協力:バイカーズステーション(遊風社)
▶▶▶写真はこちら|ヨシムラ「GS1000R XR69」(1980)
ケーヒンCR31は、内部をオヤジさんが手仕上げした逸品。その際ボアも若干大きくされているはず。「バルブを差し込んで削り具合と大きさをチェックしながらやってましたよ」(浅川さん)。CR31はAMAスーパーバイクでも1979年に使われた。Φ31mmなのは、AMAでアフターマーケット・キャブレターはΦ31mmまでという規定があって、その流れをくんだものだろう。ファンネルは長めで低中速がありそう。

鉄マフラーは直管ではない程度の消音効果しかない豪快なもの。ステーにはリヤブレーキのトルクロッドを短くしたものを使う。ステッププレートは軽量化から丁寧に面取りされている。ステップゴムは耐久用だから付けたのではなくGPでも使ったスズキの伝統なのだ。

インシュレーター取り付けボルト部分以外とことん削り取られた、シリンダーヘッドのインテークマニホールド部分。オヤジさんの軽量化は容赦ない。

プラグホール近くにもドリルによる軽量加工が及んでいる。

エンジン下側のマウントはアルミに変更。ボルト頭に肉抜き加工。

エンジンマウントはエンジン下と後ろがリジッドで、この前側のみゴムを介してフローティングする。こうしないと振動でフレームのダウンチューブにクラックが入ってしまうのだという。

リザーバータンク付きのカヤバ(現KYB)は当時のRG系やモトクロッサーでおなじみの部品。鉄製のごついオイルキャッチタンクはヨシムラ製。タイヤ交換用のキャリパーの逃げなどの理由でスイングアームがかなり開いたためか? リヤショックは下側にハの字に開いている。

リヤショックのフレーム側マウント周辺は強固に構成されている。このあたりはレイダウンマウントの要でスズキの経験を感じる部分。

アルミ角型スイングアームは左右で補強部分が異なる。ホイール側面に見える小さなねじはビードストッパー。120度間隔で片側3カ所を木ねじでホイールとタイヤをネジ留めしているのだ。「こうしないと走っているうちにタイヤが1/3周ぐらいズレてホイールバランスが崩れてしまう。当時はよくそんなことがあったから」と浅川さん。少々乱暴な方法だが、エア漏れなどのトラブルは起きず、ホイールも再使用できた。

もちろん現在のホイールとタイヤは密着性がよく、こんなねじはいらない。けれどドラッグレースのトップフューエルなどが履く15インチスリックでは、現在でもホイール外側に別部品でリング状のビードブロックをボルトオンする。
耐久でのタイヤ交換時にはドリブンスプロケットもスイングアーム側に残るシステムだ。リヤショック下のダイアルで伸び側ダンパーを4段階調整できる。チェーンはRK630-GSV。

フロントフォークはΦ40mmのアンチダイブ付きカヤバで、RGBからの単なる流用ではなくGS用に作り直されたGS専用。外部からの調整機構はなく、プリロードはカラーで、ダンパーはオイルで調整していた。ブレーキキャリパーはタイヤ交換を想定したトキコの専用品。

ディスクはΦ310mmのステンレス。アンチダイブの調整は、フォーク後ろ側の縦長のナットを回して行う。下方向に回せば内部のピストンストローク量が少なくなり利きが早くなる。「このナットのために専用スパナを作った」(浅川さん)。なおキャリパーのバンジョーやブリーダーはチタンと“ワークスマシン”らしく贅沢だ。
リヤキャリパーはRGB用でディスクはサイドに放熱穴を持つベンチレーテッド。ディスクはホイールを外してもスイングアーム側に残る耐久仕様。


