今後のために仕上げや作りの見本を見せたい

GSX1100S/750SカタナやGS1000/S向けに多くのオリジナルパーツの開発・販売を行い、各オーナーが車両を維持しやすくすることに力を入れるオオノスピードによる、250カタナ(GSX250S KATANA)。これは見た目や仕上がりに注目したい車両だ。外装をはじめとしてフレームにホイール、フレームはシートヒンジもパーツ個々に分解してと、細部に至るまで清掃を行った後に高質塗装と機能塗装が施されている。これは大きなポイントだ。

画像1: 今後のために仕上げや作りの見本を見せたい

「ウチで以前作った“雪風”(大日本帝国海軍の陽炎型駆逐艦で、同38隻のうち唯一生き残った幸運艦。そこから命名)というカタナコンプリートがあって、そのオーナーさんからのレプリカ製作依頼でした。本来は水冷はやらないんですけど、カタナだし当店コンプリートを反映という経緯でしたので手を入れました。コンセプトは“250のままで乗るならこうしたい”。
タンクとサイドカバーは250(カタナ。以下同じく各排気量のカタナ)ですけどカウルステーを1100にして1100のカウルをボルトオン。テールランプは整備性や維持のことも考えてフレームを加工して1100用をマウント。合わせてテールカウルは1100の大きさにするようにワンオフ。リヤフェンダーは250です。
足まわりは1100フォークに星型デザインとダブルディスクがほしいから400カタナのホイールとブレーキ。キャリパーサポートとトップブリッジは削り出しました」とオオノスピード・大野さん。

こうして外観は250Sから一歩も二歩も進んだ1100ライクな堂々としたものにまとまる。ハードは、エンジンはサビこそあったけれど幸いにして上質な社外ガスケットがあって腰上オーバーホールができた。メインハーネスも近い作りの400カタナ用が手に入り、これを元に使う。

「形になってこれから走ってサスとかキャブの仕様を詰めて春に納車かな」と続く。

それだけに終わらずこの車両、注目点はまだある。高級感を出す塗装だ。それだけで100万円のコストをかけたという内容は、外観は元より純正鉄スイングアームをめっき調に仕上げたりホイールやフレームにはツヤ感を持たせるようにと、BPナカヤマの作業で粉体塗装の最新のものを使って行われた。シートロックの要まで分解して行ったという細かい下地処理等、1100よりも大変で、今後は作らないだろうというほどの作り込みとなった。

画像2: 今後のために仕上げや作りの見本を見せたい

「一生で1台しか乗らないならこれ、という仕上げ。カスタムもいいけど、こうした高質純正という感じで作るのもいいんじゃないかなと思います。手抜きなしでしっかりやればこうした高級感が出せる。それも本に取り上げてもらって“お、いいな”と思ってもらえれば、今後の指針になるでしょう。私もこの商売を始めたのは竹中さん(ブライトロジック)の作るバイクを見たから。17インチも18インチもあって、カタナってこう作れるんだって、すごく参考になったんです。それが自分にとってのひとつの指針になったなって。そんな、指針になるような仕立てや車両を見せていきたいですね。雑誌情報もそうで、ずっと残る。残れば次の世代の人も見て、こんなバイク作りたいなとか思ってくれると思います」

GSやカタナといったバイクが好きでこれ一本と思ってお金を出して買ってくれる人がいる。そんな人のためにテストも開発も命賭けでやる、とも大野さん。旧車世代の人にはより楽に乗れる、操作できるように。若い世代の人には質や機能の指針を知ってもらえるように。もちろんそこにはしっかりした予算を組む必要がある。でもそれは、走行テストや開発、その費用に文字通りに命を賭けてパーツや車両を作ること、先にも述べたが大野さんの積み上げた走り、作り、素材や設計、製作先まで広く考えてできるパーツの対価だ。その意味を理解すれば、この250Sカタナのように、もっとレジェンドバイクの持つ魅力を引き出していけると思える。

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Detailed Description 詳細説明

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メーターまわりやセパレートハンドルはGSX250Sカタナで、フロントカウルはカウルステーとともにGSX1100Sを加工流用している。

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GSX400S用ホイールを入れるにはフォークピッチが変わるため、トップブリッジ含めステムはオオノスピードでワンオフ削り出し品を作った。フロントマスターはニッシン製。

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カウルサイドのパーツと燃料タンク、サイドカバーはGSX250S。オリジナルのワンオフシートも作られる。

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テールレンズは1100S用で、テールカウルはオオノスピードの1100用を元にテール上の穴からの浸水を抑えるべく上穴を使わないよう加工したワンオフ品。各パーツが合うようにステーの高さなども細かく調整しているがパッと見には分からないほどだ。

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キャブレターはオオノスピードで基本とするTMRがGSX250S用にはなく、FCRを使おうかとも考えたのことだが、他車種用ヨシムラTMRΦ32mmを元に改造して使った。

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GSX250Sの直4エンジンは良質なガスケットを見つけたことで腰上オーバーホール。メインハーネスはGSX400Sカタナ用をベースに作り直しした。キャブレター換装にともなってオイルキャッチタンクもワンオフした。

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フロントフォークは250カタナに同径Φ37mmの1100カタナ用を使い、3本スポークから星型にしてシングルからダブルディスク化するべくGSX400Sカタナ純正のホイールに換装。これによりホイールサイズも3.00-17/4.00-17から2.50-18/4.00-17に変わった。4ピストンのブレーキキャリパーはニッシンでディスクはサンスターだ。

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対向2ピストンのリヤキャリパーはニッシン。排気系はチタン4-1エキゾーストに変更される。

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リヤショックはオーリンズでスイングアームはGSX250Sの純製角鉄のものををきれいな艶のシルバーで粉体塗装。フレームにもホイールにもすべてこのような塗装が施された。

取材協力:オオノスピード

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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