小椋藍が復帰 中上貴晶も参戦
今大会のトピックとして欠かせないのが、日本人ライダーである小椋藍(SuperFile Trackhouse MotoGP Team)と中上貴晶(Honda HRC Castrol)の参戦だ。
小椋藍は左手の手術からわずか24日後という過酷な状況のなか、事前のメディカルチェックを無事にクリアして出走許可を得てのレース復帰となった。身体が万全とは言えない状態にもかかわらず、予選では今季6度目となる2列目5番手グリッドを獲得。今大会好調だったアプリリア勢の勢いを力強く牽引する見事な走りを披露した。
一方の中上は、ジョアン・ミルの代役として急遽エントリーが決定。バイクのセットアップなど準備期間が極端に限られる厳しい条件での参戦となったが、予選Q1では8番手タイムをマークし、総合17番手グリッドを確保するプロフェッショナルな仕事ぶりを見せた。
アコスタまさかの転倒! マルティンがスプリント4勝目を挙げる
スプリント前に行われた公式予選では、ホルヘ・マルティン(Aprilia Racing)が今季3度目、通算23度目となるポールポジションを獲得。マックス・ビアッジの持つ記録に並んだ。2番手にはFP2での転倒を乗り越えたマルク・マルケス(Ducati Lenovo Team)がトップとわずか0.015秒差で入り、3戦連続のフロントローを獲得。3番手にはペドロ・アコスタ(Red Bull KTM Factory Racing)、4番手にはマルコ・ベッツェッキ(Aprilia Racing)、そして5番手に小椋藍が並んだ。
14周で争われたスプリントレースは、波乱の幕開けとなる。スタート直後のオープニングラップ、混戦のなかでポールポジションのマルティンがマルク・マルケスとの争いにより一時8番手まで後退。代わってレースの主導権を握ったのはアコスタで、序盤から抜け出すと最大で2.8秒のリードを築き上げてトップを快走した。

ターン2のAのマルケスにインを突かれポジションを落としてしまったマルティン。
しかしレース中盤、マルティンが5人をオーバーテイクする怒涛の追い上げを展開して先頭集団に迫る。そして迎えた12周目、トップを走っていたアコスタがターン2のAで痛恨の転倒を喫し、そのままリタイア。アコスタの転倒と猛追が重なり、同じく12ラップ目に首位の座を奪還したマルティンは、そのままチェッカーまで逃げ切り、劇的な大逆転で今季スプリント4勝目を挙げた。
後方では、マルク・マルケスがトップから1.026秒差でフィニッシュし、3戦連続9度目のスプリント表彰台を獲得。3位にはベッツェッキが続き、小椋藍は手負いの状態ながら3.495秒差の4位という素晴らしい結果を残した。このスプリントの結果、マルティンがチャンピオンシップのポイントリーダーにも返り咲いている。
2026 MotoGP 第14戦GP スプリント結果

悲願達成!アコスタがチームのお膝元で最高峰クラス初優勝

28周争われた決勝レースでは、予選3番手のアコスタが主役となった。アコスタは前日のスプリントに続き直前のウォームアップ走行で転倒を喫していたが、メンタルを立て直してグリッドにつく。 レースがスタートすると、序盤から上位陣による激しいポジション争いが展開されるなか、着実にペースを掴んだアコスタが9周目にトップへと浮上した。
一方で、2016年の同地復帰以来12戦中10勝と圧倒的な強さを誇っていたドゥカティ勢は、13周目にアレックス・マルケス(BK8 Gresini Racing MotoGP)が転倒を喫するなど苦戦。 マルク・マルケスもフロントのブレーキに問題を抱え、一時順位を下げてしまう事態となった。
レース後半、マルティン、ベッツェッキ、そして小椋というアプリリア勢がアコスタに迫る。しかし、この日のアコスタは冷静かつ速さがあった。安定したラップを刻み続け、ライバルに付け入る隙を与えない。

後続の追撃を振り切りファイナルラップに入ったアコスタは、ペースをコントロール。トップのままトップでチェッカーフラッグを受けた。これが最高峰クラス56戦目にして待望の初優勝であり、KTMの母国であるレッドブル・リンクに今季初勝利をもたらす最高の結果となった。当然のことながらアコスタは、ファン投票による『ライダー・オブ・ザ・レース』も獲得している。

2位にはマルティンが入り、20ポイントを加算。総合2位のマルク・マルケスが5位に終わったため、その差を12ポイントに拡大し、ランキング首位をキープした。3位にはベッツェッキが入っている。
日本人ライダーは、小椋藍がトップから2.139秒差に迫る4位入賞を果たし、手術明けとは思えない驚異的なスタミナとスピードを披露。中上貴晶も粘り強い走りで13位フィニッシュを果たした。

次戦はついに日本GP。第16戦日本GPは、10月2日から4日にかけて、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催される。
2026 MotoGP 第14戦オーストリアGP 決勝結果

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