ドゥカティから待望の新型モンスターが誕生した。パニガーレV2系の最新エンジンを搭載しフルチェンジで臨む2026年モデルの走りとは。スペイン・マラガで開催された国際試乗会からケニー佐川がレポートする。
文:佐川健太郎、オートバイ編集部 写真:DUCATI
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ドゥカティ「モンスター」インプレ(佐川健太郎)

画像: DUCATI MONSTER 総排気量:800cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒 シート高:775mm 車両重量:175kg 税込価格:166万2000円~

DUCATI
MONSTER 

総排気量:800cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒
シート高:775mm
車両重量:175kg

税込価格:166万2000円~

シンプルな扱いやすさに純粋な走りの楽しさ宿る

1992年に登場した初代から受け継がれてきた思想を現代の技術で磨き直す。そんな「原点回帰」を掲げて誕生したのが、5代目となる新型ドゥカティ・モンスターだ。世代を重ねるごとに高性能化してきた流れをいったん整理し、扱いやすさや気軽に楽しめる走りという本来のキャラクターにあらためて焦点を当てている。

登場の背景には2009年に登場したストリートファイターシリーズの存在もあるだろう。過激なパフォーマンスを担うモデルが別にあるからこそ、モンスターはよりシンプルで親しみやすいネイキッドとしての役割を再確認したのだ。

ひとまわりコンパクトになった深紅の車体に跨りスターターボタンを押す。パニガーレV2譲りの新世代エンジンは一瞬で目覚め、低く整った鼓動を刻み始めた。過度な荒々しさはないが、その奥には初代から続く“モンスター”の血統が確かに息づいている。

市街地を流してすぐに感じるのは車体の軽さだ。乾燥重量175kgという数字以上に体感は軽く、アクセルをわずかに開けるだけでスッと前へ出る。コンパクトなV2ユニットを中心に構成されたシンプルな車体は低速でも扱いやすく、狭い交差点のターンでも素直に向きを変える。ブレンボ製ブレーキは穏やかなタッチの奥に確かな制動力を秘め、濡れた路面でのコントロール性も抜群だ。

画像: ドゥカティ「モンスター」インプレ(佐川健太郎)

高速道路ではV2エンジンの懐の深さが際立つ。回転上昇は滑らかで、振動も少なくクルーズも快適。中速域では可変バルブ機構IVTが効き、アクセルに対する反応が一段と力強くなる。最高出力111PSはこのクラスとしては特段ではないが、身構えることなく自然体で扱えるのがいい。続く郊外のワインディングではモンスターが真骨頂を発揮。

スポーツモードに切り替えればレスポンスはさらに鋭く、走りが豹変する感じはまさにパニガーレV2と重なる。車体は驚くほど素直にバンクし、狙ったラインへ自然に収まり、アクセルを開ければ軽やかに立ち上がり、次のコーナーへとリズムよくつながっていく。

残念ながら雨天での試乗だったが、かえって電子制御の恩恵を実感。水溜まりではコーナリング対応のABSやトラクションコントロールが穏やかに介入し、さりげなく支えてくれた。

走り終えて感じたのは、このバイクの思想の明快さだ。歴代モンスターが掲げてきた「必要なものだけを残す」という哲学は、新型でさらに洗練された。コンパクトな車体、軽快なハンドリング、シンプルで分かりやすい走り。

そして最新の電子デバイスに担保された安心感。スペック以上に“走る楽しさ”を思い出させてくれる。静かな満足感とでも言うべきか。そんな純粋なバイクとの付き合い方を改めて教えてくれる存在だ。

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