてくれるため、ライダーはブレーキングや荷重移動、そして周囲の情報収集に集中することができるのだ。
また、ワインディングではこの機構がスポーティな走りに直結。旋回中でもショックなくギアチェンジができるため、常に欲しい回転が手に入る。この走りへの没入感は、他の機構ではなかなか味わえないものだ。
それでも疑心暗鬼になるベテランは、まずは『ホンダGOバイクレンタル』でその機構を理解し、きちんと乗り込んでみることを強くオススメしたい。

そしてもうひとつのEクラッチのメリットは、いつでもクラッチ操作ができること。これは重要で、バイクを思い通りに扱う上では、Uターンや路地では駆動(クラッチ)を切って小回りしたいからだ。これがATにはないEクラッチの特徴である。
低中速域のEクラッチの動きは本当に素晴らしく、特に渋滞路での5〜20km/hのダラダラ走行は秀逸。強いていうとスロットル全開域でのシフトアップ時のショックの大きさは気になるが、CL250でその領域を語るのはナンセンスだろう。
CL250との豊かで新しいバイクライフを想像すると、個人的にはEクラッチ装着車が断然オススメ。そこには、5万5000円追加するだけで手に入るとは思えないほど、画期的かつ素晴らしい、『自由』な世界が広がっているからだ。
