クラス唯一の4気筒エンジンに、流麗な集合マフラー。1974年に登場した「ドリームCB400FOUR」は、その完成度の高さとは裏腹に、時代の変化に泣かされた一台だった。生産終了後に評価を不動のものとした伝説の名車を、その装備やスペックを当時の背景とともに解説する。
まとめ:オートバイ編集部
まとめ:オートバイ編集部
ホンダ「ドリームCB400FOUR」(1974年)の各部装備・ディテール解説

メーターのデザインはCB350フォアから大きく変わり、回転計と速度計の間が広くなった。その位置には、インジケーター類を配置。鍵は使い勝手の良い両面キーを採用していた。

408cc時代は燃料タンクのカラーリングに赤と青が採用されていたが、398cc版では青に代わり黄色が登場している。なお燃料タンクの仕様も、408cc版から変わっている。

2気筒や単気筒が主流だった当時に登場した4気筒エンジン。1974年の初期型は408ccの排気量で登場し、1976年の後期型で398ccにダウン。最高出力は37PS(後期型は36PS)で、扱いやすく乗りやすい性能となっていた。

各気筒からの排気の脈動を利用して、効率を促進させることをねらった4-into-1マフラーを採用。またこの排気系は、排気の相互干渉により、消音効果の向上をもたらしていた。部品点数も少なく、コストダウンの効果もあった。

有効径214mmのフロントディスクブレーキを採用。このキャリパーのパッドと、リアブレーキのライニングの残量は、ともに外部から目視できる設計となっていた。

有効径180mmのドラム式ブレーキをリア側に採用。消音器は3つのセパレーターを持つ厚みのある構造であり、排気音の静かさもセールスポイントにしていた。

特徴のある、鋲打ちのデザインのシートのサイドには、センタースタンドをかけるときに便利なアシストグリップが備わる。フレームはセミ・ダブルクレードル型を採用していた。
ホンダ「ドリームCB400FOUR」(1974年)の主なスペック・当時価格
| 全長×全幅×全高 | 2050×705×1040mm |
| ホイールベース | 1355mm |
| 最低地上高 | 150mm |
| 乾燥重量 | 185kg |
| エンジン形式 | 空冷4ストロークSOHC2バルブ並列4気筒 |
| 総排気量 | 408cc |
| ボア×ストローク | 51.0×50.0〈48.8〉mm |
| 圧縮比 | 9.4 |
| 最高出力 | 37PS〈36PS〉/8500rpm |
| 最大トルク | 3.2kgf・m〈3.1kgf・m〉/7500rpm |
| 燃料供給方式 | PW20キャブレター |
| 燃料タンク容量 | 14L |
| 変速機形式 | 6速リターン |
| キャスター角 | 63゜30′ |
| トレール量 | 85mm |
| ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・ドラム |
| タイヤサイズ(前・後) | 3.00S18・3.50S18 |
| 発売当時価格(1974年) | 32万7000円 |




