かつて若者の憧れだった昭和時代の「エフ」と「カタナ」を知る太田が、令和の時代にふたたび蘇った2台と向き合う。ホンダが磨き上げた均整のCB1000Fと、スズキが誇る硬派なKATANA。二つの“ビッグネイキッド”が描く対照的な個性を、太田はどう評価するのか。
文:太田安治/写真:松川 忍、南 孝幸/まとめ:オートバイ編集部
画像: Honda CB1000F 2025年モデル 総排気量:999cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:795mm 車両重量:214kg 税込価格:139万7000円

Honda
CB1000F
2025年モデル

総排気量:999cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:795mm
車両重量:214kg

税込価格:139万7000円


画像: Honda CB1000F SE 2025年モデル 総排気量:999cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:795mm 車両重量:217kg 税込価格:159万5000円

Honda
CB1000F SE
2025年モデル

総排気量:999cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:795mm
車両重量:217kg

税込価格:159万5000円


画像: SUZUKI KATANA 2026年モデル 総排気量:998cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:825mm 車両重量:215kg 税込価格:168万3000円

SUZUKI
KATANA
2026年モデル

総排気量:998cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:825mm
車両重量:215kg

税込価格:168万3000円

ホンダ「CB1000F/SE」VS スズキ「KATANA」|比較インプレ

画像1: CB1000F SE

CB1000F SE

伝説の「CB」と「カタナ」、ナナハン規制時代の憧憬と進化

ホンダの「CB」は1979年、スズキの「カタナ」は1982年に登場し、1980年代の中盤まで大きな人気を誇ったモデルである。1975年から1995年までは大型自動二輪免許の取得が難しかったため、特に若いライダーにとっては憧れの存在だった。

国内仕様は「ナナハン」と呼ばれた750ccだが、輸出仕様ではCBが900ccと1100cc、カタナは1000ccと1100ccが用意されていた。これは、1988年まで国内販売するオートバイの排気量上限を750ccとするメーカー間の取り決めがあったためである。

なお、排気量別の出力制限や最高速180km/hといった自主規制もあり、1996年に大型二輪免許が教習所で取得できるようになるまで、ライダーにとっては窮屈な時代が続いていた。

1970〜80年代の人気車の車名とデザインを受け継ぎながら、まったく新しいオートバイとして再構築するという手法を最初に採ったのは、2017年にデビューしたカワサキのZ900RSである。続いて2019年には、スズキが新世代のKATANA(カタナ)を送り出した。ホンダは2020年、CB1000Rをベースにした「CB-Fコンセプト」を公開し、大きな反響を得たが、営業的な判断により市販化は見送られた。

しかし、開発現場ではCBの市販化を諦めていなかったようだ。おそらく新しいCBは、CB1000ホーネットと並行して開発が進められていたのだろう。2025年3月に正式発表された際、開発スタッフに話を聞く機会があったが、その説明には“やりきった”という満足感と、完成度への確かな自信が溢れていた。

\CB1000F SEをピックアップ解説/
専用カウル&ステッチシートで際立つ特別感

CB1000F SEは、伝統的な雰囲気を強調する専用ヘッドライトカウルやラジエーターガード、専用カラーステッチシートを装備。グリップヒーターやクイックシフターも標準で、快適性と操作性が向上している。5インチTFT液晶メーターとHonda RoadSyncによるスマートフォン連携も備え、上質かつ実用性も兼ね備えた特別仕様だ。

画像: ヘッドライトカウル

ヘッドライトカウル

画像: ラジエーターグリル

ラジエーターグリル

画像: 専用カラーステッチシート

専用カラーステッチシート

画像: クイックシフター

クイックシフター

画像: グリップヒーター

グリップヒーター

快適のF・刺激のカタナ。それぞれの流儀を体感

今回はスタンダードモデルの「F」と、装備を充実させた「SE」を乗り比べることができた。ヘッドライトカウルやクイックシフターを装着したSEは車重が3kg重いものの、一般道では走行フィーリングの差はほとんど感じられない。

高速走行ではカウルの効果で胸より下への風圧が軽減されるが、カウルやスクリーンが小型なため防風効果は限定的だ。そのぶんネイキッドらしい開放感はしっかり残っており、ルックスや装備の好みで選べばいいだろう。

街乗りやツーリングでの快適性を重視するCB1000Fに対し、カタナはより爽快なスポーツ性能を狙った仕上がりだ。ピックアップの俊敏さと高回転域で炸裂するパワーデリバリーからは、ベースとなるGSX-R1000由来のエンジン特性が感じられる。これに高剛性のフレームとやや硬めの前後サスペンションを組み合わせることで、車名どおりの切れ味鋭い走りを実現している。

画像: KATANA

KATANA

カタナは全体的に硬質で、ネイキッドというよりも積極的に振り回す楽しさを持つストリートファイター的キャラクターだ。峠道を攻めるにも、サーキットでポテンシャルを引き出すにも、間違いなくCB1000Fよりエキサイティング。ただし、ライダーの腕を選ぶ側面もある。

総じて、優等生の「CB」、ヤンチャな「カタナ」といった性格分けができるだろう。

\評価のポイント/
鼓動で魅せるCB、切れ味で魅せるカタナ。選ぶなら、フィールか!? 刺激か!?

画像: KATANA(左)、CB1000F(右)

KATANA(左)、CB1000F(右)

CB1000FはCBR1000RR、カタナはGSX-R1000用エンジンがベース。CBはバルブタイミングとリフト量、ファンネル形状を大きく変更して低中回転域での力強さと、CB750FOURのような粒感のある吸排気音を演出。

カタナはSSマシン的な8000回転から1万2000回転あたりの強烈なレスポンスが魅力。ゼロ発進が楽なのは1~3速のギア比が低いCBで、コーナーでの繋がりがいいのはクロスレシオ設定のカタナだ。

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