様々なメーカーが世界最速を目指して模索していた1960年代。ホンダがCB750フォアで世界を驚かせた。これを打倒すべく、カワサキが放った決定打がZ1だ。究極を意味する「Z」の名を与えられたこのバイクは、その名の通り究極のパフォーマンスで新しい時代を切り拓いていった。
写真:南 孝幸、カワサキ 文:沼尾宏明、オートバイ編集部 協力:バイカーズステーション(遊風社)
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カワサキ「900SUPER4(Z1)」「750RS(Z2)」のスタイリング・カラー解説

カワサキ「900SUPER4(Z1)」の変遷

欧州仕様に設定された羨望の“イエローボール”(1973年)

画像: 欧州仕様に設定された羨望の“イエローボール”(1973年)

1973年の欧州仕様に設定されたイエロー×グリーンの特別色で、初期Zシリーズを象徴する伝説的なカラー。Z900RSにも受け継がれている。

毎年カラー変更を実施。順調にセールスを重ねた

初期型は2色で塗り分けたカラーを採用し、北米向けにはブラウン×オレンジの「火の玉カラー」、欧州向けにはグリーン×イエローの「イエローボール」が投入された。この2色は後のゼファーやZ900RSでも再現されているとおり、Z1を代表する人気カラーだ。

以降も人気カラーが続々と生まれる。発売2年目の1974年モデルで外装のグラフィックを直線的なストライプを持つ「タイガー」カラーが登場。1975年型でキャンディが輝く「青玉虫」「茶玉虫」も投入された。

同時にユーザーの声に応え、細やかな改良も行われた。1975年型のZ1ではOリングチェーンで耐久性を向上。1976年モデルで車名を変更し、車体を熟成したほか、キャブなど吸気系の変更で扱いやすさをアップさせた。

Z1は後期型を含めて約7万台、Z2は2万台の生産を重ね、次世代にバトンタッチした。


900Super4(Z1A)(1974年)

シルバー仕上げのエンジンで信頼性を向上

画像: 900Super4(Z1A)(1974年)

初期型で黒塗装だったエンジンはシルバー仕上げへと変更され、点火時期や進角特性の見直しによって信頼性と扱いやすさが向上した。タンクグラフィックもオレンジタイガーとイエロータイガーの2色に刷新され、量産フラッグシップとしての完成度をさらに高めている。


Z1 900(Z1B)(1975年)

青玉虫と茶玉虫が描く、Z1最後の美学

カワサキZ1Bは、1975年型の最終進化版Z1であり、“900スーパー4”シリーズの集大成となるモデルである。外装は「青玉虫」「茶玉虫」と呼ばれるキャンディ塗装や、テールカウルの曲線ラインなどによってZ1・Z1Aと差別化されている。信頼性の向上に加え、シールチェーンの採用によりチェーンオイルタンクが廃止されるなど、細かな改良も施された。

画像: Z1 900(Z1B)(1975年)
画像: 初期型のライトステーはフォークとステーの継ぎ目をロウ付けし、研磨によって段差をなくしていた。Z1B以降ではその工程が省略されたため、継ぎ目が残っている。

初期型のライトステーはフォークとステーの継ぎ目をロウ付けし、研磨によって段差をなくしていた。Z1B以降ではその工程が省略されたため、継ぎ目が残っている。

画像: Z1の左サイドカバー内にあったチェーン給油用のオイルタンクは、Z1Bからシールチェーンが採用されたことにより、給油装置が廃止された。

Z1の左サイドカバー内にあったチェーン給油用のオイルタンクは、Z1Bからシールチェーンが採用されたことにより、給油装置が廃止された。


Z900(Z900-A4)1976年

Z1譲りの魂が宿る熟成仕様

前輪のダブルディスク化(欧州仕様)やインジケーターパネルおよびサイドカバー形状の変更、さらにマフラー内部構造の見直しなどにより、制動力・静粛性・実用性を高めた。最大出力は約81PSで、当時の量産車としてはトップクラスの動力性能を誇り、Z1から続くスーパーバイク黄金時代を締めくくる存在として高く評価された。

画像: Z900(Z900-A4)1976年

750RS(Z2A)(1974年)

746cc空冷DOHC4気筒ユニットは69PSを誇る

基本構成はそのままに細部を熟成させた国内専用モデル「Z2」のマイナーチェンジ仕様。カラーはグリーンベースにイエローラインのキャンディトーンイエロー、いわゆる“イエロータイガー”のみで、Z1A同様にヘッドガスケットの2ピース化などによるオイル漏れ対策が施された。さらにタコメーター内にテール&ストップランプの球切れ警告灯が追加された。

画像: 750RS(Z2A)(1974年)

750RS(Z2A)(1975年)

玉虫が時代を染めた! 熟成のナナハン

Z2の後期モデルで、通称「玉虫カラー」で知られる。日本仕様はキャンディトーンスーパーレッド(茶ベースに金ライン)とキャンディトーンスカイブルー(青ベースに金ライン)の2色設定で、いわゆる“青玉虫/赤玉虫”と呼ばれるグラフィックだ。

画像: 750RS(Z2A)(1975年)

Z750Four(Z750-A4)(1976年)

Z1スタイルに迫るZ2最終モデル「A4」

Z2の最終型では車名が「750RS」から「Z750Four」へと改められ、型式もZ2系表記から「A4」に整理された。最高出力は69PSから70PSへとわずかに向上し、フロントブレーキのダブルディスク化やフレーム補強、大型化されたテールカウルなどの変更を受けた。

画像: Z750Four(Z750-A4)(1976年)

カワサキ「900SUPER4(Z1)」「750RS(Z2)」写真

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