まとめ:オートバイ編集部
スズキ「アドレス125」開発者インタビュー

スズキ株式会社の開発陣の皆さん。写真左から順に、斉藤 航平氏(デザイン)、山口 順平氏(エンジン)、田鍬 洋介氏(チーフエンジニア)、副松 春佑氏(エンジン)、佐久間征耶氏(車体)
スタイルと走りを洗練させた魅力の1台
「日本ではアドレス125として2022年に発売し、まだ登場してそれほど経っていない印象ですが、生産国のインドでは2019年から発売されていましたので、今回フルモデルチェンジを迎えることになりました」
そう語るのはチーフエンジニアの田鍬さん。大型リアキャリアは「日本のお客様からの強い要望」で装備されたのだそうだ。
ヨーロピアンスタイルの流麗なスタイリングは、前モデルのイメージも活かした、新鮮味を感じさせるもの。斉藤さんが語る。
「イメージをがらりと変えてしまうのも良いのですが、今回は前モデルのいいところも活かしながら、上質で洗練されたイメージに仕上げています。ヘッドライト下のU字型のポジションランプは、男性の正装をイメージし、ネクタイピンのようなワンポイントのアクセントになるよう配置しています」

新型アドレス125で重視したのは上質感。エンジンも上質なフィーリングを目指しているという。山口さんと副松さんに聞いた。
「低中速域のトルクを増やし、ピークパワーの発生回転数を下げたことで、よりスムーズな走りを楽しんでいただけるよう、走りのチューニングを施しています。マフラーはサイレンサーがコンパクトになりましたが、消音効果は前モデルと同等のレベルです(山口さん)」
「パワー同様に、エンジン周辺の音にも気を配りました。たとえば始動音ですが、スターターを見直し、始動時に金属音がしないよう工夫したことで、静かで高級感のあるフィーリングにしています(副松さん)」

パワーと同様に、乗り味もさらなる上質さを追求している。佐久間さんが語る。
「まず感じていただけるのは、前のモデルよりエンジン回転数が低くなって、静かでジェントルになったことです。スムーズに速度を乗せてくれ、高級車に乗っている実感があります。また、車体も軽量かつ高剛性にしたことで、フロントの接地感が向上し、車重を感じないフットワークに仕上がっています」
走りだけでなく、それぞれのパーツの質感も大幅に高められた。最大の特徴である、リッド付きの給油口も開発中のアイデアだという。田鍬さんに聞いた。
「前モデルでは、給油時はキーを抜いてキャップを開ける構造でしたが、今回は集中キーでキーを抜くことなく開けられるようにしたのと、リッドの裏側に燃料キャップの置き場を設けました。4輪の高級車にある装備ですが、設計者からの発案にみんなノリノリで、すぐに採用が決まりました」
気兼ねなく使える走行性能と利便性を備えながら、ちょっと贅沢な時間を楽しめる、上質な仕上げも忘れない。新型アドレスは毎日を楽しく変えてくれるパートナーなのだ。
「ご近所へのおでかけ、お買い物だけでなく、週末にちょっと出かけてみようかな、と遠出をしてみたくなる、そんな1台に仕上げています。ぜひ楽しんで下さい(田鍬さん)」

▲シートを開けずに簡単に給油できて、高級感もある。新型アドレスの給油口は、開発陣がこだわる「上質な高機能」をまさに体現しているのだ。
純正アクセサリーで使い勝手も拡大!

▲純正アクセサリー装着車
メーターバイザー(1万1000円)

▲おしゃれなフロントマスクにマッチしたデザインのショートスクリーン。色はクリアでポリカーボネイト製。走行風から胸元をガードしてくれる。
トップケース27L(1万9800円)

▲標準装備のリアキャリアにジャストフィットする27L容量のボックス。取付には別売のアダプタープレート(6270円)が必要。




