Z1と並び、カワサキの「Z神話」を築いたのが750RS、通称Z2だ。当時の最高峰・750クラスにおいて、Z2はホンダのCB750Fourを凌駕するパフォーマンスで「ナナハン最強」の座を欲しいままにし、Zの輝ける歴史のトップページを飾ったのである。
文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸

カワサキ「750RS Z2」解説

画像: Kawasaki 750RS Z2 総排気量:746.3cc エンジン形式:空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒 車両重量:230kg

Kawasaki 750RS Z2

総排気量:746.3cc
エンジン形式:空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒
車両重量:230kg

日本中のライダーが憧れた最強最速のナナハン!

世界中のライダーを熱狂させたZ1の国内仕様が750RS、通称Z2だ。Z1発売当初、カワサキは903ccのままでの国内導入を検討していたが、折しもこのタイミングで国内メーカーによる自主規制が始まり、国内発売されるオートバイの排気量上限が750ccに規制されたため、排気量を746.3ccとしたZ2が誕生することとなった。

エンジンケースはZ1そのままだが、ボア、ストロークともに縮小。クランクシャフトは新作されることとなり、非常にコストのかかる贅沢な変更となった。パワーは69PSで、当時のライバル・CB750フォアを打ち負かすには十分な性能だった。

外装もメカも大半がZ1と同じという豪華仕様のZ2は、1973年3月に発売開始。瞬く間に日本中のライダーにとって憧れの存在となったのである。

画像: Z900RSなど現代にまで受け継がれる、典型的な日本のスポーツバイクのデザインともいうべきZ2の佇まい。Wともマッハとも異なる独特のスタイルが魅力。

Z900RSなど現代にまで受け継がれる、典型的な日本のスポーツバイクのデザインともいうべきZ2の佇まい。Wともマッハとも異なる独特のスタイルが魅力。

カワサキ「750RS Z2」各部装備・ディテール解説

画像: Z1の903ccユニットを、基本構造はそのまま、ボアとストロークを縮めて746.3ccに排気量ダウン。それでも当時国内最強の69PSを発生。

Z1の903ccユニットを、基本構造はそのまま、ボアとストロークを縮めて746.3ccに排気量ダウン。それでも当時国内最強の69PSを発生。

画像: マフラーは集合管ではなく、Z1と同じくメッキ仕上げの4本出し。カワサキ750の象徴的ディテールとして1978年のZ750Fourまで受け継がれる。

マフラーは集合管ではなく、Z1と同じくメッキ仕上げの4本出し。カワサキ750の象徴的ディテールとして1978年のZ750Fourまで受け継がれる。

画像: キャブレターとエアクリーナーをつなぐダクトから連続するラインが美しいサイドカバー。エンブレムは異なるが、カバー自体はZ1と共通。

キャブレターとエアクリーナーをつなぐダクトから連続するラインが美しいサイドカバー。エンブレムは異なるが、カバー自体はZ1と共通。

画像: ブレーキは片押し式のキャリパーとシングルディスクの組み合わせだが、右側のフォークにもキャリパーブラケットが設けられていた。

ブレーキは片押し式のキャリパーとシングルディスクの組み合わせだが、右側のフォークにもキャリパーブラケットが設けられていた。

画像: 美しいティアドロップ形状の燃料タンクは、Z1の容量18Lに対して17L。初代モデルの「火の玉」グラフィックは、今も多くのライダーの憧れだ。

美しいティアドロップ形状の燃料タンクは、Z1の容量18Lに対して17L。初代モデルの「火の玉」グラフィックは、今も多くのライダーの憧れだ。

画像: 左に速度計、右に回転計を配置。初期型の速度計はフルスケール240km/hだったが、後に220km/hスケールに改められた。

左に速度計、右に回転計を配置。初期型の速度計はフルスケール240km/hだったが、後に220km/hスケールに改められた。

画像: シートは基本的にZ1と同じものだが、仕向け地によってタンデムベルトのないZ1に対して、Z2は全てタンデムベルト付き。

シートは基本的にZ1と同じものだが、仕向け地によってタンデムベルトのないZ1に対して、Z2は全てタンデムベルト付き。

画像: シート後方の滑らかなラインのテールカウルも、リアフェンダーマウントの楕円形テールランプと合わせ、Zらしさを強く感じさせる部分。

シート後方の滑らかなラインのテールカウルも、リアフェンダーマウントの楕円形テールランプと合わせ、Zらしさを強く感じさせる部分。

カワサキ「750RS Z2」主なスペック

全長×全幅×全高2200×865×1170mm
ホイールベース1500mm
最低地上高165mm
車両重量230kg
エンジン形式空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒
総排気量746.3cc
ボア×ストローク66×58mm
圧縮比9.0
最高出力69HP/9000rpm
最大トルク5.9kgf・m/7500rpm
燃料タンク容量17L
変速機形式5速リターン
キャスター角26.0゜
トレール量90mm
タイヤサイズ(前・後)3.25H-19・4.00H-18
ブレーキ形式(前・後)Φ296mmディスク・Φ200mmドラム

文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸

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